永代供養のメリットデメリット。終活で選ぶ時の基礎知識
永代供養は近年、終活をしている方々の間では有名ですよね。実は「永代供養」の言葉自体、近年使われるようになりました。仏教的な意味合いと、終活で言われる「永代供養」とは、また少し違います。
現在、終活で注目されている、霊園施設が使うところの「永代供養」は、子どもや孫などが継承しない場合にも、霊園施設の管理者が永代に渡り供養や管理をしてくれる、と言う意味合いです。
このように永代供養自体に形がないので、そのプランは霊園施設によってさまざまあり、ひとつの霊園内にも、予算や希望に合わせたいくつかの永代供養プランや永代供養墓があることが多くなりました。
終活で生前墓を考えている方だけではなく、納骨を検討している方々にとっても、状況によってはとても助かり、安心できますよね。
そこで今回は、永代供養とは何か…、その概要とメリットデメリット、選ぶ時の注意点などをお伝えします。
永代供養のメリットデメリット。
終活で選ぶ時の基礎知識
永代供養とは
永代供養とは、冒頭でお伝えした通り、施設の管理者が子どもや孫に代わり、遺骨の管理や供養をしてくれる「サービス」を差しています。
かつてはお墓と言えば先祖代々墓や門中墓など、親から子、子から孫へと代々伝わる、家ごとのお墓がほとんどでしたが、今では個人でお墓を建てたり、供養をするケースが増えてきました。
これも、永代供養が注目される背景にあります。
【 永代供養の一例 】
★ 永代供養はお墓であれ合祀墓であれ、管理とともに供養を行ってくれます。
・ 個人での契約の場合、毎月の命日
・ お彼岸やお盆などの合同供養
・ 七回忌、十五回忌などの年忌法要での供養
…などなど。
ただし、この供養方法は施設やプランによってさまざまにあるので、規約を確認しながら契約を進めてください。
合祀墓での永代供養のケースでは、毎月合同供養が行われ、遺骨が埋葬されている家族は自由に出席できるものもあります。
永代供養の種類
ここまでお伝えしてきて、気付かれている方も多いかもしれませんが、永代供養自体が「供養」と言う形のないサービスなので、プラン自体はさまざまにあります。
【 永代供養の種類の一例 】
① 合祀墓に合祀埋葬される永代供養
… 「永代供養」で最もイメージする方が多いプランがこのタイプで、お墓がないために価格が安く10万円前後から見られます。
② 納骨堂での永代供養
… 納骨堂も近年急激に需要が高まっている葬送スタイル、お墓ではなく室内施設で、ロッカーのような個別スペースに骨壺を納める種類が多いです。
③ お墓に付加された永代供養
… 従来のお墓に後々の継承問題まで考えて永代供養を付加するケースもありますが、ニーズとして多くなっているのは、コンパクトな集合墓タイプです。
…などなどがあります。
最後の集合墓タイプでは、他のプランよりも個別スペースでの安置期間が長いものも見受けられるようになりました。
納骨堂や集合墓タイプの永代供養プランは、個別安置期間が長いほど価格帯も高くなり、10万円前後~など、安いプランの場合には、個別安置期間も1年などの短い期間が多いです。
三十三回忌、五十年など、長くなれば50万円~100万円ほどのプランが見受けられます。
永代供養のメリット・デメリット
永代供養のメリットは、何と言っても霊園施設管理者が子どもや孫に代わり、永代に渡り管理や供養をしてくれる…、と言う点です。そのため個人墓(一人で入るお墓)も、無縁仏の心配なく、建てることができるのです。
【 永代供養のデメリット 】
★ 永代供養の形態にもよりますが、合祀墓や納骨堂などを選ぶと一般的ではないために、親族からの反発を受けるケースも少なくありません。
・ また、集合墓や納骨堂、合祀墓タイプでは、お墓参りに戸惑う家族も多いです。合祀墓の場合、故人一人に対して手を合わせることができないことに、違和感を覚える方も見受けられます。
また、特に屋内にある納骨堂などでは、家族が年忌法要などの供養をしたい場合、お坊さんを読んでの読経供養などになると、周囲にも気を配って行わなければなりません。
永代供養を選ぶ時の注意点
永代供養の「永代」を「永遠」と勘違いする方も多いのですが、永遠に近いものの、永遠を保証してくれるサービスではないことも、理解しておきたいポイントです。
【 永代供養の注意点 】
① 想像したくはないですが、永代供養を契約した霊園施設が倒産したなどの場合、供養も行われなくなってしまいます。
… あまり聞くトラブルではありませんが、その可能性も在り得るとし、心配であれば事前に経営状況も調べておくと安心です。
寺院であっても離檀が増えている現代なので、心配であれば調べてみるのも良いかもしれません。
② 合祀墓タイプの永代供養は、改葬ができない
… 他の遺骨とともに合祀埋葬、納骨されるタイプの永代供養は、格安のメリットはありますが、一度合祀されてしまうと、ひとつの遺骨だけを取り出すことはできません。
後々お墓を建てることも考えているなら、個別安置期間はチェックして、個別スペースで安置できる、納骨堂や集合墓タイプを選ぶことをおすすめします。
いかがでしたでしょうか、今回は近年注目されている永代供養とは何か…、そして選び方や注意点まで、その概要をお伝えしました。
永代供養とひと口に言っても、それぞれの施設で多くの永代供養プランを出しているので、そのなかから、自分の希望やスタイルに最も近いものを選べたら、後々まで納得してお参りができそうではないでしょうか。
永代供養プランに基づいて、いくつか費用の目安を伝えましたが、この価格帯もさまざまです。例えば寺院墓地で永代供養を契約した場合、管理費は掛からなくても、檀家にならなければならないかもしれません。
この場合、檀家になれば菩提寺である寺院(墓地管理者)に、お布施を払う必要も出てきます。決定前に規約を良く確認して、疑問を質問しながら、後々までトラブルのないよう検討してみてください。
まとめ
永代供養の基本とは
・施設が永代に渡り供養をしてくれること
・合祀墓、納骨堂、集合墓などがある
・個人墓でも無縁仏になる心配がない
・親族に反対されるトラブルも多い
・個人で法要を行う時、周囲への配慮が必要
・合祀埋葬されたら改葬できない