納骨堂を生前に購入するなら。納得して選ぶポイント
「納骨堂」と言うことば、終活を進めている人々なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。納骨堂は本来、骨壷を一時的に安置する場所、と言う意味合いがありましたが、現代ではひとつの新しいお墓の形として、注目されています。
特に価格帯に幅があり、自分の希望の予算でコンパクトに収められる上、そこに永代に渡って供養をしてくれる「永代供養」が付いている施設やお寺が多く、子どもや孫に余計な負担を掛けなくて済む、とこの納骨堂を選ぶ人々が増えているのです。
そのため生前契約ができる納骨堂も多いのですが、納骨堂に限らず、自分亡き後とは言え…、亡き後だからこそ、後々トラブルにならないように、また、納得してお墓を選びたいですよね。
そこで今回は、今注目されている納骨堂を、自分のお墓として決定する際の基準とポイントを、その特徴とともにお伝えします。
納骨堂を生前に購入するなら。
納得して選ぶポイント
納骨堂とは
最近よく耳にする「納骨堂」ですが、一体何なのか、理解が曖昧な人々も多いです。それもそのはず、「納骨堂」は近年現れた「現代のお墓」とも言われているのです。
【 納骨堂とは 】
■ 以前は、屋内などで「ご遺骨を保管する場所」としての認識でしたが、現代では「お墓」としてご遺骨を安置し、永代供養を付けたものが増えています。
主に屋内でご遺骨を安置する、室内のコンパクトな集合型のお墓、と言えます。
納骨堂で選びたい種類とは
前項でもお伝えしたように「納骨堂」と言えば、ロッカーのような形状で遺骨が並べられたものを、一番先にイメージしますが、実際には墓石型・仏壇型など様々なタイプがあります。
【 納骨堂の種類 】
・ ロッカー型 … 最もポピュラーな納骨堂です。
・ 仏壇型 … 仏壇が並んだタイプです。
・ 自動搬送型 … コンピューターで制御された納骨堂です。
・ 墓石型 … 室内ながらコンパクトな墓石が並んだ納骨堂です。
ロッカー型から墓石型にかけて、価格相場も高くなる傾向がありますが、それぞれの納骨堂やお寺・施設によって、価格帯も様々ですので、気になる所は問い合わせてみることをおすすめします。
納骨堂で忘れてはならないこと
納骨堂の多くは、長きにわたって永代供養(代々に渡った供養)を約束してくれる点が、人気でもあります。けれども、納骨堂には数に限りもあるのも事実。
【 納骨堂で意識すべきこと 】
■ 多くの施設やお寺で33回忌など、ある程度の期間が過ぎたら、合祀して永代供養がされるケースが多いです。
それまでは改装や分骨もできますが、いつの日か合祀される可能性があることも、理解する必要があります。
トラブル回避のために、すべきこと
このように予算もスペースもコンパクトで便利ではありながら、現代のお墓だけに、今までとは様々な違いがあります。
【 トラブル回避のために 】
■ 自分のことだからと単独で決めず、後々お墓参りをしたり、守ってくれる子どもや親族にも、理解を得てから選ぶべきお墓でもあります。
今までのようなお墓参りが叶わなかったり、家族型を選んでも人数に制限がある納骨堂のお墓は、従来の代々墓とは大きく事情が異なるのです。
子どもから見た、納骨堂のメリット
では、子どもから見た納骨堂のメリットは何でしょうか?何と言っても屋内型で、従来の霊園やお寺とは違う、いわば「一戸建てとマンション」のような違いがあります。
【 子どもから見た、納骨堂のメリット 】
■ 都心近郊に多く見られるため、従来の霊園やお寺よりも、より手軽にお参りができます。
さらに常に綺麗に管理されている納骨堂がほとんどであるため、お掃除などの手間もなく、思い立った時にお参りできるのもメリットです。
子どもとも確認したい、納骨堂のデメリット
前項でもお伝えしましたが、納骨堂は現代のお墓。そのため従来の感覚でいると、後々思いもよらぬことにもなりかねません。
【 納骨堂のデメリット 】
■ 納骨堂の基本は「個人墓」。入る人数によって、価格も変化します。そしてその人数は、始めの購入時に予め決めて、購入しなければなりません。
個人で入るのか、夫婦なのか、はたまた家族で入るのか…。未来が分からないのは確かですが、人数をはっきりとするか、後々必要になったら、改めて購入するのが納骨堂です。
気になる納骨堂の予算
では、気になる納骨堂の予算ですが、人数や施設によって、その価格帯は幅広いのが特徴です。そのため明言はしにくいのですが、一般的に人気がある納骨堂では、1人のお墓で50万円前後が多いです。
【 納骨堂の予算 】
■ 個人墓では5万円~50万円と、価格帯に開きがあります。
・ さらに夫婦墓で70万円~80万円が多く、環境によってはピンキリ。家族墓になると100万円前後のものも見受けられます。
また、納骨堂はいわゆるマンションのようなもの。5,000円~10,000円前後と大きい金額ではないのですが、管理費が掛かる場合があることも、理解する必要があります。
いかがでしたでしょうか。納骨堂は現代の人々、特に終活に興味を持たれた人々が生前契約をする際に、注目されつつある新しいお墓のスタイルです。さらに納骨堂の多くが付けている「永代供養」が人々に安心感を与えることは、言うまでもありません。
確かに、従来型のお寺や施設でのお墓は、しっかりと丁寧なお墓参りができて魅力的ですが、それぞれの人々が核家族で暮らすようになり、とても忙しい時代を迎えています。より気軽に思い出し、思い合い、お参りをしてコミュニケーションができる、子どもや子孫にとっても嬉しいスタイルのひとつかもしれません。
最近では納骨堂も永代供養も、それぞれの地域や施設、会社によって、多種多様に広がっています。今回の解説はそのごく一部ですが、本記事をきっかけにして、納骨堂をより身近に感じてください。
まとめ
納骨堂を生前に選ぶポイント
・納骨堂は、室内のコンパクトな集合型のお墓
・ロッカー型・仏壇型・自動搬送型・墓石型などがある
・33回忌など、一定期間が過ぎると合祀される施設が多い
・新しいタイプのお墓であるため、家族や親族の理解を得る
・都心に近い施設が多く、より気軽にお参りができる
・納骨堂は人数を決めて購入する、個人墓がほとんど
・価格帯は個人墓で5万円~50万円と、幅広い