香典相場に迷ったら…。失礼にならない5つのポイント
香典の相場は周囲の方々に聞けないケースもあり、迷いますよね。祝辞のように「多く包めばよい」と言うものでもありません。
一緒に行く方と相談するにしても、それぞれの故人との関係性や立場もありますから、香典相場も変わることになります。
参列する直前まで悩む方も見受けられる香典相場ですが、「ともかく失礼のない金額を包みたい。」と言うのが本音ですよね。
そこで今日は、香典相場と失礼にならないいくつかのポイントをお伝えします。
香典相場に迷ったら…。
失礼にならない5つのポイント
香典金額のタブー
葬儀や通夜・法事の席では、特に日本人は縁起にまつわるしきたりが多いです。
言葉の語呂合わせが多いので、若い世代だと「気にすることはないのでは?」なんて思いがちですが、老若男女が集まる葬儀や法事の席…、やはりタブーは避けることをおすすめします。
【 香典相場の前に…、金額のタブー 】
① 「4」・「9」 … 「4」は「死」を意味し、「9」は「苦しむ」を意味するので、香典だけではなく、あらゆる場面でタブーの数字です。
② 偶数 … 偶数は「割り切れる」数字で、「切れる」ため縁起が悪いとされています。
③ 多く包むこと … 例えば千円札を十枚で一万円を包むと、多くのお札が重なりますよね。「不幸が重なる」として縁起が悪いです。
④ 弔事では新札は使わない … 慶事では新札を準備しますが、弔事では「準備をしていた」とされてしまうので、使ったお札を用意します。(若しくは新札に、敢えて一回折り目を入れて包みます。)
⑤ 封筒への入れ方は慶事と反対 … 慶事ではお札のお顔が表側、上側になるように揃えますが、弔事ではお札のお顔が裏側、下側に入れてください。
…このようなタブーをまず避けることを意識すれば、ある程度香典の金額相場とずれていても、悪目立ちしすぎることはありません。
…ただ一点、多くの方々が迷いやすいのが「二万円」です。包む金額としては丁度良い塩梅の金額なので、現代のマナーが変化しつつあるからです。
【 香典相場の前に…、二万円を包む場合 】
☆ 二万円を包みたい場合には、枚数を奇数枚にする方法が多くなりました。
・ 例えば、一万円+五千円+五千円を包み、合計二万円にする方法です。
多く包めばよい、と言う訳ではない
前項のタブーでも少し触れましたが、「不幸が重なる」とされるために、結婚式の慶事などのように、迷ったからと言って、高く包めば喜ばれる訳でもありません。
【 香典相場は祝儀相場よりも低い 】
☆ 知人友人のケースでは三千円~五千円が香典の金額相場で、祝儀の一万円~三万円と比べると、グンと香典相場は低くなります。
・ ご遺族を想って多くを包みたい場合には、一度の金額が多いケースもありますが、通夜・葬儀、初七日、四十九日…と、法事の香典を分けるのも良い方法です。
香典返しはいただいた香典の1/3が相場ですので、遺族マナーとしては、多くのお香典をいただいた方には、改めてお礼の品を送ります。
この点でも遺族は大変になりますので、丁度良い金額がおすすめです。最近では多く包みたい場合「香典返しは辞退します」と添える方もいます。
故人との関係性によって違う
冒頭でお話した通り、香典相場は①故人との関係性、②香典を渡す人の立場や年齢、で決まります。
故人との関係性が深ければ深いほど、香典相場も高くなり、香典を渡す人の年齢が若ければ若いほど、香典相場は低くなるのです。
ひとつのラインとして、関係性で違う香典相場をお伝えします。
【 故人との関係性で計る、香典相場 】
① 祖父母 … 一万円~五万円
② 親戚 … 一万円~三万円
③ 友人知人 … 五千円~一万円
…家族の場合は葬儀スタイルや家族の形によって大きく変わり、親子や兄弟だけに相談をし合うことが多いです。
ただし一般的な香典相場で言えば、両親(義両親)であれば三万円~十万円、兄弟姉妹であれば三万円~五万円と考えてください。
年代によって違う
故人との関係性による香典目安を見ると、一万円~五万円、三万円~十万円、と大きく開きがありますが、これは年齢によって違うためです。
故人が自分よりも目上であれば安くなり、目下であれば高くなります。20代は、ある程度少なめに包んでもおかしくありません。
30代を超えたら、キチンと包むようにすると安心です。
【 年代で計る、香典相場 】
① 20代 … 祖父母や親戚なら一万円、知人友人なら五千円、知人友人の家族なら三千円でも問題はありません。
② 30代以上 … 祖父母・親戚は一万円でも良いものの、三万円ほど包む方も多くなります。知人友人であれば一万円が目安です。
また、30代以上になると以前自分の家族の葬儀に参列した方の、家族などの葬儀に参列することも多くなります。
この時には、以前いただいた香典金額を調べて、この金額を目安とするのが一般的です。
【 会社関係者なら、スタンドプレーに注意 】
☆ 会社の同僚や上司・またはその家族の葬儀である場合、現代では部署などでまとめて香典を包むことが多くなりました。
・ また、同じ立場や年齢で香典の金額が変わるのも良くないので、お互いに相談しながら進めることをおすすめします。
香典相場にプラスする場合
以上が大まかな立場によって違う、香典の金額相場ですが、状況によっては気持ちを伝えるためにプラスαすることがあります。
【 香典相場にプラスする 】
① 子どもが同席する …
子どもが同席することで、ふるまい料理が増えたり子ども部屋が必要になることもあるので、プラスして気持ちを表してください。
② 精進落としが高価な場合 …
これらの香典相場は一般的なものです。しばしば豪華なふるまい料理が案内されるので、この時には五千円ほどプラスする方がいます。
③ 連名で包んだ場合 …
夫婦連名の香典も多いですが、この時にはお焼香後のふるまい料理は二人分になるため、一人分を多めに包んでください。
…などなどのケースがあります。なかには金額を変えずに供え花を別に用意する方もいるので、ここは臨機応変に対応してください。
いかがでしたでしょうか、今日は迷いやすい香典の金額相場と、包む時に注意したいタブーやマナーをお伝えしました。
「4」や「9」の数字は広く知られていますが、多く包むことが必ずしも良い訳ではないことや、お札の入れ方までは、実は知らなかった方も多いです。
祝儀では笑って終わる間違えでも、弔辞の場合はシーンがシーンだけに、そうはいかないことも多いので、事前にチェックをしておくと安心!
故人への弔いの気持ちを参列客が表すのに、最も効果的な方法はマナーを守ることですので、ぜひ、注意をして用意してください。
まとめ
香典相場と包む時のポイント
・4、9の付く金額、偶数は避ける
・お札を多く重ねると「不幸が重なる」
・親戚なら一万円~、知人友人なら五千円~
・20代知人友人では三千円のこともある
・30代を超えたらキチンと相場を包む
・連名や子連れ、状況によって多めに包む