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【沖縄の葬儀のしきたり】本州出身の人が戸惑う5つの習慣

【沖縄の葬儀のしきたり】本州出身の人が戸惑う5つの習慣
沖縄の葬儀には本州とは違う独自の風習が数多くありますよね。少しばかりは知っていても、本州出身の方々で沖縄の葬儀に参列するとなれば、改めて一度は確認しておくと安心です。

 

現代では全国的にも「無宗教」と形容される日本人ですが、それでも葬儀や法事では仏教の教えや儀式を選ぶ方々が多いのではないでしょうか。お墓が寺院墓地にあって、菩提寺を持つ家も多くなります。

 

一方沖縄では寺院墓地が広がった江戸時代は琉球王朝の時代であるため、本州ほど寺院墓地の歴史はありません。最近になって宗旨宗派を問わない民間霊園とともに、「集合墓地」のひとつの種類として認識されるようになりました。

 

そんな沖縄では葬儀はお坊さんに読経供養をしてもらうものの、基本的に暮らしや法事の一部では昔から伝わる、家長やユタにより行われる「グイス(拝みの言葉)」を唱える「御願」による供養の方が馴染み深い存在です。

 

そこで今回は、本州の方々は初めて沖縄での葬儀に参列することがあっても、滞りなく進められる、沖縄の独特な風習をお伝えします。

 



 

【沖縄の葬儀のしきたり】
本州出身の人が戸惑う5つの習慣

 

かりゆしウエァーも立派な喪服


本州では暑い夏場でも「露出を控える」と言うマナーに倣い、葬儀の席では袖の長さも七分丈以上の長さの喪服を着ないといけませんが、沖縄では会社にも着ていける正装、「かりゆしウエァー」があります。

 

そしてこのかりゆしウエァーには、喪服もあるのです。

 

【 沖縄の葬儀のしきたり、服装 】

 

★ 基本的には本州の服装マナーに倣いますが、沖縄には喪服のかりゆしウエァーも販売されており、特に男性は暑い時期にはこの黒いかりゆしウエァーをよく着ています。

 

・ 目安としては沖縄の会社で夏場~冬場の衣替え時期で、かりゆしウエァー着用期間と重なる、4月~11月前後です。

 

下はスーツのパンツのようなものを着用し、靴下や靴は本州のマナーに準じて金具のない黒いものを着用してください。かりゆしウエァーは喪服でも、沖縄の主要売り場では販売されていて、8,000円~10,000円台頃が目安です。

 

 

数珠や袱紗(ふくさ)持参は、意外と少ない


沖縄ではそもそも本州のように檀家制度がありません。とは言っても、沖縄でも葬儀の際にはお坊さんを呼んで読経供養を行われることが多いのですが、ただ、そのお坊さんは、葬儀を執り行う時になって、近隣の寺院などを探して依頼したりしています。

 

【 沖縄の葬儀のしきたり、数珠や袱紗 】

 

★ そのため仏教徒が使用する数珠は持参しない参列者が多いです。袱紗(ふくさ)に入れてお香典を準備する方も、本州ほど多くはいません。

 

・ ただ、近年では本州の葬儀マナーに倣って、数珠や袱紗…、特に袱紗(ふくさ)に入れる若い世代は増えつつありますので、気になる方は準備をしても、問題ではありません。

 

 

お香典は地域で決まってはいない?


さらにそんな袱紗(ふくさ)に入れるお香典の準備ですが、このお香典に包む金額の目安も本州とは大きく違います。沖縄では一回の葬儀に包むお香典の金額相場は、四十九日までの「ナンカスーコー(七日焼香)」に何回参列するかでも、変わってきます。

 

【 沖縄の葬儀のしきたり、お香典の金額相場 】

 

★ 沖縄では葬儀の後に執り行う法要、初七日(ハチナンカ)から始まり、七日毎に四十九日まで、毎週「ナンカスーコー(七日焼香)」が行われ、知人友人も気軽にこの法要に参列できます。

