生前整理をスムーズに。子どもから進める手順とは
生前整理、近年では若い世代から終活をする方々も多くなり、自分達が生前整理をすることで気になってくるのが、両親の家…と言う声も。とは言え、自分ならともかく、両親の家となると説得も難しそうですよね。
実はこの場合、子どもに勧められたことがきっかけで生前整理を行い、その流れで終活をした結果、「暮らしがスッキリ!毎日が充実している。」と言う親世代の感想が増えています。
親の生前整理を子どもが勧める時、子ども自身が「自分達も終活をしている」ことも、説得しやすいポイントでもあります。それでも、高齢だからこそ躊躇してしまう生前整理の勧め…、スムーズに手伝えたら安心できますよね。
そこで今回は、高齢になった両親の家、親子で生前整理を進めるための、子どもからの提案の仕方や手伝い方、その心得をお伝えします。
生前整理をスムーズに。
子どもから進める手順とは
生前整理を始めるタイミング
まだ元気なうちに始めたい生前整理ではありますが、毎日暮らしていると親子とも「まだまだ先のこと…。」と思い、ついついタイミングを逃してしまいがち。そんな時、子ども目線から見た、ちょっとしたサインがあります。
【 生前整理を始めたいタイミング 】
★ 独立しているお子さまなら、家に訪れた時、「あれ?玄関が散らかってきたな…。」と感じることはないでしょうか。一緒に住んでいたり、自由に台所をいじれるなら、冷蔵庫も目安のひとつです。
・ 冷蔵庫の中が、以前より整頓されていなかったり、「使いにくい…。」と感じたなら、それはご両親が高齢になって、掃除や片付けが大変になってきたサインかもしれません。
「生前整理」ではありますが、まだまだ元気なうちは「老前整理」にもなります。後々掃除が辛くならないよう、物を少なくしてスッキリと暮らすことを、提案してはいかがでしょうか。
生前整理を始める前の注意点
終活自体が年代と問わず広がってきてはいるものの、やはり生前整理は死ぬための準備、と捉えている高齢の方々もいます。その価値観や考え方は人それぞれですので、子どもから親へ切り出す時には繊細な心遣いは欠かせません。
【 生前整理を始める注意点 】
・ 「遺品整理」などの言葉は避け、できれば「老前整理」と考えて、片付けを始めてみるとスムーズです。
・ 兄弟がいる場合には、兄弟間で余計な誤解を避けるためにも、生前整理を始める前に、家族全員が集まって話し合いの場を設けることをお勧めします。
・ お互いの時間の流れも、価値観も全く異なることは心得て物事を進めるべき!子どもとは言え独立した以上、そこはあくまでも「親の家」だと言う意識が必要です。
気心知れた親子間だからこそ、ついつい「これはいらない『よね』!」など、決め付けて進めてしまう傾向がありますが、あくまでも親の判断であることを意識してください。
さらに、親を尊重する気持ちを忘れず、「手伝ってあげている。」と言う目線はNG!一緒に生前整理をしてもらっている、くらいの気持ちで親子間のコミュニケーションが取りやすくなる為、結果的にスムーズに事が運びます。
まずは「断捨離(ダンシャリ)」の魅力を伝える
家の押入れや屋根裏にある多くの物…。子どもとしては終活などと関係なく、高齢になった両親では片付けが困難なことも、簡単に想像できるだけに、単純に気になりますよね。
それでも「もったいない」と言う両親の気持ちも分かるもの…。そんな時には、根気よく片付けの魅力を伝える方法はいかがでしょうか。
【 伝えたい、断捨離の魅力 】
・あちこちに物があって転倒などの事故が起こることを未然に防ぐことができる。
・緊急時に急に駆け付けた子どもが、親を運びやすい。
・同じく緊急時、病院の入院などの手続きを子どもが代行する際、必要なものをすぐに取り出せる。
・70歳を過ぎると体力的にも衰えるため、掃除が困難になる。この時、物自体が少なくなることで、毎日の掃除がぐんと楽になる。
などなど…。
他にも、掃除に手間取らない分時間に余裕が生まれたり、キレイになった部屋に余計な物を入れたくなくなるため、節約に繋がることも!「ためると老ける」なんて本もあるくらいですから、断捨離の本を薦めても良いかもしれません。
焦らず、二人三脚でゆっくりと話を聞く
子ども世代は働き盛り、子育て真っ只中で「時間がいくらあっても足りない!」と思うほど、充実した日々…。あっと言う間に毎日が過ぎて行きます。けれども高齢になると、全てがひと段落。用事が少なくなり、のんびり過ごしている方も多いはずです。
【 親子での生前整理は、時間を取って 】
★ 何かと忙しく、焦る気持ちも分かるのですが、例え親子だとしても、時間の過ごし方から価値観まで、全く違う人間であることは、理解して一緒に進めると、お互いの勘違いやすれ違いが少なくなります。
・ 生前整理を親に勧める説得から、ひとつひとつ、肝を据える気持ちで望むと良いかもしれません。
片手間に済ませようとしてしまうと、繊細な生前整理だけに、言葉選びを間違えたり、相手の伝えたい想いを、キャッチできなかったりします。「少しでも進めておけば良いや。」それ位の感覚でいると、案外すんなりと生前整理が終わる体験談も多いのです。
兄弟がいるなら、それぞれ担当する方法も
とは言え仕事に子育てにと忙しい日々のなか、子どもが親にじっくりと二人三脚で寄り添って、生前整理を進めることは、パワーもいりますし至難の業。言い出した家族が一人で進めがちですが、皆で協力するのがポイントです。
【 兄弟で担当を決め、生前整理 】
★ 昔住んでいた部屋で割り振ったり、スケジュールで割り振るなど、最初に家族が揃った時点で、生前整理について話し合い、「担当決め」を行うと、お互いに協力がしやすくなります。
・ 生前整理や老前整理、断捨離の本などを一冊用意して、スッキリと片付けるための指標を持ちながら、スケジュールを決めるのも一案です。
いかがでしたでしょうか、「生前整理」と言う名前も誤解されやすく、デリケートなものだけに、特に子どもからの誘いで生前整理を始めることは、なかなか思い切れないもの。
けれども自分達のためだけではなく、両親の老後の生活などを考えると、やはり気になってしまう…、と言う方はとても多いのです。けれども日頃気に掛かっているなら、転倒事故など、何か起きる前に未然に防ぎたいですよね。
最近では生前整理を親子で進めるケースも多いため、最後の項でお伝えしたように「親子で生前整理」などの本を読んでもらったり、「友達の○○さんが…」などと世間話をきっかけにするのも、ひとつのアイデア。
両親達自身も「片付けがどうもおっくうだ…。」など、思うところがあることも多く、本人達が乗り気になれば、どんどん進めても大丈夫と言うケースも!本記事を意識しながら、スムーズに生前整理をスタートしましょう!
まとめ
子どもから親へ生前整理を勧める心得
・玄関の散らかりなどが散見されたら、考え時
・兄弟皆含めた、家族でまず話し合う
・生前整理以前に「老前整理」
・老前整理(断捨離)のメリットを伝える
・親とは言え、違う人間。相手のペースに合わせる
・兄弟で担当があれば、協力しやすい