位牌のお焚き上げ。永代供養のための6つの基礎知識
位牌のお焚き上げと言う選択、なかなか決断できませんよね。継承問題も多い沖縄の位牌のお炊き上げ、継承者がいないとは言っても、最後の手段のひとつなのではないでしょうか。
けれども、位牌のお焚き上げを検討するケースでは、女系家族で継承者がいないまま、すでに現在継承している方も高齢になっている…、など、先々を考えると「ヒジュルグァンス(継承者がいない、冷たい位牌)」になることも。
お墓も無縁仏にはさせたくないように、位牌のお炊き上げの決断を迫られているケースでは、「ヒジュルグァンスになるくらいなら。」と、致し方なく決断することが多いですよね。
そこで今回は、位牌のお焚き上げを検討する際に知っておきたい、他の選択肢と位牌のお炊き上げの基礎知識をお伝えします。
位牌のお焚き上げ。
永代供養のための6つの基礎知識
位牌のお焚き上げをする選択
位牌のお焚き上げをする場合には、他の写真やお札、人形などの通常のお焚き上げの際に依頼する方法もありますが、やはり位牌のお焚き上げのみを取り扱っている業者にお願いすると、供養としては適しています。
【 位牌のお炊き上げをお願いする 】
■ 例えば海洋散骨などの自然葬を取り扱っている業者、遺骨の粉骨や再火葬などを取り扱う業者に相談すると、位牌のお炊き上げも扱っていることが多いです。
・ このような業者が行う、位牌を専門にしたお炊き上げでは、位牌から魂を抜く儀式を行った後、位牌のお焚き上げをしてくれるので、より安心してお願いができます。
位牌のお焚き上げ後の供養
さらに位牌を専門にお焚き上げを行う業者に依頼すると、その後に残る灰を供養塔などに埋葬し、永代供養をしてくれることも少なくありません。
【 位牌の永代供養とは 】
■ 位牌のお焚き上げを終えた後、残された灰を供養塔などに移し、他の灰などとともに定期的に供養の儀式を行ってくれます。
・ 位牌をお焚き上げした後も、合祀ではありますが、永代供養塔に灰が残る、と言うことになるので、御願の対象にもなるのもメリットのひとつ。
お墓と同じように、定期的にお参りもできるのです。
位牌のお焚き上げ以外の選択
それでも、位牌のお炊き上げは最後の選択として残して、「何とか残したい…。」と考える方は少なくありません。そんな時には、位牌の永代供養を選択してはいかがでしょうか。前述した位牌をお焚き上げした後の永代供養とは異なります。
【 位牌の永代供養 】
■ 位牌をお焚き上げすることなく、そのまま供養堂へ預けて、位牌自体を永代供養してもらう方法です。
・ この場合の永代供養とは、継承者に代わって施設や寺院が位牌を預かり管理し、定期的に供養をしてくれることを差しています。
この場合にも、お墓参りと同じように、定期的に御願に出向くことは可能。位牌を安置するスペースを借りて、そこに位牌を預ける形になるのです。
位牌のお焚き上げパターン
実は位牌のお焚き上げの費用相場は、その方法によって大きく変わります。と言うのも、お焚き上げをお願いするには、いくつかのパターンがあるからです。位牌に対する想いによって、選択が変わる傾向にあります。
【 位牌のお焚き上げパターン 】
・ お坊さんに魂抜き(お性根抜き)のみをしてもらう … この場合、お焚き上げは自分で行うので、その分費用も安くなることが多いです。
・ 位牌を処分する業者へお願いする … 位牌をそのまま業者を送り、その後は全く分からない選択。そのため、このパターンでも比較的安価。仏具店で取り扱ってくれることも。
・ 檀家へお願いする … 永代供養はないことが多いものの、信頼できる檀家で魂抜きを行ってもらうので比較的安心。お焚き上げは自分で行う寺院もあります。
・ 位牌をお焚き上げして、永代供養 … 霊園や自然葬などで永代供養も取り扱っている寺院や施設でお願いできることが多いです。残された灰を永代供養してくれるので、最も安心できる方法かもしれません。
位牌のお焚き上げ、費用相場
位牌のお焚き上げの費用相場と言っても、前述したようにさまざまなパターンがあるため、さまざま。最も安くお願いできる、仏具店や位牌処分業者のケースでは、1万円が相場ですが、5千円などで請け負ってくれることも…。
【 位牌のお焚き上げ、費用相場 】
■ とは言え、やはりお坊さんを呼んで魂抜きはお願いしたい方々がほとんど。その場合にはお坊さんへのお布施は必須ですから、お布施相場の3万円を目安にすると良いかもしれません。
・ 魂抜きを行った後、お焚き上げを自身で行えばもちろん安くなりますし、寺院や施設でお願いするとプラス1万円~2万円が掛かる場合や、お焚き上げまでセットになっている場合も少なくありません。
自分で位牌をお焚き上げして、お坊さんに魂抜きをお願いしたいものの、檀家に入っていないケースでは、お坊さん紹介サービスを利用する方法もあります。
位牌堂へ預ける
位牌堂へ預けて永代供養をお願いするケースでは、年間使用料が掛かる施設や寺院がほとんど。昔ながらの寺院が取り扱う位牌堂では、十五周忌や三十三回忌をきっかけに本堂へお願いするものですが、最近では位牌堂へ永代供養を目的として預ける家族が増えてきました。
【 位牌堂へ預ける場合 】
■ まだまだ霊園などの施設では新しいもの。寺院にある位牌堂への年間使用料は、「お布施」として納めるため、明瞭な料金目安はありません。
・ ただしお布施として考えれば、供養毎に3万円~5万円前後のお布施をお渡しすることに。まだまた少ないですが、霊園などの施設になれば、料金も明瞭でより安価なプランが提供されるかもしれません。
また寺院の位牌堂へ安置するならば、檀家になる必要も出てくるため、その寺院の宗旨宗派に則った供養を理解することになることも、意識して選んでください。霊園などの民間施設では、宗旨宗派を問わない場合が多くなります。
いかがでしたでしょうか、位牌をお焚き上げする決断ひとつでも、詳細を確認していくと、魂抜きだけをお坊さんにお願いする場合や、仏具店へ処分の依頼をするケースなど、その選択肢はさまざま。
驚かれた方もいるかもしれませんが、それぞれの供養の想いを持って、自分が納得できる供養の形が一番。近年では位牌の継承問題も多くなり、業者へ相談する方々も少なくないので、まずは業者に相談してみるのも一案です。
いくつかのプランを提示してくれることも多いので、そのなかから一つの選択肢を選ぶ方法はシンプルで迷いにくいもの。
故人の気持ちとしても、何よりも今生きる人間が納得できること、平和に暮らすことを望んでいるのではないでしょうか。家族で相談しながら、一つ一つの選択肢を乗り越えて、それぞれが納得できる供養の方法を選んでみてください。
まとめ
位牌のお焚き上げや永代供養、6つの基礎知識
・霊園や業者に相談してみるのが近道
・灰を永代供養塔に移してくれる施設もある
・位牌堂に預けて、永代供養をする方法もある
・お焚き上げにはいくつかのパターンがある
・魂抜きの儀式は3万円~5万円のお布施が必要
・位牌堂へ預ける場合には年間使用料が掛かる