沖縄のカジマヤーユーエー☆長寿を報告する御願とは
沖縄のカジマヤーのお祝いは、しばしば雑誌やテレビでも取り上げられますよね。九十七歳と言う長寿を祝うカジマヤーユーエー。これはそもそも、沖縄のトゥシビーと呼ばれる生年祝いのひとつです。
そもそも雑誌やテレビで取り上げられることが多いのも、沖縄のカジマヤーユーエーは地域を上げたお祝いをするのが理由。子どもや家族はもちろん、地域の人々が風車などを持って沿道に駆けつけます。
そのため、実際に沖縄でカジマヤーを迎えた家族がいる家では、地域の方々がお祝いを先導してくれることも多いですが、お祝い返しからお仏壇へのお供えまで、どのように進めれば良いのか曖昧ですよね。
そこで今回は、家族がカジマヤーを迎える家での、仏壇へのお供え物や、カジマヤーについてお伝えします。(正確には「お祝い」ではないとも言われますが、今回は現在の風習からお祝いとしてお伝えします。)
沖縄のカジマヤーユーエー☆
長寿を報告する御願とは
カジマヤーは旧暦の九月七日!
沖縄ではカジマヤーをはじめとして、多くの年中行事が旧暦で行われます。沖縄のカジマヤーでは「9」「7」歳のお祝いと言うことで、旧暦の九月七日がお祝いの日です。
【 沖縄のカジマヤー☆地域で祝う 】
★ 沖縄ではカジマヤーを迎えた本人は、赤いちゃんちゃんこを羽織り、色鮮やかに装飾されたオープンカーで地域をゆっくりと走るのが風習。
・ 一緒にお祝いをすると長寿にあやかれる、と言うことで、地域の方々や子ども達、皆が風車を持って沿道に立ちお祝い!地域によってはこの日はスターのように、握手を求められたりするのです。
沖縄は「カジマヤー」は「風車」の意味合い。子どものおもちゃの象徴として風車が用いられ、人は九十七歳になって子どもへ戻る、と言う考え方から、カジマヤーのお祝いと言われています。
カジマヤーで配る「風車」の準備
沖縄でカジマヤーを家族が迎えた家では、地域の人々も風車を準備することはありますが、お祝いをしてくれる沿道の方々へ風車を配る習慣も…。さらにカジマヤーの飾り物も準備をするのが一般的。
【 沖縄のカジマヤー☆風車の準備 】
★ 一般的な習慣であるため、今では沖縄ではカジマヤーのお祝い用のセットが販売されているはず。
・ 大きな風車9~10本前後と、赤い敷物、ザルや扇などを揃えた「カジマヤーセット」の一例では、これで一万円前後。その他、琉歌を添えた掛け軸の飾り物(装飾用)なども五千円で販売されています。
風車はこのセットの他に、大きいものと小さいものを合わせながら、プラスαで注文する場合が多いです。
長寿を報告する、ヒヌカンの「ウサギムン」
お供え物をうちなーことばで言えば「ウサギムン」。沖縄ではカジマヤーを迎えると、ヒヌカンとトートーメーに感謝を伝えて、長寿を報告するのが習わしです。
【 沖縄のカジマヤー☆ヒヌカンのウサギムン 】
・ お塩
・ お水
・ お酒
・ 「花米」(洗わずに供える生の米)
・ 洗い米
・ 「赤ウブク」(お赤飯)を三膳
・ 「ウチャヌク」(三段に重ねられた白餅)を三個
★ 拝すお線香(ヒラウコー)は、全国的なお線香なら12本と3本。ヒラウコーであれば二枚のタヒラと半分。
ちなみに、沖縄の屋敷にあるかまどの神様がヒヌカン。ヒヌカンは多くの屋敷の神様のなかでも中心的存在であり、家の女性にとっては良き相談相手でもありました。
そのため沖縄のカジマヤーでは、トートーメーと同じように、感謝を伝え、長寿を報告するのが礼儀。ほとんどの家で、最初にヒヌカン、次にトートーメー(仏壇)へ報告します。
トートーメー(仏壇)のウサギムン(お供え物)
次にトートーメーへ供える、沖縄のカジマヤーでのウサギムン。こちらも個数などは違いがあるものの、準備をするものは同じです。
【 沖縄のカジマヤー☆トートーメーのウサギムン 】
・ お酒
・ 「ウチャトゥ」(お茶)
・ 花米
・ 洗い米
・ 赤ウブクは二膳
・ ウチャヌクは二個
★ こちらもお線香(ヒラウコー)はヒヌカンと同じ。12本と3本で考えるので、ヒラウコーであればタヒラと半分です。
つまり、ヒヌカンは赤ウブクとウチャヌクがそれぞれ3膳、トートーメーでは赤ウブクとウチャヌクがそれぞれ2個となります。
長寿を報告する御願での詞
ヒヌカンとトートーメーにお供え物をしたら、沖縄ではカジマヤーのご報告を…。日ごろの沖縄の御願同様、地域や家によって、細かい言い回しはそれぞれ違いますが、一連の伝える内容をお伝えします。
【 沖縄のカジマヤー☆報告の言葉 】
「本日○○がカジマヤーを迎え、良き日にお祝いをさせていただくことになりました。
ヒヌカンガナシー、ご先祖様、皆様のお蔭で、この日を健やかに迎えることができ、感謝しております。
これからもどうぞ、健康に丈夫に過ごせるよう、変わらずお見守りください。ミーマンティ、ウタビリソーリ、ウートートゥ」
「ヒヌカンガナシー」は「ヒヌカン」の神様を敬称した言葉。最後の言葉は「今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」のようなもので、沖縄の御願では、よく最後に付け加えられます。
いかがでしたでしょうか、今回は旧暦の九月七日に行われる、九十七歳の長寿を祝う、沖縄のカジマヤーユーエーについてお伝えしました。冒頭でも少し触れましたが、実はもともとは「お祝い」ではなかったもの…。
詳しくは別記事でお伝えしますが、そもそも九十七歳は自分の干支が巡るごとに行われる、トゥシビーの流れ。現在ではトゥシビーそのものがお祝いの意味合いが強くなっていますが、いわゆる厄除けの催しです。
また、沖縄ではカジマヤーや八十八歳のトォーカチなどの生年祝いでお祝いをいただいたら、お返しを贈るのも大切な礼儀。沖縄ではお祝い専門店を覗けば、生年祝いの商品が置いているはず。
人気のお返しは、定番で誰もが暮らしに役立つもの。例えばタオルやせっけんなど、生活に沿ったものが人気です。ぜひ、神様ご先祖様、地域の方々へも感謝を込めた、沖縄のカジマヤーを行ってください。
まとめ
沖縄のカジマヤー、家族の手順
・旧暦の九月七日がお祝いの日
・風車を配ったり、飾り物の準備をする
・ヒヌカンには赤飯を三膳供える
・トートーメーにも赤飯を二膳供える
・ヒヌカントートーメーに報告をする
・お祝いのお返しも送って感謝を伝える