遺体の搬送に伴う手続き。病院から移動するまでの流れ
遺体の搬送に伴う手続きなどは、家族が亡くなって初めて知ることも多いですよね。けれども、実際に家族の臨終を迎えると、病院の霊安室も長くはいられず、次々と手続きを進めなければなりません。
そんななかでも特に遺体の搬送に伴う手続きは、長くても一日、短くなると半日と、とても時間が限られています。病院は病気やケガの人々の手当の場、霊安室は長くはいられないのです。
家族は病院の霊安室にいる間に、故人の遺体を搬送する業者を探して搬送する他、死亡診断書も受け取らなくてはなりません。
そこで今回は、家族を亡くした時にすぐに行わなければならない、遺体の搬送に伴う手続きと、その流れをお伝えします。
大切な家族が亡くなるとショックもあるため、どうしても冷静に手続きを進めることは難しいことも多いですので、日ごろから理解する意味でも、ぜひ一読ください。
遺体の搬送に伴う手続き。
病院から移動するまでの流れ
医師の死亡宣言を受ける
家族が臨終の時を迎える時、医師から死亡確認を受けなければなりません。病院で亡くなった場合には問題はないのですが、自宅で亡くなった場合にはいくつかの手段が行われます。
【 遺体の搬送手続き。死亡確認 】
★ 自宅で家族が息を引き取った時には、故人が病気療養中でかかりつけ医がいるかどうか、病院と連絡が取れる時間帯かどうか、によって判断してください。
① かかりつけ医がいる場合 … すぐにかかりつけ医に連絡をして診察を受けてください。
② かかりつけ医がいない場合 … 近隣の病院、通院している病院(かかりつけ医のいる病院)、救急受付を行っている病院へ連絡をします。
③ 近隣や救急受付の病院の連絡が付かない場合 … 土日などで地域によっては救急の受付ができないこともありますが、その時には警察(110番)へ電話をしてください。
病院で亡くなったり、かかりつけ医による死亡確認が行われた場合には、死亡診断書が発行されます。
一方、警察へ連絡をした場合には検死をしなければなりませんので、「死体検案書」になるのです。
遺体を搬送する業者を探す
病院で死亡確認が行われ霊安室に安置されたら、早い時には半日、長くても一日も経った頃には搬送しなければなりません。そのため、遺体を搬送するために葬儀業者を急いで探さなければなりません。
【 遺体の搬送手続き。葬儀業者を探す 】
■ 理想的なのは遺体の搬送を依頼する葬儀業者に、その後の枕飾りや通夜・葬儀までお願いできるのが理想的です。
・ 病院では葬儀業者と提携していることが多く、病院から紹介を受けることもできますが、もちろん、自分達でインターネットなどを利用して探しても問題はありません。
さらに最近では終活をしている方々も少なくありません。終活をしている場合には、葬儀社との生前契約をしている可能性もあります。
エンディングノートや遺書がないか、確認もしてみてください。
死亡診断書の受け取り
遺体搬送業者を探したら、遺体の搬送先も決めなければなりません。具体的には自宅に搬送するか、葬儀社の霊安室を利用するか、の選択が多いです。
【 遺体の搬送手続き。死亡診断書 】
■ 遺体の搬送の連絡を終えたらまず行いたい事柄が、病院の精算と「死亡診断書」の受け取りです。
・ 死亡診断書はその後の手続きで欠かすことができません。自治体への死亡届はもちろん、火葬や納骨、遺族年金の受取り時にも、この死亡診断書を提出しなければなりません。
精算と死亡診断書の受け取りを終えたら、葬儀業者の搬送車を待ち遺体を搬送します。その後は枕飾りとお通夜の準備となりますが、葬儀社のサポートがあるため、グンと心強くなるはずです。
親族や菩提寺への連絡
遺体の搬送車を待っている間に、ごくごく近しい家族や親族へは連絡をしてください。現在では核家族化が進んでいますが、家に先祖代々墓などがあり、菩提寺を持っているかどうかも確認したいところです。
【 遺体の搬送手続き、親族への連絡 】
■ 先祖代々墓に入る予定であれば、お墓を建てている霊園の宗旨宗派を確認してください。特に寺院霊園であれば、菩提寺(お墓を管理している寺院)に相談しなければなりません。
・ 菩提寺に相談せず、違う宗旨宗派で葬儀を執り行ったり、戒名をもらった場合には、菩提寺に遺骨の受け入れを拒否されてしまうことがあります。
遺体の搬送先で行う遺体の安置や枕飾りでも、その宗旨宗派に倣った方法があるため、早い段階で知っておきたいところです。
いかがでしたでしょうか、今回は遺族の遺体搬送に伴う手続きを、順を追ってお伝えしました。例え病気だったとしても、家族を失って間もない内に、慣れない手続きは遺族にとってとても負担です。
特に遺体の搬送手続きは、一日も経たぬ間に行わなければならず、時間に追われるように行わなければなりません。
「どこからどのような順番で準備をしていけば良いのか。」「病院でどんな手続きがあり、どこに連絡をすれば良いのか。」この流れが分かると、悲しみのなかでも冷静な判断ができるのではないでしょうか。
遺体の搬送まで考えると、葬儀社は急いで決めなければなりませんが、一方で後々まで思い出に残る葬儀は、納得のできるものにしたいですよね。
本記事で確認をするとともに、日ごろからも流れを理解しておき、故人のためにも納得のできる通夜や葬儀を執り行えるようにしてください。
まとめ
家族が行う、遺体搬送までの手続き
・かかりつけ医、近所の病院などに連絡をする
・連絡が付かなければ、警察へ連絡する
・病院が提携する葬儀業者に依頼もできる
・インターネットなどで自分で探すこともできる
・葬儀社と生前契約をしていないかを確認する
・搬送車がくるまで、近しい親族に連絡をする
・菩提寺があれば、菩提寺に連絡をする