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一年忌(イヌイ)法要の手順。施主が行う5つの流れとは

一年忌(イヌイ)法要の手順。施主が行う5つの流れとは
一年忌(イヌイ)は沖縄の一周忌。全国的なものと同じく、故人が亡くなってから一年と言うひとつの節目であり、喪明けの意味合いもありますよね。そのため、施主としては滞りなく、丁寧に供養をしたいもの…。

 

法要の初めての節目とも言える四十九日(シジュウクニチ)では、特に沖縄では本位牌の準備をはじめ、全国的にも仏壇やお墓まで、この日までに準備をしたい…、と考える方も多いのですが、時期的に早すぎて進められない事は、少なくありません。

 

そんな時、次の節目となるのがこの一年忌(イヌイ)。一年は例えば、コスト的にも今後のためにも、丁寧に選択していきたいお墓などを準備するには、丁度良い期間ではないでしょうか。

 

これからの年忌焼香(ニンチスーコー)の始まりとなる一年忌(イヌイ)、丁寧に執り行いたいですよね。そこで今回は、一年忌(イヌイ)を執り行う、基本の段取りと手順をお伝えします。

 



 

一年忌(イヌイ)法要の手順。
施主が行う5つの流れとは

 

一年忌(イヌイ)はまず、お墓参りから


生まれ変わる世界が決まる四十九日(シジュウクニチ)以降、故人の魂は家からお墓へと移る、とされているため、一年忌(イヌイ)法要ではお墓参りをして、故人の魂を案内するところから始まります。

 

【 お墓参りで故人をお迎え 】

 

★ お仏壇に御願をした後、お墓へ出向いて基本のお供え物を供えてください。墓前に供える基本のお供え物は、供え花とウチャトゥ(お茶)の他、お酒とお水です。

 

・ 沖縄のお墓参りで欠かせない、ウチカビとお線香も準備し、お墓へ出向きます。

 

那覇市など地域によっては、仏壇前に供える重箱料理(ウサンミ)の一部として、ウチャワキも墓前に持って行きますが、これはそれぞれに風習が異なるのではないでしょうか。

 

 

お墓参りでの一連の流れ


一年忌(イヌイ)とは言え、お墓参りの基本的な流れで行えば大丈夫。沖縄のお墓参りでは、まずお墓の左側(向かって右側)にある、ヒジャイヌガミ様へお参りをしてから、中央のお墓へ御願をしてください。

 

【 お墓参りの流れ 】

 

★ 迷いがちなのが、ヒラウコーの本数とウチカビの枚数。長い習慣のなかで、家庭によってそれぞれの考え方が広がっているので、実際には、あまり気にしなくても問題ありません。

 

・ ただ、基本的にはヒラウコーは、一人につき1/2ヒラに当たる3本。ウチカビも一人につき3枚とされています。

 

仏教において「3」はとても重要な役割を果たしています。「三毒」「三宝」「三業」など、あらゆる説法で「3」が現れ、お焼香の回数も宗旨宗派によって異なるものの、三回が基本。多く用いられている数字です。

 

 

お墓参りでの文言


一年忌(イヌイ)お墓参りでは、故人の魂を迎え入れますので、ヒラウコーを焚いた後に、これから一年忌(イヌイ)を執り行うことを故人の魂に伝えて、お家へ招く必要があります。

 

流れとしては、お供えをしてヒジャイヌカミ様へ御願、その後にヒラウコーを一人に付き3本拝し、一年忌(イヌイ)の文言を唱えてから、ウチカビを焚いてください。

 

【 一年忌(イヌイ)、墓前での文言 】

 

★ 「イヌイヌ スーコー サビークトゥ。(一年忌の焼香を行います。)イメンソーチ ウタビリソーリ。(家にいらっしゃってください。)」

 

…これでウチカビを焚いた後、自宅へ帰り、法要は仏壇前に移ります。

 

 

一年忌(イヌイ)でのお供え物


一年忌(イヌイ)だけに大きな年忌焼香(ニンチスーコー)ですから、沖縄の定番、重箱のお供え料理であるウサンミは、おもちとおかず重がそれぞれ2箱ずつ、合計4段ある「チュクン」で準備。まだ日が浅い若焼香(ワカスーコー)ですから、弔事用のものを用意してください。

 

【 一年忌(イヌイ)のお供え物 】

 

★ このチュクンのウサンミの他、お供え物基本の4点(お水・お酒・ウチャトゥ・供え花)、「ムイグァーシ」と呼ばれるお菓子の盛り付けと、果物を両脇に2皿ずつ、準備します。

 

この他に、本位牌前には二種類のお菓子を、合計7個盛り付けた「ハーガー」、7個のおだんごを盛り付けた「ダーグ」を、小皿でそれぞれ2皿ずつ、供えてください。

 

 

弔問客への対応


一年忌(イヌイ)は本来、故人が亡くなって一年目の命日に執り行われるもの。年忌焼香(ニンチスーコー)の最初の法要でもあり、大きな節目のひとつとなるために、焼香客が訪れることも少なくありません。

 

【 一年忌(イヌイ)、焼香客への対応 】

 

★ 前項までお伝えしたお供え物の他、仏前にはウサンミ(お重のお供え)からおかずを取り分け、ご飯と汁物、酢物を添えた「ご膳料理」も供えます。

 

・ このご膳料理を、焼香客の皆さまへも出すのが、基本的な作法。近年では焼香客用に仕出し弁当を手配することも多いです。

 

 

いかがでしたでしょうか、一年忌(イヌイ)を終えれば、後々の三年忌(サンニンチ)や七年忌(シチニンチ)も、ほとんどの法要の流れが一年忌(イヌイ)と変わりありません。そのため、勝手も分かりより進めやすくなるのではないでしょうか。

 

沖縄の一年忌(イヌイ)から始まる年忌焼香、全国的には一周忌や三回忌にあたる法要と役割は同じ。けれども細やかな部分で違いがあります。そしてより気を付けなくてはならないのが、法要の日をずらして行う場合です。

 

…と言うのも、近年では焼香客が集まりやすいよう、命日に近い土日を利用して一年忌や一周忌を執り行いますが、全国的には命日よりも前にずらすものとされています。ところが沖縄では、ずらす場合には命日よりも後

 

全く正反対の風習ですので、意識して進めてみてください。

 

 

まとめ

一年忌(イヌイ)で施主が理解する流れ

・お墓参りをして、故人の魂を出迎える
・一人に付き、ヒラウコーは1/2ヒラ、ウチカビは3枚
・ヒラウコーを焚いた後、魂を迎える文言を唱える
・基本のお供え4点と、「ムイグァーシ」「ダーグ」を供える
・弔問客へはお仏前に供える、ご膳料理をお出しする

 

 



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