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御三味(ウサンミ)は沖縄の行事料理☆お供えの作法とは

御三味(ウサンミ)は沖縄の行事料理☆お供えの作法とは
御三味(ウサンミ)は沖縄では、欠かすことのできないお供え料理ですよね。昔ながらの清明祭(シーミー)やお盆などの日は、朝からおばぁを中心にして、お嫁さん達が集まって料理をしていました。

 

今でも朝早くから料理をする家も多くありますが、近年では仕出し料理店やスーパーでも受注販売してくれます。全てを注文しなくても、手軽に作れるおかずは作って、残りをスーパーのお惣菜コーナーで購入する家も多いです。

 

このような定番の御三味(ウサンミ)、沖縄ではお供えをする時には、基本的な習わしがいくつかあります。家々によって違う風習もあり、割と緩い傾向もありますが、せっかくなら知っておきたいですよね。

 

そこで今回は、御三味(ウサンミ)を沖縄でお供えする時の、いくつかの昔ながらの風習、その基本をお伝えします。



 

御三味(ウサンミ)は沖縄の行事料理☆
お供えの作法とは

 

ウサンミの基本


ウサンミは御願時に神様やお仏壇へお供えする重箱料理で、お餅重とおかず重で一対になっています。

 

一対を「カタシー」と言い、お彼岸やジュウルクニチー(十六日=墓前祭)に用意され、二対が「チュクン」でシーミー(清明祭=墓前祭)やお盆など、大きい行事に多いです。

 

【 ウサンミ、沖縄での基本 】

 

① お餅重 … 3個×3個(9個)、×5個(15個)、×7個(21個)と奇数個並べる決まり事があります。

 

② おかず重 … キレイに四角く区切られた盛り付けが特徴的で、カステラかまぼこや昆布、大根やゴボウの煮つけ、豚の三枚肉の煮つけ、かまぼこなどが並びます。

 

おかず重の詰め方ですが、豚の三枚肉の煮つけはお仏壇(お墓)側の真ん中に配置する家が多く、昆布の煮物はその対の反対に詰められることが多いです。

 

 

十六日と清明祭のウサンミは違う


宮古島など八重山諸島では旧暦1月16日が最大の墓前祭(十六日=ジュウルクニチー)であるのに対し、沖縄本島の多くの地域では、旧暦3月の清明(シーミー)の節気に行う「清明祭(シーミー)」が最大の墓前祭です。

 

同じ墓前祭ですが、準備をするウサンミは変わります。これは十六日(ジュウルクニチー)が御先祖様を弔う意味合いが強いのに対し、清明祭(シーミー)では文字の通り、お祝いの意味合いが強くなるからです。

 

【 ウサンミ、沖縄の行事による違い 】

 

① 十六日や弔事でのウサンミ … お餅は全て白餅、昆布は返し昆布、かまぼこは白かまぼこを詰めてください。豚の三枚肉の煮つけは、豚の背を上に詰めます。

 

② 清明祭やお祝いのウサンミ … お餅は餡入りやきな粉をまぶしたものの混合が多く、昆布は結び昆布、かまぼこは紅白や紅かまぼこです。豚の三枚肉の煮つけは、豚の背を下に詰めてください。

 

お祝いのウサンミは、二十五年忌(ニジュウグニンチ)や三十三年忌(サンジュウサンニンチ)の大焼香(ウフスーコー)もお祝いの意味合いがあるので、ウサンミも沖縄ではお祝い用です。

 

 

お供え時の並べ方


ウサンミは沖縄では御願の際、広げて仏壇や墓前に並べますが、この時にも向きなどの細かな風習があります。あまり気にしない門中も多いのですが、一度理解しておくと安心です。

【 ウサンミを沖縄でお供えする向き 】

 

★ 墓前やお仏壇を前にして、向かって左側がおかず重、右側がお餅重となります。前項でも触れましたが、豚の三枚肉の煮つけは墓前(お仏壇)側へ置いてください。

 

・ お重に家紋を入れている家もありますが、この場合には紋を墓前(お仏壇)向きにします。一般的な文様でも扱いは同じです。

 

おかず重にはお箸を左上に置いて、お供えをしてください。チュクン(四段)なら、同じように並べるので、左からおかず重・お餅重・おかず重・お餅重となります。

 

 

ウサンミを補充する、「ウチジヘージー」とは


ウサンミは沖縄では、御願をする対象全てにお供えをしなければなりません。例えばお墓参りであればヒジャイヌカミ(左の神)※1へカタシー、墓前にチュクンのウサンミを用意するのが沖縄の習わしです。

 

ただそれでは準備も大変になりますし、ウサンデー※2をするにしても、食べきれなくなり捨てるのももったいないですよね。そのため、いつの日からか生まれたウサンミの沖縄での風習が、「ウチジヘージー」です。

 

【 ウサンミに不可欠な沖縄の風習、ウチジヘージーとは 】

 

★ まずウサンミを並べて拝んだ後、お皿にウサンミからおかずを取り分けて「ウハチ(お初)」としてお供えをし、最初に並べたウサンミを引き上げます。

 

・ ウサンミは取り分けた分のおかずが抜けているので、別に準備している「ウチジーへージー(ウチジーフェーシーなどの言い方もあります。)」から、抜けた分のおかずを補充するのです。

 

例えばお墓参りの時には、まずヒジャイヌガミへウサンミをお供えし、お皿におかずを取り分けて、ウサンミは引き上げた後、ウチジーへージーからおかずを補充します。

 

元の状態になったウサンミを、今度は墓前にお供えするのです。ちなみに※1のヒジャイヌカミはお墓の左側に鎮座する土地神さまです。※2の「ウサンデー」とは、拝み終えた後、集まった物でお供え物のお下がりを、墓前でいただくことを指しています。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は御三味(ウサンミ)の沖縄での風習をお伝えしました。このウサンミを沖縄で用意をする行事と言えば、旧暦3月(新暦では毎年4月5日頃~)の清明祭(シーミー)やお盆があります。

 

本文中でお伝えしたように、本来であればチュクンの場合には四段並べてお供えをするのが理想的ですが、広さなどもありそうもいきません。そんな時には二列に並べたり、二段重ねにすることも多いくなりました。

 

二列にする場合には、墓前(お仏壇前)は左側がおかず重、右側がお餅重ですが、その手前(お参りする側)は左側がお餅重、右側がおかず重と、交互(逆向き)に並ぶようにしてください。

 

これはウサンミが墓前と拝む人々それぞれに対して、お重を広げている形で、お箸も同じように置きます。ぜひウサンミの沖縄での風習に倣った供え方で、拝みを捧げてみてください。

 

 

 

まとめ

ウサンミの供え方、基礎知識

・ウサンミはお餅重とおかず重がある
・チュクンが二対、カタシーが一対
・弔事と祝い事でおかずに違いがある
・向かって左がおかず重、右がお餅重
・ウチジーへージーのおかずを準備する
・お皿に取り分けたらお重におかずを補充する
・二列や二段に広げることもある

 



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