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【沖縄の御願、歳時記】火の神(ヒヌカン)の仕立て方

【沖縄の御願、歳時記】火の神(ヒヌカン)の仕立て方
沖縄での御願では、屋敷の神様である火の神(ヒヌカン)は、家と家族を災難から守り健康を守る、大切なものですよね。先祖信仰のある沖縄の御願と言えば、位牌や仏壇をイメージする方々も多いのですが、同じくらい重要な存在が火の神(ヒヌカン)です。

 

この火の神(ヒヌカン)は、時代の流れとともに祀る家も少なくなっては来ていますが、昔ながらの家では昔から根強く残る、沖縄の御願の対象。実家から分家して独立すると、まず台所の火周りで、火の神(ヒヌカン)を祀ります。

 

ただ、沖縄の御願はどれも儀式の手順があるように、火の神(ヒヌカン)を新しく祀る場合にも、一連の沖縄ならではの御願の手順があるもの…。地域や家によってもそれぞれに違いがありますが、基本的な部分は知って丁寧に拝みたいですよね。

 

そこで今回は、沖縄の屋敷の御願に欠かせない、火の神(ヒヌカン)を新しく仕立てる際の手順をお伝えします。

 



 

【沖縄の御願、歳時記】
火の神(ヒヌカン)の仕立て方

 

火の神(ヒヌカン)を仕立てる


火の神様は現代でも多くの家で、火の周辺に仕立てるもの…。つまり現代の家ではキッチンのガスコンロ脇や上段周辺に祀る家が多いです。そこで火の神(ヒヌカン)を祀るために必要な用具を揃えなければなりません。

 

現代では沖縄の仏具店へ行けば「ヒヌカンセット」なども販売していますし、若い方々で火の神(ヒヌカン)を祀る方々のなかには、「仏具」にこだわらない家も見られるようになりました。

 

【 沖縄の御願:火の神(ヒヌカン)用具 】

 

① 花瓶

 

② 香炉(ウコール)

 

③ 湯呑み、盃、小皿

 

④ ウブク茶碗(三点)

 

器としては、この四つが必要。ご飯を供えるための茶碗は本来三つなのですが、最近ではお茶碗ひとつだけを供える家も見られますので、これも家々によって決めてみてください。

 

 

火の神(ヒヌカン)へ拝むための準備


沖縄で屋敷に御願をする際、前項でお伝えした容器にそれぞれ、お供え物を供えて行くのですが、このお供え物も決まっています。

 

【 沖縄の御願:お供え物 】

 

① 花瓶にはチャーギなどの葉が生けられます。

 

② 灰を入れた香炉(ウコーロー)には、沖縄の線香であるヒラウコーを「タヒラ」+1/2ヒラ、拝してください。(「タヒラ」とは6本が二枚で12本、つまりこの場合には、12本+半分の6本を拝します。)

 

③ 盃にはお酒(泡盛など)、湯呑みには、小皿にはをそれぞれ盛ります。

 

④ 「ウブク茶碗」とは、ご飯を供えるための器。三つありますが、どの器にもお米、もしくは赤飯を供えてください。

 

…以上が基本的な火の神(ヒヌカン)の供え物。ただし、新しい家で沖縄の屋敷の御願をする場合には、香炉(ウコーロー)の灰(ウコール)を、旧家(独立する場合には実家や義理の家など)から、灰をいただくのが沖縄の風習。

 

②ではヒラウコーの拝し方をお伝えしましたが、まずは旧家へ出向き、香炉(ウコール)に入れる灰を持ち帰ってから、セットしてみてください。

 

 

香炉(ウコーロー)の灰をいただく


独立する場合には実家、結婚して分家する場合には実家と義理の家の両方からなど、家や独立の理由によってさまざまですが、香炉の灰は受け継ぐもの…。旧家に訪問して、灰を分けてもらわなければなりません。まずはその準備!

 

【 沖縄の御願:灰をいただく準備 】

 

① 持ち運びが出来る沖縄の御願道具である、「ビンシー」

 

② バナナやみかんなどの果物

 

③ お酒を入れる盃

 

④ まんじゅう(奇数)

 

⑤ 三段に詰まれた白いお餅、「ウチャヌク」を三つ

 

…そして、旧家では差し上げるための塩と味噌、醤油を準備をし、灰をいただくためのティースプーンも準備しておくとスムーズ。旧家で以上のお供え物を供えて拝んだら、灰をティースプーンで三杯すくって持ち帰ります。

 

 

自宅に戻ってからの、沖縄の御願


旧家から灰(ウコール)をもらって来たら、その灰を米と塩と一緒に香炉(ウコーロー)に入れ、玄関を開けてから火の神(ヒヌカン)の御願。

 

【 沖縄の御願:火の神(ヒヌカン)を迎え入れる 】

 

① 前項でお伝えしたように火の神(ヒヌカン)を祀り、線香(ヒラウコー)を拝してください。

 

② ウブク茶碗の前には白い紙、「シルカビ」を三枚並べます。

 

③ 家族で火の神(ヒヌカン)に向かって、住所や生年月日、家族構成などをお伝えしてください。

 

④ 拝み終わったら、玄関にお盆を移動し、火の神(ヒヌカン)に入ってもらえば、一連の儀式が終了です。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の御願のなかでも日々の暮らしに根付いた、火の神(ヒヌカン)を迎え入れる手順について、お伝えしました。火の神(ヒヌカン)は沖縄の御願において大きな存在であるため、お伝えすることはたくさん…。

 

ここでは書ききれない事柄も多々あるので、他記事にも日々の沖縄の御願や風習などについてお伝えしていますので、ぜひ併せて参考にしてみてください。

 

今回は旧家から火の神(ヒヌカン)を引き継ぐ、昔ながらの一般的な事例をお伝えしましたが、近年では引き継ぐ旧家がなかったり、自分たちの世代から新しく始める家も増えてきました。

 

このような場合でも、地域のユタさんに沖縄で屋敷の御願をお願いしたり、自分たちで行う方もいてさまざま。全く新しい灰(ウコール)の方も見られるようになり、地域の方に分けていただいた、なんて体験談も…。

 

意外にもその風習が緩くなっている現代、ぜひ火の神(ヒヌカン)を迎え入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

火の神(ヒヌカン)の仕立て方

・ヒヌカンを祀る道具を準備する
・風習に倣って、お供え物を用意する
・香炉の灰(ウコール)は旧家からいただく
・戻ったらヒヌカンに拝み、玄関で迎え入れる
・最近では新しくヒヌカンを始める事例も多い

 



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