沖縄で仏壇の準備☆自由になった選択肢、3つのタイプ
沖縄では仏壇は代々伝わる大切なものですよね。沖縄の仏壇に祀られる沖縄位牌はトートーメーとも言われ、その継承にも独自のしきたりや文化があるほど。生活の変化から、沖縄では仏壇の継承者がいない事も問題になっています。
けれどもその一方で、沖縄へ移住してきた方々や、門中から独立した方々の間では、より自由な沖縄の仏壇として、注目する方も増えてきました。「自分や両親だけで、継承しなくても良い。」と考えて新調するかたも少なくありません。
沖縄ではお墓も永代供養の出現によって、個人墓や夫婦墓と言う、より身近な括りのものが増えてきましたが、これは沖縄の仏壇としても同じことが言えますよね。
そこで今回は、基本の沖縄仏壇とともに、近年注目されている新しいタイプの沖縄の仏壇をお伝えします。
沖縄で仏壇の準備☆
自由になった選択肢、3つのタイプ
沖縄で仏壇を新調する
沖縄で仏壇を新調する際、最も最初に思い浮かぶのが「沖縄仏壇」ではないでしょうか。沖縄に住んでいたり、深く関わっている方ならすぐに分かるものの、全国的なものと比べると独特の仏壇が、沖縄仏壇です。
★ 沖縄仏壇と言えば「はめ込み作業」。押入れなどを改造して、仏壇をはめ込みます。
・ お盆などでは提灯などの祀り物があるため、電気系統も調整しなければならず、個人ではめ込むのはほぼ難しいと言えます。
仏壇屋さんに改修を依頼して、はめ込むのが一連の流れ。テレビなどでも良く見られる、大きな五尺ほどの沖縄仏壇はもちろん、二~三尺ほどの大きさのものもあります。
沖縄仏壇の選び方
沖縄の仏壇屋さんへ出向く前に、はめ込む予定の押入れやスペースの大きさ(横幅、縦幅、奥行き、高さ)を測って行くと、一度で済んでスムーズ。沖縄仏壇はひと口に言っても、さまざまで価格帯にも幅があります。
★ 価格帯は15万円前後~何と600万円前後のものまで!なかでも、50万円前後~100万円台くらいが多く選ばれている仏壇です。この違いは、使われている木材の品質。そして仏壇を装飾している掘りのデザインでも違います。
・ 沖縄仏壇で使う木材に多いのは、「チャーギ」。沖縄の湿気にも強い事が何よりのメリットで、シロアリ対策にもなるため、おすすめ。
チャーギにもグレードが分けれており、それによって値段も大幅に変わります。長年使い掃除をすると、品質の差が見えてしまうため、安ければ15万円前後のものもありますが、長く使うのでしたら、ある程度グレードの高い木材がおすすめです。
唐木仏壇で重厚感
沖縄仏壇と比較して唐木仏壇は全国的に使われているもの。沖縄仏壇のようにはめ込むこともほとんどなく、何よりも木材がチャーギではなく「黒檀」や「紫檀」を使うのが特徴。
ただ、近年では黒檀や紫檀を使用したような重厚感を感じさせる仏壇を、総じて「唐木仏壇」と呼ぶ風潮もあり、ケヤキや桑などの木材も唐木仏壇と言われています。
★ 少し横幅があるものでも100万円前後から購入する事が出来ますが、幅は広く、こちらも高いものもあります。
・ 前述したように、「黒檀や紫檀を使用したような重厚感」を醸し出す仏壇が、唐木仏壇と言われる風潮があるため、木目が印刷されているようなタイプがあるのも、事実です。
近年多い「モダン仏壇」
ここで注目されつつある3つ目のタイプが「モダン仏壇」。まだまだ新しいスタイルですので、「家具調仏壇」「インテリア仏壇」など、いくつかの呼び名があります。
モダン仏壇とは、現代の暮らしにもマッチするような、西洋風のデザインが特徴的な仏壇ですが、「西洋風」の仏壇は全てモダン仏壇とされているため、ホントに多種多様。
★ このような事情から価格帯もより幅は広いものの、全体的に沖縄仏壇や唐木仏壇と比較しても、安価なものが多い傾向があります。
・ 最もシンプルな閉めるとドレッサーのようになるタイプで、20万円前後など。モダン仏壇には卓上のものもあり、そうなると、5万円前後のものまであるのも特徴。
尚、モダン仏壇を選ぶ方々は手元供養を選ぶ方も多く、骨壷をこだわってデザイン性の高いものを選んだり、仏具もおしゃれなものを選ぶ傾向も特徴的です。
驚きの多種多様な「モダン仏壇」
このように、沖縄仏壇のようなはめ込み式の他にも、より暮らしのなかに馴染み、おしゃれにもなる仏壇が注目されつつあり、沖縄でもマンションを中心に少しずつ見られるようになりました。
★ 近年では全国的な台付の仏壇、タンスなどの上に置く上置きタイプの仏壇はもちろん、変わったタイプでは「壁掛け仏壇」なんて言うのも見受けられるのも、新鮮。
・ また近年では、法事法要の際に広間へ移すことが出来るような、可動式の仏壇まで出ていると言うのには、驚きです。
仏壇の世界も、現代の暮らしに合わせて、変化しつつあるのです。
いかがでしたでしょうか、沖縄では仏壇と言えば沖縄仏壇を思い浮かべるため、一間を仏間として考える傾向がありますが、近年広がるモダン仏壇にもなると、仏壇も含めて現代風のインテリアコーディネートをしてしまうと言う、斬新な発想が垣間見えます。
そもそも沖縄だけではなく仏壇は仏式のイメージが強い傾向がありますが、実際には仏式の他にも、神式、キリスト教式があり、仏像や壁掛けの代わりに、御神鏡であったり、十字架やマリア像を飾ったり…、と言うものも。
けれどもさらに近年になると、宗教自体に拘らない、自由な祀り方も目立って増えてきました。このような自由な仏壇に多いのが、写真を中心にして花や分骨した骨壷が置かれているタイプです。
より自由になってきた仏壇の置き方・祀り方。昔ながらの伝統を守るも良し、新しいスタイルで故人を偲ぶのもよし。自分たちらしい仏壇を選んでください。
まとめ
人気がある仏壇、3つのスタイル
・沖縄仏壇は仏具屋さんに相談してはめ込みが多い
・チャーギの品質(グレード)や装飾で価格が違う
・唐木仏壇は黒檀などを使った重厚感が特徴
・現代の暮らしに合わせた仏壇がモダン仏壇
・現代では壁掛けや可動式の仏壇もある