親の要介護が分かったら。サービスを受けるまでの流れ
親の介護が必要になった時、多くの方々が介護保険や介護サービスなどの一連の流れについて、戸惑うものですよね。何となくテレビや知人の話などで耳にはしていても、ちょっと複雑に感じるため、直面しないと調べる事もないのが親の介護。
けれども実際に親の介護をしなければならない、となれば、経済的にも物理的にも、誰かの力を借りなければ、一般的にはどうにもならないのも事実。親の介護にはお金の心配も付き物ですから、出来る事なら家族が仕事を辞める事態も避けたいところです。
「まだ全てがこれから!」と言う時であれば、一度深呼吸をして、親の介護について調べてみると、心もどっしりと構えられそうですよね。
そこで今回は、初めて親の介護に向き合う家族のために、まず知っておきたい、介護サービスを受けるまでの一連の流れと、介護の種類をお伝えします。ひと口に要介護と言っても、そのパターンはさまざま。まずは流れを掴んでみてください。
親の要介護が分かったら。
サービスを受けるまでの流れ
市町村での「要介護認定」の申請
親の介護に直面すると、まず心配になるのが経済面ではないでしょうか。日本では「介護保険」と言う制度があるため、医療現場と同じく、介護保険が適用されれば自己負担はそれぞれの収入に合わせて1割~3割負担で済みます。
【 親の介護、まずは「要介護認定」を申請 】
★ 介護認定を申請できるのは、市町村役場の窓口。申請時には「介護保険被保険者証」を持参してください。(64歳以下であれば、医療保険証で大丈夫です。)
お医者様から意見書をもらう
介護には7つのランクがあり、「要支援1」「要支援2」の他に「要介護1」~「要介護5」までがあるのですが、要支援の場合には「要支援認定」。市町村役場で申請を行うと、役場の依頼によりお医者様からの依頼書を作成することになるはず。
【 訪問調査と意見書の作成 】
★ まずは役所の調査員による家庭訪問を受け、その後かかりつけ医による意見書を作成してもらう流れとなるのですが、かかりつけのお医者様がいない方もいるもの…。
・ この場合には市町村役場の福祉課に行ってみてください。指定のお医者様に意見書を書いてもらう流れになるはずです。
この訪問調査とお医者様の意見書をもとにして、要介護か否か、を判断。同時に介護のランク(どれほどの介護が必要なのか)まで決めていきます。
認定を受けたら
申請後、一連の調査と意見書によって前項でお伝えした「要支援1」~「要介護5」の7段階のどこかに判定されると、自宅へ認定証が届きますが、届いたら早速、地域のケアマネージャーの元へ向かい、介護、もしくは介護予防サービスのプランニングを!
【 親の介護、ケアプランニング 】
★ 「要支援」か「要介護」かによって、行くべき施設が変わるので注意!「要介護」判定であれば居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)の元へ向かってください。
・ 一方、比較的経度の「要支援」1か2の判定を受けた場合には、地域包括支援センターへ行くのが正解。
ちなみにここで介護認定から漏れたものの、身体が思うように動かない…、など問題がある場合には、地域の生活支援サービスもひとつの道。この場合でも地域包括支援センターに相談してみると、何かアドバイスがあるかもしれません。
親の介護で知りたい、ケアプラン
親が介護サービスを受けるには、ケアプランは必須。ケアプランでは、判定された要介護ランクに合わせた、いくつかの種類に分かれていて、「ケアマネージャー」が作成してくれるもの。無料で作成してくれる他、状況が変わればいつでも作り直してくれます。
【 親の介護サービスのプラン、在宅型と施設型 】
① 在宅型介護サービス
・ 家にいながら介護を要する方々には、訪問介護サービスのプラン。自宅での訪問介護(看護)や、毎日施設へ通うデイケアや通所リハビリなどなどがあります。
② 施設型介護サービス
・ いわゆる老人ホームなど、施設でお世話になるためのプランニング。施設型では三つの種類があり、一般的な老人ホーム(特別養護老人ホーム)が有名ですが、ここは要介護3認定以上の方々へ向けた施設です。
その他にも施設型介護サービスでは、介護老人保健施設と介護療養型医療施設があり、この二種類であれば要介護1から入所できるので、それぞれに合わせて相談してみてください。
親の介護、「要支援」の場合
このように、基本的には要介護認定を受けた方々へのプランニングが多いのですが、比較的軽い要支援1・2の認定を受けた方へは、「介護予防」のためのプランニングがなされるはず。
【 親の介護、要支援 】
★ 支援の方でも施設型では有料老人ホームであったり、介護予防のディサービス、訪問リハビリなどの支援が期待できます。地域でのサービスも多いので、そちらも相談してみてください。
・ また、少しの期間入ることができるショートステイも見られますので、ケアマネージャーに相談してみると、良いアイデアが見つかるかもしれません。
いかがでしたでしょうか、介護保険の制度は少し前(2015年)までは一律で一割負担だったものの、年収によって2割、3割とその制度も年々変わっています。「負担が重くなっているのでは…。」と判断しがちですが、その一方で低所得者への配慮も。
経済的にも介護の内容としても、正にケースバイケースと言えるので、困っている事があれば、包み隠さずにまずは、ケアマネージャーと言う専門家の方に相談してみると、思いがけない道が開けるかもしれません。
そう考えるとケアマネージャーとの出会いはとても大切。当初のプランニングだけではなく、後々までケアしてくれるようなケアマネージャーと出会えたら、まずは一安心、と言えるくらい重要な役割ではないでしょうか。
「ケアマネージャーと合わないな…。」と思ったら、地域包括支援センターやそれぞれの事業所へ相談して変えてもらうのもひとつの手です。
まとめ
介護サービスを受けるまでの流れとは
・まずは「要介護認定」を申請
・お医者様に意見書の作成してもらう
・要介護なら、居宅介護支援事業者へ
・要支援では、地域包括支援センター
・ケアマネにプランニングをしてもらう