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ヤマドゥミ(山留め)とは☆旧暦四月、沖縄の物忌み行事

ヤマドゥミ(山留め)とは☆旧暦四月、沖縄の物忌み行事
ヤマドゥミ(山留め)は、その昔の沖縄の「物忌み」行事ですが、現代では離島地域で行われるくらいで、本島地方では知らない方も多いですよね。

 

ヤマドゥミ(山留め)と共にウミドゥミ(海留め)を行うことも多くあり、この他にも針仕事や音鳴らし(宴の際の三線など、賑やかしく音を鳴らすこと)を禁忌する、物忌みもありました。

 

…近代化が進みどんどん御願行事が廃れてきましたが、ここに来て、後世へ残そうと、個人で旧暦行事を行う家庭も増えましたよね。

 

そこで今日は、旧暦四月の後半(新暦五月後半)に行われる「物忌み」、ヤマドゥミ(山留め)・ウミドゥミ(海留め)をお伝えします。

 



 

ヤマドゥミ(山留め)とは☆
旧暦四月、沖縄の物忌み行事

 

「物忌み」とは何?


冒頭で「物忌み行事」とお伝えしましたが、正確には物忌みは行事ではありません。

 

毎年旧暦五月四日のユッカヌヒーと呼ばれる御願行事を前にして、「身を清め慎む」意味合いを持つ期間が、「物忌み」期間です。

 

【 「物忌み」とは何? 】

 

★ 物忌みとは決められた禁忌を守り、日々を慎み暮らし、身を清める期間を差します。

 

・ ヤマドゥミ(山留め)、ウミドゥミ(海留め)の期間は旧暦四月十五日~旧暦四月二十七日、新暦2019年では5月20日(月)~5月31日までです。

 

旧暦四月十五日にアブシバレー(畦払い)を終えた後から、旧暦四月二十七日、「ハーリーガ二」が鳴るまでが、物忌みとなります。

 

「ハーリーガ二」は、旧暦五月四日のユッカヌヒー(旧暦の子どもの日)に行うサバニ(船)レース、ハーリーの期間の始まりを示す鐘の音です。(ユッカヌヒーの七日前に鳴らされます。)

 

冒頭でお伝えしたように、針仕事を禁忌とする物忌み(アブシバレーの日)や、賑やかしく音を鳴らして宴を催すことを慎む日なども、物忌みのひとつです。

 

 

ヤマドゥミ(山留め)期間の物忌み


では、この期間にどのような物忌み(禁忌)があるのかと言いますと、「名前のまま」と解釈してください。

 

【 ヤマドゥミ(山留め)とウミドゥミ(海留め) 】

 

・ 山への侵入や森林の伐採などを控えます。
・ 海に入ったり、不必要に海岸で遊ぶことは禁忌です。
・ (主に山中や浜辺に多いため)御嶽への参拝も控えてください。

 

…以上が基本的なヤマドゥミ(山留め)とウミドゥミ(海留め)の禁忌事項です。

 

その昔の稲作が盛んだった時代、この時期は稲の植え付けが終わる時期でもあります。

 

ですから、このヤマドゥミ(山留め)ウミドゥミ(海留め)を行うことで、稲の豊作を祈願する意味合いがありました。

 

もちろん、森林の伐採を大きな禁忌とする意味合いと同じく、潮干狩りや川遊びも物忌みのひとつとなります。特にこの時期は潮干狩りの旬とも言える時期ですので、注意をしてください。

 

 

ヤマドゥミ(山留め)が破られると?


近年では本島地方にほとんど見られない物忌み行事の、ヤマドゥミ(山留め)・ウミドゥミ(海留め)ですが、今も離島地域(伊是名島など)で残る様子も見受けます。

 

これは物忌みですから、その昔には「禁忌を破ると恐ろしいことが起こる!」と信じられてきました。

 

【 ヤマドゥミ(山留め)ウミドゥミ(海留め)を破ると? 】

 

・ 山に入ると山神さまが荒風を吹かせ、稲をなぎ倒す。
・ 海に入るとが起こる。
・ 海に入ると川が氾濫する。
・ 山に入った者は、ハブに咬まれる
・ 禁忌を犯した集落では、害虫が溢れる

 

…などなど、多くの言い伝えがあちこちでありました。

 

ヤマドゥミ(山留め)ウミドゥミ(海留め)が始まる直前のアブシバレー(畦払い)では、害虫祓いの農耕儀礼として、神職の方々が集落の御嶽を巡拝しました。

 

けれども、ヤマドゥミ(山留め)ウミドゥミ(海留め)に入ると、御嶽への御願も物忌みのひとつとなります。

 

 

「死んだように」なる物忌み


このヤマドゥミ(山留め)ウミドゥミ(ウミドゥミ)は、期間中に山や海に立ち入ることを禁じるだけの物忌みですが、宮古島など、厳しい物忌みでは物音ひとつ立てないものもあります。

 

【 究極の物忌み「ンフナカ」 】

 

★ 宮古島など離島地域で見られるもので、「ンフナカ」とは「仮死」の意味です。これは豊作をもたらす神様を迎える儀礼です。

 

・ この言葉通り、かつてのンフナカでは、町が「仮死」状態だったと言います。…つまり、人々(家畜も)出歩く様子もなく、夜になっても灯が見えず、音もしない…。と言うものでした。

 

…さすがに現代の宮古島ではこの様子は見受けませんが、つい最近まで、宮古島の神女が、このンフナカの時に山中の家屋に籠り、断食をしていました。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、本日は旧暦四月後半時期(新暦2019年では5月20日~5月31日頃)に行っていた、ヤマドゥミ(山留め)ウミドゥミ(海留め)の物忌み行事についてお伝えしました。

 

今ではすっかり知る人々も少なくなりましたが、知る人々はこの時期は山や海は避けて過ごす様子も見受けます。

 

特に、山海で命を削ることになる、山林の伐採や潮干狩り、釣りなどは避ける方も多いです。

 

この時期、本文にありますように御嶽や拝所への参拝も禁忌となりますが、家庭での拝みはもちろん、差し支えありません。拝みが出来ない分、家庭でヒヌカンを通して拝むおばぁも見受けます。

 

 

まとめ

ヤマドゥミ(山留め)ウミドゥミ(海留め)とは

・山や海への立ち入りを禁じる「物忌み」
・御嶽や拝所への参拝も禁じられる
・期間中もヒヌカンを通した拝みはできる
・アブシバレーからハーリーガニまで
・旧暦四月十六日~四月二十七日
・新暦2019年では5月20日~5月31日
・禁忌を破ると嵐や大風が来ると言われる
・宮古島のンフナカなど厳しい物忌みもあった



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