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沖縄の法要料理。施主が理解したい5つの風習

沖縄の法要料理。施主が理解したい5つの風習
沖縄の法要を初めとしたお墓事で欠かせないのが、重箱料理ですよね。もちろんこの重箱料理が最も特徴的ではありますが、沖縄の法要ではその他にも、お菓子や果物のお供え物なども、とても興味深いのではないでしょうか。

 

ただ、外から見ればただ「興味深い」沖縄の法要料理ですが、いざ自分が作るとなると、その細やかな風習に少し不安も覚えるもの…。他の地域から嫁いだ場合はもちろん、幼い頃から見てきたとしても、地域によっても違う細やかな部分までは、少し自信がないのも仕方がありません。

 

とは言え、せっかく準備をするのなら今一度確認をして、長い昔ながらの風習に倣った、沖縄の法要料理を用意したいですよね。そこで今回は、突然の沖縄の法要料理でも慌てないよう、最も基本的な風習をお伝えします。

 

ただし、地域によっても大きく違うので、教わった時に分かるための基礎知識として、柔軟に対応できるようにしてください。

 



 

沖縄の法要料理。
施主が理解したい5つの風習

 

沖縄の法要料理と言えば、重箱料理


沖縄の法要料理と言えば、重箱料理ですよね。主に二種類の内容からなっていて、ひとつが「おかず」、そしてもうひとつが「おもち」が並べられています。ただその時々のお墓事や、沖縄の法要によっても、出す料理が変わるのがややこしい点です。

 

そのため、今回はごく基本的な沖縄の法要料理について、お伝えします。

 

【 沖縄の法要、重箱料理 】

■ 重箱にキッチリと四角く場所を取って並べられているのが、沖縄の重箱料理の特徴。本来の品数は9品目とされていますが、実際には7品目の場合も多いです。内容はかまぼこや三枚肉の煮付け、煮昆布など…。

 

・ 地域や法要によって違いがありますが、例えばシジュウクニチ(四十九日)などでは煮昆布は返して、三枚肉は皮部分が上になるように並べるのが作法。かまぼこは白いものを選びます。

 

その他にも魚のてんぷら(沖縄独特のてんぷら)や、ごぼうの煮物、大根や豆腐などがあり、7品目、もしくは9品目であれば、大きな決まり事はありません。

 

 

重箱料理の「チュクン」と「カタシー」


この重箱料理ですが、地域や準備する法要によって、その量が変わってきます。それが「チュクン」か「カタシー」か…。これだけでは、分からない方も多いですよね。

 

【 沖縄の法要、「チュクン」と「カタシー」 】

■ 「チュクン」とは、おかずの重箱が2箱、おもちの重箱が2箱の、合計4箱を準備することを差しています。これは大きな法要が多く、ハチナンカ(初七日)や、シジュウクニチ(四十九日)、イヌイ(一周忌)などが、このチュクンです。

 

■ 一方、「カタシー」はその半分のおかずの重箱が1箱、おもちの重箱が1箱の場合を指しています。こちらは反対に、ごくごく身内のみで行われる法要で用いられ、例えば納骨式翌日のお墓参りである「ナーチャミー」や、二七日(になのか)=タナンカなどでは、このカタシーです。※「ハンクン」という場合もあります。

 

沖縄の法要によって準備を分ける風習でしたが、最近ではハチナンカ(初七日)などの大きなものでも、家族のみでしめやかに執り行う場合であれば、カタシーで済ませることも多くなりました。

 

 

沖縄の法要で、仏様に供えるお膳料理


このように、重箱料理をお供えするのですが、沖縄の法要ではその他に、仏様へお供えするためのお膳料理も一緒に供えるのが一般的。このお膳料理は、いわゆる精進料理。お膳料理は膳の上に小さいお皿などを並べて、以下のようなメニューを用意します。

 

【 仏様に供える、お膳料理 】

・ ウチャワキ … 重箱からおかずを取り分けたお皿を差すのですが、この取り分け方にも決まり事があり、「ふたつずつ」取り分けます。

・ ウサチ … で合えた料理を小鉢に用意します。

・ ご飯とお汁 … お汁はアーサのすまし汁などが多いです。

 

仏壇から、ウチャトゥ(お茶)などのお供え物を、その後ろに重箱料理が並びますが、またその後ろが、このお膳料理です。

 

 

沖縄の法要で、会葬客へ出す料理


従来はここまででお伝えしたお膳料理を、会葬客にもてなしたり、納骨法要ではお供えした重箱料理を、墓前で皆で食べる風習も…。お膳料理を会葬客へもてなす時には、少し他のメニューも加わることがあります。

 

【 会葬客へ出すお膳料理 】

■ 前項でお伝えした基本のお膳料理に、血イリチー(血を抜いてキクラゲや切り干し大根などと和えた料理)や、ミミガー(豚の耳…細切りにした酢の物)の他、さしみなども乗せたお膳料理に仕立ててもてなすことが多いです。

 

さらにご飯もお赤飯になっている(ニンチスーコー=年忌法要)場合もあります。

 

 

シジュウクニチで供える「フニムチ」


沖縄の法要では、例えばシジュウクニチなど、山のように積み上げた白いおもちを準備するものもありますが、この白いおもちのお供え物は「フニムチ」

 

実はこのフニムチ、沖縄の法要ならではの光景のようにも見えますが、日本全国でこのフニムチを供える風習を持つ地域が点在しているのです。

 

【 沖縄の法要での供え物、フニムチ 】

■ フニムチは漢字で書くと「骨もち」。白いおもちである必要が分かりますよね。シジュウクニチ(四十九日)には供えられるように、四十九個の白もちから成ります。

 

・ このフニムチ、49個のうち46個は同じ形をした小さな丸もちなのですが、残り3個のうち1個は、頭を象った大きく丸い頭餅(チブルムチ)、最後の2個は足を象った細長い足餅(ヒサムチ)にしてください。

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の法要料理の基本中の基本、ほんのごくごく一部の風習をお伝えしました。とは言え、この風習が沖縄の全ての地域で適用される訳ではありません。地域によっても、大きく違います

 

重箱料理は返しこんぶを入れますが、この返しこんぶは9つに分けられた場所のなかでも、真ん中の上部に入れることが多いです。そして返しこんぶがある側を、お仏壇やお墓へ向ける…、と言った作法も見受けられます。

 

ここまで細かくなると、初めての準備ではこんがらがってしまいますので、まずは基本を押えた上で、その都度目上の方に相談すると良いかもしれません。

 

沖縄の法要ではこの他、料理ではありませんが果物の盛り合わせや、お菓子を盛ったムィグァーシなど、さまざまなお供え物の準備がありますので、それぞれの法要に合わせて周囲に確認しながら進めてください。

 

 

まとめ

沖縄の法要料理の基礎知識

・重箱料理は9品目が基本ですが7品目も多い
・法要の規模によってチュクンかカタシーかが違う
・仏様に供えるお膳料理も準備する
・お膳料理にミミガーやさしみを加え、会葬客に出す
・法要によって白餅を49個積んだ「フニムチ」を供える



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