葬儀後のナンカスーコー、四十九日までの7つの焼香
ナンカスーコー(七日焼香)は沖縄では、焼香客も訪れる大切なスーコー(焼香)ですよね。「ナンカスーコー」は、本州の週忌法要に当たります。
本州は初七日と四十九日のみ、読経供養を依頼して弔問客を招きますが、沖縄のナンカスーコーでは奇数週の「ウフナンカ(大七日)」まで、焼香客が訪れるのです。
沖縄ではスーコーがより重要に扱われるだけに、施主であれば、ひとつひとつを理解して執り行いたいですよね。そこで今日は、葬儀から四十九日までの、7つのナンカスーコーについてお伝えします。
葬儀後のナンカスーコー、
四十九日までの7つの焼香
ハチナンカ(初七日)
本州の初七日に当たる「ハチナンカ」は、葬儀後初めてのナンカスーコーです。
沖縄では葬儀当日に納骨式まで済ませる習わしがあるため、昔ながらの慣習を重んじる地域では、このハチナンカまでの七日間、毎朝お墓参りに行きます。(これが「ナーチャミー」です。)
【 ナンカスーコー①:ハチナンカ 】
★ ハチナンカはご臨終の日を一日目として、七日目に行われるナンカスーコーですので、仮に4月1日に亡くなった場合には、4月7日に執り行います。
・ 奇数週の「ウフナンカ(大七日)」に当たる上、本州でも「初七日」と呼ばれる大切な供養となり、焼香客も多く訪れる日です。
現代では「クリアゲナンカスーコー」と言う、スーコーをまとめて行う事例も増えましたが、ハチナンカは執り行い、この日に数回繰り上げる家も多いです。
タナンカ(二七日)
タナンカはご臨終の日から数えて十四日目、ハチナンカの翌日を第一日目と数えて七日目に執り行います。
【 ナンカスーコー②:タナンカ 】
★ 4月1日に亡くなった場合、4月14日に行われますが、この日は偶数週(第二回目)の「マドゥナンカ(合間七日)」の日です。
・ マドゥナンカの日には、身内のみでしめやかに行う慣習があるので、焼香客は来訪しません。
その分、お供え物も少なくする家が多く、ウフナンカでは重箱もチュクン(四段)が基本ですが、マドゥナンカではカタシー(片方=半分の二段)を準備します。
ミナンカ(三七日)
故人がご臨終した日から二十一日目、第三回目のウフナンカです。他のナンカスーコーの日取りも同じですが、ヒヌカンと霊前に手を合わせた後、朝からお墓参りをして、ナンカスーコーの案内を掛けてください。
【 ナンカスーコー③:ミナンカ 】
★ ウフナンカでは焼香客は訪れますが、ミナンカになると遺族の他、親しい知人友人や親族などに限られてきます。
・ 拝み方はハチナンカに同じですが、ハチナンカで読経供養を依頼した家でも、ミナンカ以降は四十九日まで、自分達で拝むことが多いです。
ただし親族にユタさんがいる家などもあり、施主の代わりにユタさんが拝みを行うこともあります。
ユナンカ(四七日)
ユナンカは「四七日」、つまり「四回目の七日の日」ですので、ご臨終の日から四×七で二十八日目に執り行われる、偶数週のマドゥナンカです。
【 ナンカスーコー④:ユナンカ 】
★ マドゥナンカですので、焼香客は来てもごくごく少ない人数で執り行います。拝み方はタナンカと変わりません。
・ 四十九日まで毎週執り行うナンカスーコーは、ほとんどの家で、自宅の霊前で行います。
毎回本州都心部に見る法要のように、会場を手配したり、お坊さんをお呼びしては、経済的にも体力的にも負担は大きいものです。
イチナンカ(五七日)
イチナンカは五回目のナンカスーコーとなり、故人が亡くなってから三十五日目に執り行います。
【 ナンカスーコー⑤:イチナンカ 】
★ この日も朝からお墓参りを行い故人に案内をして、家で行うナンカスーコーは午後からです。
・ 親しい知人友人や親族は、ここまでハチナンカ、ミナンカ、イチナンカ、と三回焼香に訪れていますが、お香典もそれぞれで持参してください。
シジュウクニチ(四十九日)も訪れるのであれば、ここでもお香典を持参します。ただし、一回分はその分少なくして問題はありません。
例えば、一回に付き千円、葬儀も含めて五回と計算すれば、本州の目安と同じ五千円です。
ムナンカ(六七日)
ムナンカは六週目のナンカスーコー、偶数週なのでマドゥナンカに当たります。故人が亡くなってから42日目のスーコーです。
【 ナンカスーコー⑥:マドゥナンカ 】
★ マドゥナンカですのでタナンカと同じ供養です。六週目ではありますが、この日も早朝からお墓参りに行き、ナンカスーコーの案内を掛けてください。
シジュウクニチ(四十九日)
最後がシジュウクニチ(四十九日)です。ナンカスーコーの数え方で言えば「七七日」と書いて「シチナンカ」とも言います。ご臨終から四十九日目に執り行われる、遺族にとっては忌明けともなる焼香(法要)です。
【 ナンカスーコー⑦:シジュウクニチ 】
★ ウフナンカと言うだけではなく、全国的にも重要なスーコー(焼香)となり、より多くの焼香客が訪れます。
・ お供え物で大きく違う点は、人の骨に見立てた「フニムチ」と呼ばれる四十九個の白餅を供えることです。
また施主の手順として大きく違う点は、この日に合せて位牌を準備、若しくは位牌に名前を書く準備です。この日に、今までの仮位牌(シルイフェー)は、墓前でお焚き上げをする儀礼があります。
いかがでしたでしょうか、今日はハチナンカ(初七日)から始まる、七日毎のナンカスーコーについてお伝えしました。故人の魂は四十九日まで、家とお墓を行き来していて、とても不安定です。
さらにナンカスーコー毎に、故人はグソー(後生=あの世)で裁判を受けていて、ナンカスーコーにより追善供養をすることで、より生前の罪が軽くなるとも言われています。
ただし、現代の暮らしでは親族も集まることが難しく、葬儀や初七日に「クリアゲナンカスーコー」(つまり、スーコーをまとめて行い繰り上げること)をする家も多くなりました。
まとめ
葬儀後、四十九日までに行うスーコーとは
・ハチナンカ(初七日)は全国的にも重要
・タナンカは身内のみで行う
・ミナンカは焼香客も訪れるスーコー
・ユナンカも「マドゥナンカ」、身内のみで行う
・イチナンカは「ウフナンカ」、焼香客が訪れる
・ムナンカでも、墓前には案内をしに行く
・シジュウクニチではフニムチを供える