墓じまいや改葬を決断する時。参考にしたい7つの経験談
墓じまいや改葬を決断するとなれば、それなりの決断が必要な分、それぞれの家庭で様々な理由があるはずです。お墓の話は「タブー」と考える人々も多いので、生きている間は心の片隅にありながら、あまり触れないことなのかもしれません。
けれども自分が喪主となるような事態に直面した時、誰でもお墓問題に直面します。もちろん昔からの風習に則った考え方で、問題のないケースも多くあります。
ただ、近年では自分が喪主になったタイミングや、高齢になったタイミングで、今まで見過ごしてきたお墓問題を、具体的に検討したい、と考える人々も多いのです。ただ、どのような選択がベストなのか、経験を聞きながら検討したいですよね。
そこで今回は、墓じまいや改葬の決断をした人々が、どのような経緯で決めたのか、その体験談をお伝えします。ぜひ、参考にしてください。
墓じまいや改葬を決断する時。
参考にしたい7つの経験談
高齢者にはお墓参りが困難で…
昔からある先祖代々墓や門中墓の場合には、住まいから遠く離れた山奥など、交通が不便な場所に建てられていることも多くあります。
【 高齢者のお墓参り問題 】
■ 若い頃はお参りに行ける場所だったものの、年を重ねてお墓参りが困難になった…。と悩む人々は案外多いです。
そこで、より楽にお参りがしやすい場所にお墓を移動したい。と考え、現在のお墓を墓じまい、改葬する事例があります。
長男が住まいの近隣にお墓を建てた
お墓と言うのは、供養はもちろんのこと、定期的にお参りをして掃除や管理をしてもらわなければ、あっと言う間に雑草なども増えていきます。高齢になり頻繁にお参りができないこともありますが、それ以上に、自分亡き後のお墓を案じるケースは多いです。
【 後継者である長男が、他にお墓を建てた 】
■ 最近では個人墓や家族墓などの選択も増えています。都心や他の地域に暮らしている長男や子ども達が、自分達の住む地域の近くで、新たにお墓を建てる、と言う事例も多くなりました。
そうなると、近くで管理をしてくれる後継者がいないため、生前に墓じまいや改葬をして安心したい、と考えるケースもあります。
お墓の維持、継承が困難
お墓と言うのは相続ではありますが、特別な法律があるため、お墓を継承する時の税金などは掛かりません。けれども、だからと言ってお墓の相続が簡単かと言えば、もちろんそんな事はありませんよね。
【 お墓の維持、継承が困難 】
■ このパターンには、いくつかの事例があります。ひとつはお墓がすでに老朽化が顕著で、基礎工事や石塔撤去などなど、トータルで50万円以上掛かる…、と言う問題に直面するケースも見受けられます。
この機会によりお墓参りがしやすい近隣や、整った施設で安心できる場所へ移動しよう、と墓じまいや改葬を検討する場合もあります。
近隣の人々から苦情をもらうように
道を歩いていると、何でもない普通の住宅街や商業地域であるのに、突然お墓が現れた!なんて経験はないでしょうか。そのお墓もきっと、建てられた当初は違和感なく、そこにあったのかもしれません。
【 近隣からの苦情に悩み… 】
■ 建てられた当初と周囲の環境が大きく変わり、近隣に住む人々から苦情が相次いだ…、などの事例もあります。
その他、周辺がお墓参りをするには危険になってきて…、などの環境的な理由で、墓じまいや改葬をすることも多いです。
後継者がいないため
お墓を継承してきたものの、自分に子どもがいない、などの理由で継承者がいない場合にも、墓じまいや改葬を決断することがあります。
【 継承者がいないため 】
■ 自分が亡くなってしまっては、継承者がいないと、そのまま無縁仏になってしまう心配があります。そのため、特に生前にお墓の継承問題を解決したい、と考える事例が見受けられます。
この場合、墓じまいや改葬し、自分亡き後も安心できる永代供養の個人墓を選択する人々が増えてきました。
子どもや孫の負担を考えて
一方で、子どもや孫などお墓の継承者はいるものの、自分達がしてきたお墓継承のための苦労を、子どもにまで残したくない、と生前に墓じまいや改葬を決断する家庭もあります。
【 子どもや孫の負担を考えて 】
■ 風習に則って門中墓や先祖代々墓を継承したものの、「もうすでに、誰が入っているのかも分からなくて…」などの理由も重なって、墓じまいを決断する事例があります。
先祖代々墓や門中墓を墓じまいし、自分達の家族墓などを建て直す、などの選択をする夫婦もいます。
永代供養ができるお墓を選びたい
このようにあらゆる事情から、墓じまいや改葬を検討する人々が増えていますが、その多くが「墓じまいや改葬の後は、安心してお墓を任せたい」という希望が多いのです。
【 永代供養ができるお墓 】
■ お寺や施設でお墓の管理と供養を、永代に渡って約束してくれると言う、「永代供養」のお墓を選択する人が増えてきました。
・ ただし、この永代供養の多くは33回忌などを境にして合祀される施設やお寺が多いです。それでも、将来安心できる選択として、注目されています。
いかがでしたでしょうか。墓じまいや改葬を決断する時、それぞれの家庭や人々に様々なストーリーが垣間見えます。そして実はその多くが、今自分が直面している問題だったり…、と傾向や時代が見えてくるのも、不思議な現象です。
できれば、永代に渡り継承を続けてお墓を保てれば一番なのですが、生き方もそして「死に方」さえも多様化した現代、自由度が増す一方で、今までとは違う選択を迫られることもあるはずです。
けれども、それは言わば時代や時間の流れのなかで、起こるべくして起こった…、そんな事例も数多くあるのも確かです。「こうしなければならない!」と悩んだり、心配をしながら年齢を重ねるよりも、気になることを受け入れて、安心できる方法を模索するのも一案なのかも、しれません。
まとめ
墓じまいや改葬を決断した体験談
・高齢で遠方や環境により、お墓参りが困難になった
・長男が新たに、自分の住まいの近くにお墓を建てた
・お墓が老朽化し、建て替えの必要性により維持が困難に
・お墓の近隣住民からの苦情が増えた
・お墓を管理、供養してくれる後継者がいない
・子どもや孫に、お墓継承の負担を掛けたくない
・安心してお任せできる、永代供養のお墓を選んだ