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【沖縄の葬儀のしきたり】独特の文化から紐とく5つの歴史

【沖縄の葬儀のしきたり】独特の文化から紐とく5つの歴史
沖縄の葬儀にはさまざまなしきたりがありますよね。本州出身者の方で、初めて沖縄の葬儀に参列する際には、仏式マナーだけではなく、沖縄ならではの御願文化に伴うマナーもあるため、少々緊張するのではないでしょうか。

 

そもそも沖縄は御願文化であり、仏式は後から発展したものに過ぎません。そのため、例えば数珠や袱紗(ふくさ)など、仏式の葬儀ならではのマナーが必要なかったりもします。

 

ただ信仰心がない訳ではなく、独自の御願文化の元、沖縄では葬儀や法事(スーコー)を行っていますので、そこにはさまざまな歴史があるのです。

 

今までも多くの沖縄ならではの葬儀のしきたりをお伝えしてきましたが、少しその文化のルーツとなるものまで理解していくと興味深く、また納得できますよね。

 

そこで今回は、昔から伝わる沖縄ならではの葬儀のしきたりを、そのルーツや理由とともにお伝えします。

 



 

【沖縄の葬儀のしきたり】
独特の文化から紐とく5つの歴史

 

死装束=グソージンに針を刺す


沖縄の葬儀では故人が亡くなると遺体を清めた後、死装束に着替えさせますが、これを「グソースガイ」、死装束を「グソージン」と言います。

 

【 沖縄の葬儀のしきたり、グソージンに針を刺す 】

 

★ 沖縄の葬儀では、故人が天国へたどり着いた後、水に交換できるとされる針をグソージンの襟元に差すようになりました。

 

・ グソージンは5枚か7枚着せることが多く、その他の枚数でも奇数が良しとされています。針は襟元にそれぞれ7針、合計で14針さして、その先に黒と白の糸を付けるのが風習です。

 

ただ基本的には、本州と同じく白いグソージンが多いですが、沖縄では故人がよく着ていた服を着せることもあり、最近では最後に故人に掛けてあげて納棺することもあります。

 

 

遺体の安置での風習


沖縄に限ったことではないのですが、現代では多くの方々が病院で最期を迎えます。この後、病院の霊安室で遺体は安置されますが、多くのスペースを確保していないため、病院の霊安室は長くて1日ほどしか安置してくれません。

 

そのため家族は故人の死後、できるだけ早く次の安置場所を探さなければなりません。本州では斎場でお通夜・葬儀まで安置してもらうケースが多いですが、沖縄では自宅に連れて帰る家が多いです。

 

【 沖縄の葬儀のしきたり、遺体の寝かせ方 】

 

★ そして家で寝かせる時、本州では北枕が常識ですが、沖縄では西枕、地域によっては南枕で寝かせる家が多いです。

 

・ 本州で北枕に寝かせる由縁は仏教の教えからなのですが、沖縄では檀家制度がないように、本州の仏教信仰とはまた少し趣が違います。

 

沖縄の葬儀で西枕を用いる由縁は、太陽が沈む方角に向けるためです。さらに、掛け布団の向きも反対に掛けてあげてください。

 

 

沖縄の棺は少し小さい


沖縄の葬儀で「棺が小さい」と感じる本州の方が多いようですが、確かに沖縄では本州より小さ目の棺を作用しています。そしてこれは、沖縄の葬儀の歴史にその理由がありました。

 

【 沖縄の葬儀のしきたり、棺が小さい理由 】

 

★ 沖縄では納棺の際、故人の足を少し山にして納めますが、これはその昔「棺箱(クァンチェーバク)」に納めていたためです。

 

・ そもそも沖縄では前火葬を行う家が多く、今では少なくなりましたが、沖縄の葬儀に参列すると、すでに火葬されていた…、と言うこともありました。

 

故人が亡くなるとすぐに葬儀が執り行われた時代があり、その頃は、何らかの事情(友引など)でその日に葬儀が行われない場合のみ、お通夜がありました。

 

 

沖縄では骨壺を持ってお墓に入る


沖縄のお墓は家のように大きなことで有名ですよね。実はこれは、沖縄に風葬の歴史があることが由来しています。

 

【 沖縄の葬儀のしきたり、大きなお墓 】

 

★ 沖縄ではその昔、風葬の習慣がありました。遺体のまわりに石を積み上げて風葬を行っていたために、本州とは違う、下部分に家のように広い室のあるお墓になっているのです。

 

・ さらに沖縄では洗骨をして死の穢れを拭う言い伝えがあり、これは親族の女性が行っていました。

 

現在では火葬されるようになりましたが、遺骨は埋葬ではなく、室内に納められます。干支で選んだ(地域によって選び方が違います。)人が扉を開けて骨壺を持って入り、置いて帰る地域もあります。

 

 

沖縄の葬儀翌日のお墓参り


昔ながらの沖縄の葬儀では、火葬~納骨までを一日で済ませてしまうのも風習です。けれども翌日の午前中早い時間に、すぐにお墓参りをする「ナーチャミー」の風習もあります。

 

【 沖縄の葬儀のしきたり、翌日のお墓参り 】

 

★ その始まりは、翌朝早くにお墓へ行き、故人が生き返っていないかどうかを確認するためだったと言われていますが、近年では故人を偲んでお墓参りをするようになりました。

 

・ 今では少なくなりましたが、初七日(ハチナンカ)までの七日間、毎日お墓参りをする家や地域も見受けられます。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、沖縄の葬儀のしきたりの根源には御願文化があり、ひとつひとつのものに理由があることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。

 

沖縄では法要も「焼香(スーコー)」、周忌も「年忌(ニンチ)」と言い、お墓参りでも全てが仏式で行われるのではなく、女性の家長である「おばあ」が中心となって、「グイス」と呼ばれる拝み言葉を唱えて御願を行う風習があります。

 

仏教儀式と重なる要素も見受けられはするのですが、必ずしも毎回法要の度にお坊さんを呼んで、読経供養をする家ばかりではありません。

 

近年では若い世代を中心に本州の仏式の葬儀スタイルや、葬儀マナーに倣った習慣が浸透しつつありますが、沖縄の葬儀に参列するのであれば、敬意を持ってその地域の風習を理解しておくと、安心して参列できるのではないでしょうか。

 

 

 

まとめ

興味深い、沖縄の葬儀のしきたり

・死装束の襟元に左右7針ずつ針を刺す
・遺体は日の沈む方角の西枕で寝かせる
・膝を曲げて棺に納めるため、棺が少し小さい
・沖縄のお墓が大きいのは風葬の歴史が由来
・葬儀の翌朝、お墓参りをする

 



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