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沖縄のお墓を建てる特徴。地鎮祭とハカヌスージ

沖縄のお墓を建てる特徴。地鎮祭とハカヌスージ
沖縄のお墓は昔からとても大切にされていますよね。毎年の清明祭や旧盆などを見ていると、他県の人々も注目するように、独特の文化を持っています。そしてそれが、明るく温かな印象を持たれているのも特徴的。

 

そこには沖縄のお墓文化のなかに、「お墓の前でお食事会をする」と言うものがあるからではないでしょうか。この風習は毎年の行事だけではなく、沖縄のお墓を新しく建てる時にも同じことが言えます。

 

沖縄でお墓を建てる時、契約をしたらもちろん業者による工事が始まるのですが、その前には地鎮祭、完成後にはお祝いのハカヌスージがあります。

 

施主になればその準備の流れ、気になりますよね。そこで今回は、お墓を建てる時に知っておきたい、地鎮祭とハカヌスージの基礎知識をお伝えします。

 



 

沖縄のお墓を建てる特徴。
地鎮祭とハカヌスージ

 

沖縄のお墓、建設前の地鎮祭


旧暦
沖縄でお墓を建てることが決まれば、もちろん建設に入るのですが、その際には施主は自分で地鎮祭(じちんさい)の段取りを進めなければなりません。

 

地鎮祭はその土地を守る氏神様に、お墓を建てる許しをいただくためのものです。その内容は他県と同じく、神式と仏式がありますので、ご自身の信仰に沿ったスタイルを選んでください。
 
仏式ではお坊さんを呼んでお経を唱えていただきます。これから建てるお墓がお寺の境内にある墓地「寺院墓地」であったり、そうでなくても運営がお寺だったりすれば、その寺院の住職さんに依頼する方法が、後々トラブルも少なく良いかもしれません。
 
また、沖縄の人々のなかにはユタやノロさんを呼んで、御願形式の地鎮祭を行う方も見受けます。
 
このような場合には、民間霊園など宗旨宗派を問わない霊園個人墓地であれば問題はありませんが、前述したような寺院墓地の場合には、寺院によっては嫌がるご住職さんもいるかもしれません。
 
特に沖縄の御願形式を用いる場合、お供え物に豚の三枚肉などの仏教ではタブーとされる、肉類も出てきます。そのために先にどんどん個人で準備を進めずに、これから建てる霊園の管理者の方々へ相談をして、進めていくと安心です。

 

【 沖縄のお墓、地鎮祭 】

■ ちなみに沖縄では神式の地鎮祭が多いです。

 

・ 一般的には大安の日が良いと言われていますが、正式には厳密な決まりはありません。集まりやすく、より良い日にちを選んで問題ありません。

 

 
地鎮祭は供養のための供え物などの準備の他にも、設営が必要になるため、チェックしながら進めてください。
 
霊園での地鎮祭の場合には、個人墓地のように広い土地ではなく、限られた区画に建つお墓が多いために、地鎮祭を行うスペースには収まりきらず、霊園内の公園や広場などを利用して地鎮祭を行うことが多いです。
 
そのため、霊園の管理者の方々と相談しながら、広場や公園などを確保できるかどうかを確認します。
 
難しい場合には、地鎮祭のみ霊園(墓前)で行い、別会場で食事会を行う方法が良いかもしれません。霊園内の貸しスペースがあるかどうか…、なければ近隣のレストランや集会所を借りることができるかどうかまで、チェックし、安全な日取りを選んでください。

 

 

地鎮祭に必要な設営


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地鎮祭は墓地で行われるため、最低限の設営は不可欠です。お墓業者によっては設営道具を準備してくれるところもありますので、業者と相談しながら段取りを進めていくと、良いサポートが受けられるかもしれません。

 

【 地鎮祭の設営 】

 

必要なものは以下の通りです。(神式の場合)

・ テント
・ 盛り塩用の塩
・ しめ縄
・ 青竹(杭)
・ ガジュマル(杭)
・ ツルハシとシャベル
・ テーブル
・ パイプ椅子

 

テーブルやパイプ椅子は、規模によって業者と相談をしながら、準備を進めてください。
 
(父方の血族が入る)大きな規模の門中墓の地鎮祭などになれば、多くの親族が集まりますよね。そうなると高齢の方々も多いかもしれません。
 
高齢の方々には足腰が悪い方も多く、長い儀式の間にはずっと座っていることも厳しい可能性があります。いくつか高さの違う椅子や座布団を用意しておくと親切です。
 
また、テントもご高齢の方々のだいたいの人数を把握して、余計に張っておくと、当日のトラブルも少なくなるので、高齢の方々が多い地鎮祭では注意をしてみてください。
 
反対に本来は地鎮祭などの儀礼に子どもの姿は少ないものですが、沖縄では乳幼児を連れたお母さんも多く見受けられます。
 
テントで日差しへの配慮はもちろんのこと、パイプ椅子とは反対に、ちょっと子どもを寝かせることができるような座布団やシートがあっても、安心かもしれません。

 

 

