納骨を行う時。スムーズに進めるための手順と流れ
納骨のタイミングは、先祖代々墓や門中墓、寿陵墓(生前墓)などで、もともとお墓を持っていたケースではスムーズですが、亡くなってから準備をするとなると、そのタイミングなどに迷いますよね。
沖縄ではもともとお墓がある場合、通夜翌日の告別式後に納骨式まで執り行われる風習があるだけに、この機会を逃すとまた、どのタイミングに合わせるか…、戸惑ってしまうのも頷けます。
また、最近では風習や宗教観も緩くなってきて、「手元葬」に代表されるように、手元で供養する方法を希望する方々も増えてきました。そんななか、今の時代に納骨をする際、できるならスムーズに執り行いたいですよね。
そこで今回は、タイミングを逃してもスムーズに行うことができるよう、納骨の基本手順と流れをお伝えします。
納骨を行う時。
スムーズに進めるための手順と流れ
納骨を行うタイミング
納骨と言えば前述したように、沖縄では告別式当日に、全国的には四十九日を目処に行うのが良い、とされていますが、実は決められた期限はありません。遺族が納得できるまで手元葬として身近で供養して、月日が経ってからの納骨でも良いのです。
【 納骨を行うタイミング 】
■ ただ、納骨式ではお坊さんへの読経依頼や、納骨式の案内や会食(ウサンデー)などなど、手間隙が掛かることは否めません。
・ そのため、施主の手間隙を少しでも少なくするために、一年忌(一周忌)や三年忌(三回忌)などの法要に合わせて納骨式も行うと便利。
新しくお墓を建てる場合には、納骨式の前にお墓の開眼法要も必要になりますので、この流れも組み込むことを意識しながら、セッティングをしてください。
納骨式の準備
納骨式の準備はまず、お坊さんへ読経のお願いから始まります。霊園などでお墓を建てた場合、開眼法要などでお付き合いも深いため、霊園業者がお坊さんを紹介してくれることは多々あること。
【 納骨式の準備 】
■ 納骨式前に必要な手順
① お坊さんへの読経の依頼
・ 近隣やお付き合いの深い寺院に直接依頼することも大丈夫ですし、霊園業者や「お坊さん派遣業者」なども見受けられます。
② 石材業者に連絡
・ 石材業者へはお墓の彫刻を納骨式に合わせて依頼する他、当日お墓のカロート(観音開きの場合は扉)の開閉作業を依頼をするとベター。
③ 納骨をするための書類を確認
・ 骨壷をいただいた際、骨壷と一緒に「遺骨埋葬許可証」をいただいているはず。この書類がないと納骨はできませんので、必要書類を確認してください。
例えば施主と家族のみなど、内々で納骨式を執り行う場合には、シンプルにこれだけで大丈夫なのですが、ほとんどのケースで親族や親しい知人友人にも参列してもらうため、参列者の方々への準備なども必要。詳しくは次項でお伝えします。
納骨式へ参列してくれる方々へ
納骨式へ参列してくれる方々へは、お坊さんに依頼して納骨式のスケジュールが決まったら、出来るだけ早く案内状を送付。一ヶ月前には連絡しておきたいところです。参列者が参加しやすいよう、納骨式は土日などの休みの日に設定しておくのが一般的。
【 納骨式の準備、参列者へ 】
① スケジュールを決定、案内
・ 納骨式の日程をお坊さんと決めたら、参列して欲しい方々へ案内状を送ります。地域によっては電話やメールなどでお伝えするケースも見受けられます。
② 納骨式後の会食(ウサンデー)の準備
・ 沖縄では納骨式後は墓前でウサンデー(お供え物を、参列者皆で分け合い食べること)を行うケースが多いのですが、墓前スペースが少ない場合には、早々の準備を始めてください。
③ 参列者へお渡しする、香典返し
・ 参列者の方々は、お香典を準備して参加する方がほとんど。そのため、納骨式の最後では告別式と同じく、香典返しを準備しなければなりません。
香典返しの品選びは、お香典の1/3の金額が目安なので、千円~二千円前後で選んでみてはいかがでしょうか。また納骨式後の会食で、墓前スペースがない場合、霊園であれば施設内の部屋や、近隣の飲食店や会館で場所を確保しておくと安心です。
納骨時に渡す「お布施」
納骨式をはじめとした、法要でのお坊さんの読経では、明瞭な料金を掲げていないこともしばしば…。最近ではお坊さん派遣などを利用すれば、明瞭な料金のやりとりがありますが、本来はこちらで金額を決めて、「お布施」としてお渡しするのが礼儀。
【 納骨時のお布施の準備 】
■ そのため金額には戸惑いますが、全国的な相場では三万円~五万円。周囲の方々に法要時のお布施について尋ねても良いかもしれません。
・ お金は白い封筒にお包みして、黒い墨で「お布施」と表書きをすれば大丈夫。もしも出張を依頼していれば「お車代」を、お坊さんが法要後の会食に参加しない場合には、「御膳料」を、それぞれ白い封筒に包んでお渡ししてください。
お車代や御膳料の目安はそれぞれ五千円。お車代は現地までのタクシー代に、少し高めの設定で、御膳料も、お出しする料理より少し高めの金額をお包みするのが作法です。
いかがでしたでしょうか、納骨式も法要のひとつですから、やはりそれなりの手順や段取りが不可欠。家族のみでごく身内で行うケースも増え、とてもシンプルに終えることもありますが、親族や知人友人を呼ぶとなると、それなりに準備が増えてくるもの…。
沖縄では納骨式後には、納骨式でお供えした重箱料理のウサンミ(御三味)を、参加者の皆で分け合い食べるウサンデーが多いのですが、これも最近では参加者全員に仕出し弁当を配ることも増えてきました。
会場確保をする場合や、仕出し弁当を準備するケースなどでは、早い段階で案内をして、人数を出しておくと、段取りがより早くスムーズに進むはず。法要は施主にとって何かと忙しいですから、少しでも楽に進むよう、ポイントを押さえて進めてください。
まとめ
納骨式の準備手順と流れ
・法要に納骨式を合わせると便利
・読経依頼、業者連絡、書類確認をまず行う
・日程調整をしたらすぐ、案内して人数把握
・納骨式後の会食場所を確保する
・香典返しも準備しておく
・お坊さんへのお布施の準備