お墓を建てる時の注意点。霊園で意識したい5つのポイント
お墓を建てる時、霊園が決まるとすぐに打ち合わせに入りますが、慣れていないと「霊園探し」に一生懸命で、ひと段落したところでホッとしてしまう方も多いですよね。
確かに近年では、お墓の最優先事項は立地環境と答える方が多く、なかには立地環境を整えるためにお墓のない、納骨堂などを選ぶ方も増えてきました。
けれどもいざお墓を建てる時には、打ち合わせ時は特にこだわりがなかったものの、「あぁすればよかったな…。」と、後々お墓を見ながら後悔する方も多く見受けられます。
沖縄に多い個人墓地に建つお墓では、自分達の理想を追求すれば、後になっても満足の行くお墓を建てることができますが、霊園では「霊園でお墓を建てる」ポイントがあるのです。
そこで今回は、霊園でお墓を建てる時に参考にしたい、経験者や専門家から聞いたポイントをお伝えします。
お墓を建てる時の注意点。
霊園で意識したい5つのポイント
室内で始める打ち合わせ
霊園の区画を決めたら墓石の打ち合わせに入りますが、室内でお墓のイメージを膨らませるのは、後々後悔する元となるため、必ず自分が選んだ区画へ出向いて、周囲や環境をチェックしてください。
【 お墓を建てる時は区画周辺の様子を確認 】
★ 霊園の場合には横並びに他の家のお墓が並びます。個人墓地では自分のお墓だけがクローズアップされますが、並んでいるお墓は、どうしても比較しながら見てしまうものです。
・ そのため、後々のアンケートでは、「自分達のお墓だけ、背が低かった…。」「何だか墓石の質が低そうに見える…。」などの声がしばしばあります。
墓石はピンからキリまであるので、高級な石質に合わせることは予算的に難しい方も多くいますが、一見での「石質が低そうに見える。」は、よくよく聞くと単なる柄の違いだったことも多くありました。
例えば、黒い目の詰まった石で建てたお墓が多いなか、ひとつだけグレーのまだら模様の墓石が建っていたため「違和感」があった、と言う場合に、「石質が低そうに見える。」と感じた事例もあります。
これは予算(石の値段)の問題ではなく石種の問題なので、石材によっては、周囲に合わせることができるのです。
周囲と高さや大きさを合わせる
ただ明らかに違う高級石材でデザインも個性的な、高級なお墓が並ぶ区画も確かにあり、東京都内の霊園などでは、有名芸能人やスポーツ選手など、著名人のお墓が並ぶ区画も見受けられます。
そのなかでムリをして予算を合わせても、後々後悔することになり兼ねません。お墓は一戸建てを建てる時の感覚と同じと考え、霊園での区画選びから意識して、ムリせず選ぶ方が得策です。
【 お墓を建てる時は、周囲と高さを合わせる 】
★ 経験者のアンケートで聞いた、お墓が並んだ時に気になる、最も多い「後悔」は、お墓の高さでした。後々、高さを調整した方も時々いるほどです。
・ お墓には二段式や三段式など、いくつかのデザインがあります。霊園では提携する墓石業者が多いので、周囲のお墓も確認しながら「高さ」が合うデザインを選ぶと、建てた後で違和感を覚えずに済むのでおすすめです。
また、同じデザインでも小型も中型もあるので、「価格だけで決めてしまう」のは、あまりおすすめできません。
後々周囲との違和感を覚えて変更に至り、「結局余計にお金が掛かってしまった…。」と言う声も多くあります。
反対に大きすぎるのも…
横並びの区画は、墓地スペースが同じ大きさであることが多いですよね。この時、周囲との差別化を図って、反対に大きいお墓を建てる方がしばしばいますが、これも業者の方に相談をして決めてください。
【 霊園で大きなお墓を建てる 】
★ 区画いっぱいに大きなお墓を建ててしまうと、今度は耐震面で充分な対策が取れないことがあります。
・ 近年では東日本を中心に、特に災害の影響から基礎工事を入念に行い、地震対策を取る業者が多いです。
地震などが原因でお墓が倒れ、隣りのお墓を壊してしまい、修繕を要求される事例もしばしばあります。お墓の地震保険などもありますが、周囲との適度な距離と地震対策は、現代では不可欠です。
意外と気になる、小物類
ある霊園の区画では、最初にお墓を建てる方々はごくごくシンプルに水鉢などを置かずに建てていましたが、後からお墓を建てる方々が水鉢を置き始め、後からどんどん追加された…、と言う例がありました。
このように、小物は意外と気になるポイントのようですが、注意点もあります。
【 霊園でお墓を建てる時に気になる、小物類 】
★ 霊園では基本的なオリジナルデザインのお墓が何パターンかあり、小物などはオプションになっている施設もあります。
・ ただ、あれもこれもと小物を追加しすぎると、小さい区画の場合いっぱいいっぱいになってしまい、落ちたり損傷したりするトラブルも多いです。
お墓を建てる時期
こうして一連の打ち合わせを済ませると、いよいよお墓を建てる工程に入ります。一般的にはお墓に着手してから3か月~6か月前後と言われていますが、お墓を建てる時期にも意識を向けてみてください。
【 お墓を建てるのに注意したい時期 】
★ 特に梅雨など、雨が長く続く時期にお墓を建てることは、避けることをおすすめします。
・ お墓を建てる際に使う接着材などの性質を考えると、雨が続いたり湿気が多い時期は避けて、しっかり乾かせる環境の元でお墓を建てるのが賢明です。
いかがでしたでしょうか、今回は霊園でお墓を建てる際に注意したいポイントを、経験者のアンケートや専門家の意見からお伝えしました。霊園では「周囲との調和」がポイントです。
特に日本人はお墓が並んでいると、周囲と比較検討しやすい特徴があるようで、予算優先でどんどん進めてしまうと、完成後に周囲と比較して眺めてしまい、後悔するケースが多い傾向にあります。
ただ、周囲との調和、周囲との比較も大切ですが、あくまでも自分達の家のお墓でしかありません。
お墓の高さや大きさなどの基本的な部分を押さえたら、大きな違和感はないはずですので、その後はあまり周囲との比較に固執せず、自分達の希望や予算を優先して、自分や家族、故人のためのお墓として選択することをおすすめします。
まとめ
霊園でお墓を建てるポイント
・周囲のお墓も確認しながら決める
・周囲とお墓の高さを揃える
・区画いっぱいに大きいお墓は避ける
・区画のバランスを見て小物を決める
・雨の多い時期の建設は避ける