ヒヌカンをマンションで迎える☆最初の儀礼5つの手順
ヒヌカンは沖縄で「火の神」、全国的には「かまどの神様」とも言いますよね。
妻として母として家族を守る立場になると、いつしかヒヌカンを祀りたい想いが出る方も少なくありません。
けれども最近ではマンションやアパートなどの集合住宅も多く、昔ながらのヒヌカンの拝みでは、その手順が合わずに戸惑う方も多いです。
そこで今日は、ヒヌカンをマンションなどの集合住宅で迎え入れる時の、御願儀礼をお伝えします。
ヒヌカンをマンションで迎える☆
最初の儀礼5つの手順
ヒヌカンの灰はどうするか?
本来ヒヌカンは母親から娘や、義母から嫁へと、代々ウコール(香炉)の灰を引き継ぐ儀式があります。
けれども最近では、「厄災も引き継ぐ」と嫌がる若い夫婦も増えてきました。
【 ヒヌカンの灰を引き継ぐか否か 】
☆ …とは言っても、ヒヌカンの灰を引き継いだからと言って、厄災まで引き継ぐことはありません。
・ また、ヒヌカンの神様はウコール(香炉)の灰に宿るとされるので、新しく仕立てる(引き継がない)場合には、新たにヒヌカンを迎え入れます。
ヒヌカンの道具は沖縄であれば、お仏壇屋さんやホームセンター、地方なら大型スーパーなどでも見つけることができます。新しい灰も売ってはいるのですが…、神様を迎え入れる儀式をしてください。
新しくヒヌカンを迎え入れる場合
新しいヒヌカンを迎えるためには、灰を引き継ぐ訳ではないので、神様を改めてお迎えしますよね。
それには、地域の土地神様とガー(昔井戸だった場所)、若しくは、自分達が産まれた土地のガー(産川=ウフガーとも言う)を訪れ拝み、来ていただかなければなりません。
【 ヒヌカンの神様を迎える 】
① 出発前、自宅のヒヌカンには日ごろのお供え物「供え葉・ミジトゥ(水)・塩・お酒」を揃えます。
② さらにシルカビに乗せたウブク(ご飯)を3膳お供えし、ヒラウコー(沖縄線香)をタヒラ半(2枚半)を拝してください。
③ 最後に、「これから神様をお迎えに行きます。」と伝えて出発します。
これで出発できますが、拝所でもお供えが必要ですので、準備をして出かけてください。
拝所やガーで神様へ報告
拝所でのお供え物を準備するには、タッパーで用意する家も多いですが、ビンシーがあると便利です。お膳があると丁寧ですが、タッパーでも構いません。
【 拝所・ガーで報告の御願 】
① ビンシーなどにお酒(対の徳利と中央に盃に注いだお酒)、花米・洗い米(※1)・塩をセットし供えます。
② さらに、白い紙の上に乗せたウチャヌク(※2)を3セット、果物の盛り合わせ(りんごやバナナ、みかんなど)を供えてください。
③ ヒラウコー(沖縄線香)はタヒラ半(2枚半)です。
④ 家族の名前と干支、住所をお伝えし、「新居のヒヌカンへお越しいただき、末永く家と家族をお守りください。」と報告します。
…※1の花米・洗い米は炊いていない米粒で、花米はそのままの状態、洗い米は7回すすいだお米です。
※2のウチャヌクは白餅大・中・小の3段重ねの沖縄のお供え物で、スーパーなどで販売されています。
ミース・マースを準備
新しい家でヒヌカンを仕立てる時、沖縄では「ミース・マース」を小皿にお供えします。「ミース」は味噌、「マース」は塩です。
【 ヒヌカンへミース・マースもお供え 】
☆ 本来であれば、実家(母・義母)からもらってきたミース・マースをお供えするのですが、新しく仕立てる場合には、新たに用意します。
・ そのため、家庭によっては前項の神様への拝みの時に、準備したミース・マースもお供えする家も多いです。
…ただし、これは人や地域、家庭によって見解が違うので、自身の判断で問題はありません。
自宅で…、ヒヌカンを迎える拝み
自宅に帰宅したら玄関を開けて拝み、ヒヌカンを家のヒヌカンセットに迎え入れます。
【 自宅でのヒヌカンのお迎え 】
① 玄関を開け、拝所にお供えし持ち帰った塩・米を、ヒヌカンセットに用意したウコール(香炉)に、ひとつまみずつ入れてください。
② 自宅のヒヌカンへのお供え物は、日ごろのお供え物の他、拝所と同じお酒・花米・洗い米・ウチャヌク3セットを供えます。
③ 拝所で供えたヒラウコー(沖縄線香)、タヒラ半(2枚半)を灯して、ヒヌカンセットのウコール(香炉)に立てます。
④ 「本日、新居にヒヌカンの神様をお迎えしました。屋敷の神様と共に、この家をお守りください、ウートゥートゥー。」とお伝えします。
拝みを終えたら、前項でお伝えした「ミース・マース」をヒヌカンに供えて終わりです。
いかがでしたでしょうか、今日はヒヌカンを新居のマンションで迎える時の儀礼、5つの手順をお伝えしました。
実家や義実家からヒヌカンを引き継ぐ場合には、拝所がそのまま実家・義実家になればOKです。
実家・義実家のヒヌカンで供えていた「灰・塩・米」、それとは別に、実家・義実家の「ミース・マース(味噌・塩)」をいただいて帰宅してください。
ヒヌカンをお迎えしたら、地域によって違いますが、一般的には旧暦1日・15日が拝みの日です。神様との暮らしを楽しんでください!
まとめ
新しいヒヌカンの仕立て方
・本来は実家から灰を引き継ぐ
・近年は新しく仕立てる家庭も増えた
・新しい場合、土地神・川(産川)を訪れる
・出発前にヒヌカンに報告をする
・拝所では家族の名前、住所、干支を名乗る
・帰宅後に玄関を開け、迎え入れる
・拝み後は味噌、塩をヒヌカンに供える
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