お墓の改葬や建て替え。トラブル回避のためのポイント
お墓の改葬(引越し)をしたいと思っても、お墓は先祖代々墓や沖縄であれば門中墓など、親族の遺骨も入っていることが多く、墓主とは言え独断では決めかねますよね。
家族単位の数人であれば、割と問題なく進めることができても、親族となると広い範囲になります。自分なりに配慮したつもりでも、思わぬトラブルが起きることが、思った以上に多いです。
思わぬことで親族とのトラブルが起きた、お墓の改葬がきっかけで疎遠になったり、納得できないことが起きた…、などなど、体験者から聞くことで、最初から回避ができたら助かりますよね。
そこで今回は、お墓の改葬を検討している墓主さんに聞いて欲しい、親族間のトラブルを避けるための、話し合いのポイントをお伝えします。
お墓の改葬や建て替え。
トラブル回避のためのポイント
お墓を改葬する目的を共有
頻繁にお墓を確認したり、中心になってお墓のメンテナンスをしている墓主であれば、現存のお墓の不備にいろいろ気づくかもしれません。
だからこそ、お墓の改葬や建て替えを検討するのですが、意外にも、日ごろあまり気にしていない親族は、「そもそも今のままで問題はないのでは?」と考えていることが多いです。
【 お墓の改葬や建て替え、現状を一緒に把握する 】
★ お墓を改葬するか、建て替えで良いのか…、その判断基準は修復の頻度であったり、地盤や立地環境などさまざまな要素があります。
・ 親族や家族を説得する際には、現地へ一緒に足を運び、気になる部分や状況、立地環境まで一緒に見て確認してください。
そして、問題を共有しながら、「建て替えで行くか、お墓の改葬までするか。」を一緒に検討してみてはいかがでしょうか。
何よりも気になる、お墓の改葬費用
ただし、近年のお墓問題の傾向として、「継承者がいない。」「墓主が遠方にいて、管理やお墓参りが困難。」と言う事情があります。
そのため、建て替えをしても管理しきれないため、お墓の改葬を最初から選択するケースが大幅に増えているのです。そうなると、新規のお墓を建てるなど、それなりのコストが掛かります。
【 お墓の改葬や立て替え、費用の話し合い 】
★ 新規のお墓を建てて改葬となれば、それなりのお墓を建てようと思えば300万円以上が平均的な金額です。
・ 先祖代々墓や沖縄の門中墓などになると、費用を出し合う傾向があるため予算まで確認しなければなりません。
もちろん、数十万円などの予算でも(いくら墓主であっても)、誰か一人が費用を負担するとなれば、後々までスッキリしないことも多いです。
「自分が出して納得!」と言うなら別ですが、後々モヤモヤしそうであれば、「着手する前に」予算を決めて、誰がいくら、どのように払うのかを確認してから進めてください。
★ また、親族や家族とお墓の建て替えを検討していても、石材業者に依頼して着手したところ、地盤が緩くて基礎工事が必要になるなど、思わぬ出費が出ることもあります。
・ その都度都度で「報告・連絡・相談」をして、独断を避けるのがポイントです。
お墓を改葬するなら、優先順位
お墓を改葬することで話し合いがまとまった場合、①お墓の改葬方法②立地環境③お墓のデザイン、前述した④予算まで、親族で決めて行ければ安心です。
【 お墓の改葬、細かな決め事 】
① お墓の改葬方法 … 一般的にお墓の改葬と言えば、新しいお墓を建てて遺骨を入れ替えるイメージですが、墓石ごと移動する方法もあります。
② 立地環境 … お墓を改葬するのであれば、親族や家族がお墓参りがしやすい場所が理想的です。ただ、それぞれに住まいは違うはずですので、これも皆で決めた方が安全です。
③ お墓のデザイン … 新しいお墓を建てるとなれば、デザインまで一緒に決めることをおすすめします。洋墓がコストは低めですが、予算と兼ね合わせて調整してください。
④ 予算 … ここが一番重要です。予算に合わせた墓地の広さやデザインで進めたいので、最初に予算を決めるとスムーズです。
お墓の改葬をする際のデザインですが、近年では特に「彫刻」に拘った方が増えてきました。昔ながらでは家名を彫るものですが、「愛」や「ありがとう」など、言葉を彫るのを好む方も少なくありません。
改めて墓主を決めておく
実はお墓は複数で墓主になることができません。名義人は1人ですし、家族や親族であっても、名義人以外の人は、お墓の改葬や修理などは自由にできないのです。
【 お墓の改葬、改めて墓主を決める 】
★ 墓主を変更する事例はほとんどありませんが、後々のお墓の継承までこの機会に話しておくと、後々まで安心かもしれません。
・ お墓に関する話は、日ごろなかなか切りだせないので、良い機会となるのではないでしょうか。
お墓を改葬は、「離檀」すること
こちらは親族や家族との話し合いではありませんが、既存のお墓が寺院墓地にある場合、その寺院の檀家から離れることになるため、お寺としてはあまり嬉しいことではありません。
そのため、しばしば法外な離檀料を要求されるなどのトラブルが生じますので、寺院へも出来る限りの配慮が必要です。
【 お墓の改葬、寺院への配慮 】
★ お墓の改葬を決めたら、できるだけ早く相談や報告をするだけで、随分と相手の気持ちは変わります。
また、家族や親族が現在の寺院での宗旨宗派にこだわっているなら、新規の墓地ではその宗旨宗派の寺院、もしくは宗旨宗派に拘らない民間霊園などを選んでください。
いかがでしたでしょうか、今回はお墓の改葬や建て替えを進める際に、家族や親族間でトラブルにならないよう、話し合っておきたい事柄をお伝えしました。
お墓の改葬や建て替えで動いているのが墓主だった場合、1人で家族や親族の意見をまとめたり、調整しながら進めるのは、思っている以上に負担になります。
さらに何かと墓主が一人で決断することで、思いがけない反対やトラブルに発展することも多いので、できれば一緒に動いてくれる家族や親族を探してみてはいかがでしょうか。
新しい霊園の見学や石材業者との打ち合わせなど、やはり1人よりも複数の方が心強いので、皆で報告・連絡・相談をしながら、スムーズに進めてみてください。
まとめ
お墓の改葬でトラブルを避ける話し合い
・お墓の現状や問題を共有する
・予算と出す方法を皆で決める
・デザインや立地、詳細を決める
・墓主を確認、後々の継承も話しておく
・家族が望む宗旨宗派を確認する
・寺院墓地なら早めに報告(相談)をする