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【沖縄の御願】独立した家で祀りたい、ヒヌカンとは

【沖縄の御願、歳時記】独立した家で祀りたい、ヒヌカンとは
沖縄では御願は暮らしに息づく、昔ながらの風習であり、とても大切なものですよね。全国的にはその継承問題から、「仏壇」への沖縄での御願が有名ですが、もうひとつ、「ヒヌカン(火の神様)」をはじめとした神々への、沖縄の御願があります。

 

正確に言えば「屋敷の御願」であり、屋敷に住む神様にはヒヌカン(火の神)の他にも、東西南北の神として「四隅の神」や「門の神」などなど、地域や家によって違いはありながら、何柱もの神様がいるのですが、最初に沖縄で御願するのがヒヌカン(火の神)。

 

沖縄で御願をする神様は後ほどお伝えしますが、そのなかでも重要な役割を持つヒヌカン(火の神)。その存在を理解して祈り、安心して新居での暮らしを始めたいですよね。

 

そこで今回は、沖縄で新居を建てたり、親元から独立した時に知っておきたい、火の神(ヒヌカン)についてお伝えします。

 



 

【沖縄の御願、歳時記】
独立した家で祀りたい、ヒヌカンとは

 

沖縄の屋敷の神様


昔ながらの風習では、親元から独立したり新居を構えた際には、沖縄では屋敷の御願をまず行うのが慣わし。

 

その中でも母親から娘へ、義母から嫁へと受け継がれるヒヌカン(火の神)は有名ですが、実は、屋敷で御願をする神様は、ヒヌカン(火の神)だけではありません。

 

【 沖縄で屋敷の御願をする神様 】

 

① 火の神様(ヒヌカン)

 

② 東西南北の神様(ユンシヌカミ

 

③ 門の神様(ジュウヌカミ

 

④ トイレの神様(フールヌカミ

 

⑤ 中央(玄関)の神様(ナカジンヌカミ

 

そして地域によって、仏壇への拝みも屋敷の御願として行われています。東西南北の神でる「ユンシヌカミ」は、「四隅の神」が方言となったもの。「ナカジンヌカミ」も「中陣の神」の沖縄での言葉です。

 

また、「フールヌカミ」はその昔屋外にあった豚のトイレ「フール」から来ていて、現在ではトイレを拝みますが、豚のトイレが本来の意味合いとなります。

 

 

火の神様(ヒヌカン)の沖縄での役割


沖縄の御願では、例えば新居に住み始める際、これらの神様へ沖縄では御願を行いますが、特に火の神様(ヒヌカン)への信仰は強いもの。他の神様への拝みがない家でも、火の神様(ヒヌカン)だけは欠かさない…、と言う家もあるほど。

 

【 沖縄の御願:火の神様(ヒヌカン)の役割 】

 

★ 沖縄では屋敷の御願では、まず火の神様(ヒヌカン)へ向かって拝みます。火の神様は家を厄災から守ってくれるだけではなく、他の神様への「連絡係」とも言われている存在。

 

・ 全国的には先祖信仰(位牌や仏壇)のイメージが強い沖縄ですが、沖縄の御願では、何をさておいても、まず火の神様(ヒヌカン)へ拝む風習があります。

 

この火の神様(ヒヌカン)では、娘や嫁が実家や義母から、旧家の火の神様(ヒヌカン)の灰を引き継ぐ風習がありますが、これは事項から詳しくお伝えしていきます。

 

 

沖縄の御願、火の神様(ヒヌカン)を仕立てる


沖縄の御願の中でも屋敷において、重要な役割を持っている火の神様(ヒヌカン)は、家から引っ越して一人暮らしをしたり、結婚して家を構える時、新しく仕立てて、拝みます。

 

【 沖縄の御願:火の神様を新しく仕立てる 】

 

★ 「仕立てる」と言っても、現在では沖縄の仏具店へ行けば「ヒヌカンセット」などと言う名で販売されているため、それを購入するのがほとんど。

 

・ ヒヌカンセットの内容は、花瓶とウコール(香炉)、お酒・水・お塩を供える器と、赤飯を供えるための器3つ

 

家によっては、さらにウチャトゥ(お茶)を毎日供える様子も見られますが、この辺りは実に家によってさまざま。これを台所の火の周辺にお供えしてください。(沖縄での最初の御願については、他記事にてお伝えします。)

 

 

火の神様(ヒヌカン)の灰について


昔ながらの風習では、このヒヌカンの灰は「引き継いで」いただくもの、と言うのも沖縄ならではの御願の風習。(沖縄での屋敷の御願の詳細は、他記事でお伝えします。)

 

【 沖縄の御願:火の神様(ヒヌカン)の灰 】

 

★ 実家から独立して新しく居を構えることを、沖縄では「ヤーダチ」と言います。現在では次男以降の分家に見られる風習でしたが、現在では長男でも分家をするケースが多くなりました。

 

・ この際、一人暮らしであれば実家から、結婚してヤーダチをするのであれば、嫁の実家(花嫁の実母→娘)、もしくは姑から嫁へ、家の火の神様(ヒヌカン)の灰を少しいただいて、新居のウコールにくべるのです。

 

この際にも、新居の火の神様(ヒヌカン)、旧家の火の神様(ヒヌカン)、それぞれに沖縄では御願の慣わしがあり、手順があるので、この辺りはまた、他記事(【沖縄の御願、歳時記】火の神(ヒヌカン)の仕立て方)で、お伝えしていきます。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、沖縄の御願としては「トートーメー」の言葉で知られる仏壇や位牌も重要ですが、火の神様(ヒヌカン)は今でも強く根付く大切な存在。何かあれば真っ先に報告をして、毎月1日と15日にはお仏壇とともに決まって沖縄では御願をするものです。

 

そのため、新居を構える際には沖縄では御願の手順や供え物など、一記事では伝えきれないほどの慣わしがあるのも事実。そのため、火の神様(ヒヌカン)への沖縄での御願の仕方や、屋敷への御願の手順についても、他記事などでより詳しくお伝えします。

 

全国的にも仏壇や神棚がありますが、それと同じく、家庭を守っている女性にとっては、家に頼れる神様がいる、…と言うこと。姑から嫁、母から娘へと、火の神様(ヒヌカン)は沖縄の家を見守ってきた存在と言えるのではないでしょうか。

 

本来は火の神様(ヒヌカン)の灰(ウコール)は引き継ぐものですが、近年では沖縄の人でも全く新しく仕立てる家も多くなりました。気になる方はぜひ、火の神様(ヒヌカン)をお家に迎え入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

沖縄の家を見守る、ヒヌカンとは

・屋敷には多くの神様がいる
・屋敷の神様の中でも重要な役割がヒヌカン
・近年では仏具店でヒヌカンセットがある
・ヒヌカンの灰は引き継がれる

 



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