介護者のストレスが爆発!未然に防ぐための5つの方法とは
介護者のストレスは今、社会問題にもなっていますよね。ひと昔前と違い、老人ホーム施設なども経済的にも条件的にも少しずつ入りにくくなり、超高齢化社会へ向けて、在宅介護へとシフトしているようにも見えます。
要介護認定を少しでも減らすため、国では要介護認定の高齢者が少なくなった自治体へは報酬を支払う制度も定まりました。そのため各自治体では健康教室なども増えましたが、一方で「要介護認定が厳しくなるのでは…?」と言う懸念の声も聞こえます。
そんななかで負荷が掛かってくるのは、やはり個々の家庭であり介護者ですが、でるなら介護者であってもストレスのない、快適な暮らしがしたいですよね。
そこで今回は、介護者がストレスを溜めすぎて追い込まれないよう、日々の暮らしのなかで上手に解消!快適な介護生活を送るための、いくつかの方法やアイデアを、経験者の方々の声を元にお伝えします。
介護者のストレスが爆発!
未然に防ぐための5つの方法とは
イライラ・怠け心は「自分のせい」じゃない!
日本人は自分を責めやすい傾向にあります。介護者ですからストレスが溜まるのは当たり前、ストレスが溜まれば誰でもイライラしたり、無気力になったりします。
これは心療内科などのお医者様から見れば、ごくごく当然の流れなのですが、日本人の場合、本人は「自分は忍耐力がない。」「大人になりきれていない…。」などと、自分を責めて追い込まれるケースが多いのです。
【 介護者のストレスケア:自分を責めない 】
★ まずはイライラしたり感情的になってしまうこと、怠け心が出てしまうことを責めるのは止めてください。そして一歩引いて、ストレスが溜まっていることを自覚する必要があります。
・ この「イライラする」「やる気が起きない…」と言う気持ちは、「感情」ではなく、介護うつの症状かもしれません。あまりにも自分を責めてしまうようでしたら、「病気のせい」と割り切ってしまうのも一案です。
病気であれば誰のせいでもありませんよね。介護うつは本人も気づかぬ間に襲ってきます。自分を責める症状や不安や焦り、将来のお金の不安などもうつ症状に見られるものです。
「イライラしてきたら、介護者のストレスケアが必要!」と本人も周囲の家族も意識してみるだけで、追い込まれずに介護を続けられます。
外に気持ちを吐露するとスッキリ
このように介護者が、自分でストレスの存在に気づいてあげることが大切な第一歩となりますが、次に介護者のストレスが発散される方法として、周囲に分かってもらう、共感してもらう、ことが挙げられます。
【 介護者のストレスケア:認知・共感を得る 】
★ 家族で話ができるなら問題はないのですが、「分かってもらえない…。」と感じるならば、傾聴やカウンセリングなどを受けるのもひとつの方法です。お金を出すことで、気負いなく思い切り自分の話ができます。
・ また、介護経験者で「効果があった!」と勧める人が多い方法は、ブログへの投稿です。日々の事柄をブログに書くだけなのですが、ネット社会ではこれに共感したり、コメントで感想を残してくれることが、介護者のストレスケアになります。
また、被介護者の状態によっては、家に缶詰め状態になりがちです。そんな介護者のストレスケアとしても、空いた時間に外と繋がることのできるネットは有効ではないでしょうか。
介護現場から離れる「レスパイトケア」
介護者のストレスは早い段階で解消するには、定期的なレスパイトケアは欠かせません。「レスパイトケア」とは、一定時間(期間)介護から離れることを差し、長期間ではショートスティ、短時間ではディサービスもこのひとつです。
【 介護者のストレスケア:レスパイトケア 】
★ ケアマネージャーに相談して、ショートスティを定期的に組み込んだり、今まで完全在宅介護であれば、ディサービスを利用することで、大きく介護者のストレスが軽減されます。
・ ディサービスの場合には毎日ですので、この時間を利用して働きに出たり、趣味のサークルなどに通い始めることで、介護者の環境も大幅に変わる点も魅力です。
それぞれ要介護認定に合わせた日数などもありますが、ケアマネージャーに相談をして、バランス良く定期的に組み込むことで、メリハリも生まれます。
さらにレスパイトケアでは介護者が、体も思考も完全に、介護から離れることをおすすめします。そのためレスパイトケアでは、介護用品の買い出しなどではなく、自分の趣味や仕事などの「自分時間」を意識してみてはいかがでしょうか。
相性の良いケアマネージャーと二人三脚
介護うつから抜け出した体験談や、長い介護生活を乗り越えた体験談では、多くの人々が、優秀なケアマネージャーとの出会いをポイントとして挙げています。
【 介護者のストレスケア:ケアマネージャー 】
★ 頼らなければならないケアマネージャーと相性が悪いと、介護者のストレスは、自分で自覚する以上のものです。そのため、相性が悪いと感じている方が介護うつの症状を自覚しているなら、ケアマネージャーの変更も検討してください。
・ 地域包括センターでケアマネージャーの変更を相談するのも良し、自分で口コミなどで探して変更しても、問題はありません。
そして、ケアマネージャーは介護者に最も近い理解者です。多くの介護者と関わっているため、悩みを吐き出しても問題はありません。
イライラや無気力感など、介護うつの症状を感じた場合には、前述したカウンセラーだけではなく、心療内科などでも相談を受けてくれます。「薬は飲みたくない。」と伝えることも可能ですので、一度受診してみるのも良いかもしれません。
経済的な悩みは抱え込まない
実は、介護者のストレスは肉体的・時間的なものの他にも、経済的な原因があります。経済的に不安を持ちながら介護を続けることは、かなりの介護者のストレスです。
ただし親の介護の場合には、「自分ひとりが負担をしなければ…。」と思い込む方が多い一方、皆で協力し合ってこそ乗り越えられる傾向にあります。
【 介護者のストレスケア:皆で出し合う 】
★ ひとりで10万円の負担でも、10人集まれば1人1万円です。在宅介護の場合には介護離職も増えていますので、経済的部分では協力を依頼してみる方法も検討してください。
・ 兄弟親族で最も話ができる人を見つけて、一緒にケアマネージャーに相談したり、施設探しをしてみるのもおすすめです。兄弟親族が介護と家計の現状を間近で見ることができます。
いかがでしたでしょうか、今回は介護者が少しでもストレスを解消できるための、いくつかの方法をお伝えしました。「ありきたり…。」と思う方もいるかもしれませんが、この点を流して、力業で乗り越えようとする介護者も多いです。
「自分が頑張れば、何とかなる!」と毎日精力剤を飲んで、老々介護を続ける家庭も多く見受けられますが、それが介護うつの引き金になります。介護うつになると自分でもコントロールができません。
老々介護が増えている昨今、若い頃のように頑張りも利かないのに「自分さえ頑張れば…。」と、気力で乗り越えようとする思考にムリがある、と割り切って、「より楽に、楽しく」毎日を過ごせる手立てをぜひ、見つけてみてはいかがでしょうか。
まとめ
介護者のストレスを軽減する方法
・イライラ無気力は、介護うつの兆候のひとつ
・カウンセラーに想いを吐き出す
・ブログなどで想いを綴り、共感を得る
・ショートスティやディサービスを利用する
・相性の良いケアマネージャーを見つける
・経済面は親族皆で相談・負担する
・「自分さえ頑張れば」は介護うつの可能性も