地鎮祭のお供え物


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沖縄のお墓の地鎮祭では、神様へのお供え物をさまざま準備する必要があり、急に揃えることは難しいです。事前に確認してお供え物を準備してください。

 

【 地鎮祭のお供え物(神式) 】

地鎮祭の一般的なお供え物は以下の通りです。(神式の場合)

 

・ 米一升
・ 泡盛一升
・ 海のもの(鰹節、昆布、スルメなど)
・ 野菜(大根、白菜、ナスなど)
・ 果物(バナナ、みかんなど)

 

これらのお供え物と、塩と水が一般的なお供え物の準備です。また、地鎮祭ではお塩は多く使うため、十分に用意しておくと安心なので、意識して多めに用意してみてください。

 
果物は一般的なお盆お祝い事の法事(大焼香=ウフスーコー=25年忌や33年忌)などと同じ、カラフルな色合いのりんごやみかん、青い島バナナなどを盛り付けたもので問題ありません。
 
法事料理の専門店やジャスコなどのスーパーなどで相談してみると、法事用のお供え物を用意してくれることもありますし、霊園での地鎮祭であれば、その霊園の管理者などに相談してみるのもおすすめです。
 
民間霊園などサービスが行き届いている霊園などになれば、提携していたり、よく利用している専門店を紹介してくれることも多く、便りになります。

 

ハカヌスージは「納骨式」


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沖縄ではお墓が完成したら、「ハカヌスージ」と言われる「墓のお祝い」があります。このように聞くと、他県とは違う風習のように聞こえるかもしれません。

 

ただ、ハカヌスージでは遺骨を室に入れて、住職による読経をお願いしますから、他県で言うところの「納骨式」に当たると考えれば、その様子も窺い知れるのではないでしょうか。

 

【 沖縄のお墓で見られる「ハカヌスージ」 】

■ ハカヌスージでは納骨をした後、お供え物を施し、住職による読経が始まります。この流れを見ると他県の納骨式で行われる、「開眼供養」に似ています。

 

・ お墓の前で僧侶が読経するなどは同じなのですが、途中で完成を祝う曲が流れたり、墓前で食事などが行われるなどが特徴的。

 

さらに最後には沖縄らしく「カチャーシー」を踊って、お開きになる流れが一般的です。ただし、この完成時のハカヌスージも地域性が強く、それぞれの地域で違いがあります。

 

 

基本的なハカヌスージの流れ


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ハカヌスージを執り行う施主は、いくつかの「祝いの曲」を準備するのが、興味深いところ。ラジカセなどを準備して、カセットテープに曲を準備していきます。長さは曲3曲前後を用意すれば、問題ありません。

 

この「祝いの曲」は、ハカヌスージが始まる冒頭から流れます。

 

【 ハカヌスージの流れ 】

 

① 祝いの曲が流れてから納骨

② 閉めた場所に供え物を供えます。

③ ここでお坊さんが読経をして、供養が終わります。

④ そのままお墓の前でお食事会が始まります。

⑤ カチャーシーで、最期に皆で踊ります。

 

お食事会の前後では、挨拶も行われますので、他県で言うところのお斎(おとき)の役割に近いものがありますが、お墓の前で食事会が行われること、カチャーシーで終わることなどが、独特な風習なのです。
 
ただ、冒頭でお伝えしたように、日取りの時点でこれから建てる霊園とよくよく相談をして進めていかないと、大きな行事だけに、スペースの確保ができません。
 
沖縄式の「ハカヌスージ」を行いたい場合には、霊園の広場や公園を利用できるよう、また、難しい場合であれば移動先の確保だけではなく、車のない高齢の方々も移動できるよう、移動手段の確保も必要です。
 
沖縄で多くの親族が集まるお墓参りでは、親族全員で一台のバスをチャーターする事例も、数多くありますので、困った時にはどうぞ、検討してみてください。
 

 

いかがでしたでしょうか、お墓は亡き故人の住まい。新しい土地に住まいを建てる訳ですから、やはり家と同じように建てる前と完成後で、行事を執り行うのは施主の役割でもあります。

 

とは言え、お墓を建てる機会はそうそうありませんから、地鎮祭をハカヌスージを…、と言われても、施主としてもどうしたら良いのか、迷ってしまうことも、ムリはありません。

 

お墓業者の方々は、その点も理解しているケースがほとんどですので、契約時から相談しながら進めれば、安心して施主の役割を全うできるはず。

 

さらに、それぞれの行事では、読経をしていただくお坊さんへのお布施も忘れず、準備をしてください。

 

今では個人墓なども多いためか、沖縄のお墓も地鎮祭やハカヌスージの規模も小さいものも増えてきました。なかなか1人では負担が大きいので、ムリをせず周囲と相談、協力を仰ぎながら、執り行ってください。

 

まとめ

地鎮祭とハカヌスージの流れ

・氏神様に許しをいただく地鎮祭がある
・地鎮祭には設営の準備も必要
・神様へのお供え物は数日前から準備しておく
・ハカヌスージとともに、納骨行う
・ハカヌスージは祝いの曲とカチャーシーが特徴的



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