 

・ そしてその度にお香典をお渡しするので、参列者は四十九日までのお香典から分割して一回の香典を決めることも多いのです。例えば、四十九日までに2回参列するのであれば一回が3,000円、葬儀のみの参列なら一回5,000円などと決めます。

 

沖縄では「不幸が重なる」として、多くのお札を包む(枚数が重なるため)ことを良しとしません。そのため、隣近所の方へのお香典などでは、1,000円なども多くなります。

 

さらに気をつけたいことは、地域の方々とのバランスです。沖縄の一部の地域では、葬儀や法事での香典金額が一律で定められていることもあるので、一度確認をしてみてください。

 

 

「御願」がメインの供養もある


今では、沖縄でも葬儀を斎場で執り行うケースが増えてきましたが、まだまだ葬儀や法事を自宅で行う家も多く、前項でお伝えしたように、もともと檀家のいない沖縄では、家長が供養(御願)を行うことも多くあります。

 

【 沖縄の葬儀のしきたり、御願で行う法事 】

 

★ 特にお通夜は本州のものとは大きく違い、斎場などで行う家はほとんどありません。お坊さんも呼ばずに、家で御願が行われることが多いのです。

 

・ 弔問客もほとんど訪れず、来ても翌日の葬儀の日時確認にちょっとだけ顔を出す程度ではないでしょうか。そのため沖縄で初めて身内の葬儀に参列するのであれば、お通夜に尋ねることは控えた方が良いかもしれません。

 

その代わりではありませんが、前項でお伝えしたナンカスーコーに立ち寄ることは問題ありません。家で執り行うナンカスーコーが多いため、時間関係なく弔問客が訪れる家が多いです。

 

 

お通夜での沖縄ならではの風習


このお通夜に立ち会う機会のあった本州の方々が、沖縄と本州の違いに驚く事柄も多くあります。

 

【 沖縄の葬儀のしきたり、お通夜の風習 】

 

★ 故人が家に帰ってから寝かせる向きは、本州では「北枕」であることは、有名ですよね。けれども沖縄では「西枕」で寝かせ、これを「イリマックァ」と言います。

 

・ さらにお通夜で故人の枕元に供える枕飾りですが、沖縄では豚の三枚肉を茹でたものを並べ、この呼び名は「シベラーシ」です。

 

枕飾りにはそのほか、果物やお饅頭、「ダーグ」とよばれるお団子のほか、沖縄の御願行事では基本の、お酒・水・ウチャトゥ(お茶)みそと塩と共に供えてください。ウコール(高炉)にお線香、二つのロウソク(灯明)と、対の供え花を置いて、枕飾りとします。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は本州の方々が沖縄で葬儀やお通夜に立ち会う立場になった時、戸惑ったり驚く事柄をいくつかお伝えしました。他の記事でも沖縄の葬儀の風習についてお伝えしているように、一記事では書ききれない独特な風習があります。

 

本州でも本来のお通夜では、夜通しお線香を切らさぬように番をするもので、その「夜通し」の意味合いから「お通夜」と名付けられましたが、沖縄ではまだまだ、この風習が残っており、お線香の番をする姿も良く見られました。

 

また、もちろん遺体は納棺されますが、この時沖縄の葬儀では、遺体の足を少し三角に持ち上げて納めます。そのため沖縄の棺は全国的なものと比較すると、長さが小さくなっている点も、興味深い風習ではないでしょうか。

 

さらに沖縄では葬儀当日に納骨まですませる家も多くあるので、当日は(特に手伝う可能性のある立場であれば、)動きやすい喪服で参列することをおすすめします。

 

 

まとめ

本州の人が驚く、沖縄独自の葬儀の風習

・かりゆしウエァーにも喪服がある
・数珠や袱紗(ふくさ)は利用しない人が多い
・ナンカスーコーまで考えて香典を準備する
・お通夜などでは読経供養を行わない
・故人は西枕で寝かせる

 



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