民間介護保険は入った方が良い?公的介護保険との違い
民間の介護保険には、入るべきかどうか悩む方が多いですよね。現在では生命保険やガン保険、うつ病を起こした時の保険まで、さまざまの商品があるため、そのなかでの介護保険の必要性は確かに悩ましい問題です。
ただ、介護への対策の場合には、民間の介護保険に入るかどうかに悩んだら、公的介護保険の仕組みを理解しておくと、より決めやすいかもしれません。
公的介護保険は日本国民であれば40歳以上は自動的に加入され、65歳までは特定疾患による介護状態の場合と範囲は狭いものの、65歳以上になると、ある程度の介護はフォローできます。
では民間介護保険に入ることで、どのような部分がフォローできるのか、公的介護保険との違いは何か…、詳細を理解してから、加入の有無を決断したいですよね。
そこで今回は、民間の介護保険への加入に迷っている方へ向け、公的介護保険との違いやそれぞれの概要をお伝えします。
民間介護保険は入った方が良い?
公的介護保険との違い
公的介護保険の概要
公的介護保険は国民であれば40歳になると自動的に加入する、公的な介護保険です。65歳までは特定疾患に起因する介護状態にのみ適用されますが、65歳以上になると多くのケースで当てはまります。
【 公的介護保険の概要 】
★ 要支援1・2と、要介護1~5の計7段階に分けられ、要介護(要支援)認定を受けると、その段階に合わせた介護サービスを受けることができます。
・ ただし、介護段階に合わせて支給限度額が定められ、支給限度額の1割は自己負担であり、支給の方法は現物支給です。
要介護(要支援)認定を受けると、その後ケアマネージャーと介護プランを作成しますので、公的介護保険のサービス内での介護方法をアドバイス、サポートしてもらえます。
民間介護保険に入るメリット
このように公的介護保険である程度の介護ができるのであれば、「民間の介護保険はいらないのではないか?」と考える方も多いのではないでしょうか。
実際に、経済的な問題のスペシャリストであるファイナンシャルプランナーの間でも、この民間の介護保険加入の有無は賛否分かれています。
ただ、迷うのであれば、自分や親の預貯金を参考にすると良いかもしれません。
【 民間介護保険に入るメリット 】
★ 公的介護保険サービスで注意したいポイントは「現物支給」であること、支給限度額の1割は自己負担であることです。さらに利用できる介護サービスも限られています。
・ 一方、民間介護保険の場合には、一時金若しくは年金の形で保障される商品が多いため、用途を自由に選ぶことができるのがメリットです。
一部では、老後の介護費用で必要な金額の目安は300万円と言われています。現金があれば、それに越した保険はないのですが、もしも貯蓄がないのであれば、民間の介護保険に加入しておくことで、より安心を得られるかもしれません。
民間介護保険に入った方が良い場合とは
このように民間の介護保険では、その用途がより自由になるため、介護サービス意外の面でサポートが必要な時に役立ちます。
例えば、毎日の食事の宅配サービスを利用したかったり、日々の暮らしをより楽にするために、車いすや杖を購入したい…などなどの用途などではとても助かるかもしれません。
【 民間の介護保険がおすすめの事例 】
・ 遠距離介護(被保険者が一人暮らし)
・ 預貯金が充分ではなく、今後が不安
・ 有料老人ホームへの入居も検討している
・ 生活のサポートを多く利用したい
…などなどが挙げられます。
民間介護保険の二通りの保障例
では、前項でお伝えした、いくつかの民間の介護保険をおすすめする方々のケースに合わせて、いくつかの保障の支払い方法をお伝えします。
大まかに分けて、民間の介護保険の支払い方法は、「一時金」と「年金」タイプの二通りです。
【 民間介護保険、保障の支払いパターン 】
① 有料老人ホームに入所を検討したい時、施設によっては入所時に高額な初期入所費用を求められる場合もあります。
・ この場合、一時金での保障で契約することで、入居できる事例もありました。
② 一方、貯蓄が充分ではなく暮らしが不安な場合には、毎月支払われる年金タイプの保障で契約することをおすすめします。
・ 毎月の支払いが続くタイプと期間限定タイプなど、種類もあるので、契約前に調べてみてください。
介護に掛かる費用の一例
では、公的介護保険サービスを受けながら、民間の介護保険を活用した事例をひとつお伝えします。
【 民間介護保険を活用した事例 】
★ まず基本的な手順を踏んで、公的介護保険のサービスをケアマネージャーと介護プランを立てて始めました。支給限度額の範疇で、デイケアを受けています。
・ さらに夕方にデイケアから帰った後、生活サポートをしてもらうためにホームヘルパーをお願いし、さらに毎日の食事は高齢者向けの食事の宅配サービスを受けることにしました。
ホームヘルパーは時給2,000円として15時間の利用で30,000円、宅配サービスは一日500円の食事を30日間の利用で、15,000円でした。
さらに公的介護保険サービスは、自己負担が1割あるので、この事例では要介護3でしたので、約260,000円の1割として26,000円、この三つを合計して、71,000円が毎月掛かります。
これを年金型の保障で契約した、民間の介護保険で補填しました。
いかがでしたでしょうか、今回は民間介護保険に加入しておいた方が良いかどうか、迷っている方々へ向け、公的介護保険と民間介護保険、二つの違いと連携した事例をお伝えしました。
確かに公的介護保険で受けられる介護サービスの範疇で、ある程度の介護は保障してもらえます。けれども、24時間の暮らしを考えると、補填したい部分も出てくるのではないでしょうか。
そんな時、現金で支給されて用途を自由に選ぶことができる、民間の介護保険はとても心強い存在です。ただし、老後に向けて充分な貯蓄がある場合には、やはり現金に勝る保障はありません。
老後に備えるであろう貯蓄や、遠距離介護の可能性の有無など、起こり得る未来を想定し、より公的介護保険外のサービスが必要になりそうであれば、民間介護保険を検討してみるのも、良いのかもしれません。
本記事を参考にしながら、自分のケースを想定し、今の暮らしが安心できるような選択をしてみてください。
まとめ
民間介護保険に入るメリット
・公的介護保険は現物支給
・民間介護保険は現金支給が多く、より自由
・生活援助的サポートには民間介護保険が有効
・民間介護保険には一時金での支払い方法もある
・民間介護保険には年金制の支払い方法もある
・公的介護保険で賄えないサービスを補てんする