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沖縄のお仏壇(トートーメー)、迎え入れる5つの基礎知識

沖縄のお仏壇(トートーメー)、迎え入れる5つの基礎知識
沖縄のお仏壇は「トートーメー」と呼ばれていますが、本州の方々が初めて見ると驚きますよね。昔ながらのお家では、家の中央に堂々と鎮座している沖縄のお仏壇も、多いのではないでしょうか。

 

昔ながらの沖縄のお仏壇では、家内で置く場所も決められているため、もともとの家の造りに「お仏壇の場所」が組み込まれていました。

 

そのためか、沖縄の民家を利用した料理店などでは、「ここはお仏壇の場所だったんだなぁ~。」と分かるスペースを見つけたりもします。

 

近年では家の造り自体が変わり、沖縄でもお仏壇を中央に置くことが少なくなりましたが、それでも基本の作法を理解した上で、どのようにするかを決めたいですよね。

 

そこで今回は、沖縄で初めてお仏壇を迎え入れる時、一度は理解しておいて欲しい、いくつかの昔ながらの作法をお伝えします。沖縄ではお仏壇はとても重要な存在として、大切にされていますので、ぜひ参考にして置き場所などを決めてください。



 

沖縄のお仏壇(トートーメー)、
迎え入れる5つの基礎知識

 

沖縄のお仏壇には置く場所がある?


昔ながらの沖縄の民家は5つの部屋と土間(台所)から成っている家が多く、表には3室の畳間が並び、一番座・二番座・三番座、裏手には一番座の奥に土間(台所)、二番座の奥に二番裏座、三番座の奥に三番裏座が並びます。

 

【 沖縄のお仏壇、置き場所 】

 

★ ここで沖縄ではお仏壇は「家の中央」に鎮座する必要があるので、二番座の畳間に置くのが風習でした。つまり、二番座の畳間が仏間となります。

 

・ ちなみに一番座(畳間)は客室、三番座は茶の間(今で言うリビング)となり、裏手が家族の部屋です。

 

裏手は台所のすぐ横が若い夫婦の寝室となり、一番奥(一番座の裏手)が家の主人の寝室であることが多くなります。そのため、若い夫婦の寝室である仏間の裏は、産屋としても使われました。

 

【 沖縄のお仏壇、現代の置き場所 】

 

★ このような昔ながらの風習から、設計が変わった現代でも、沖縄のお仏壇は「中陣」と呼ばれる、比較的中央の目立つ場所に置かれることも多いです。

 

 

沖縄の「ウチナーイフェー」


沖縄のお仏壇に置く位牌は、「沖縄位牌」と言う独特の位牌を使用しますが、沖縄ではこれを「ウチナーイフェー」と呼びます。八重山諸島では本州で使う唐位牌などを利用する風習もありますが、本島ではほとんどがこの、ウチナーイフェーではないでしょうか。

 

【 沖縄のお仏壇、ウチナーイフェー 】

 

★ ひとつの位牌に何人もの名前を書くことができるウチナーイフェーは、いくつかの札が並び、中央に「帰眞 霊位」と記されているタイプが多いです。

 

・ この「帰眞 霊位」は故人の戒名の上下に付くものなので、家族が亡くなったら、位牌札には故人の戒名のみ書き記します。

 

このウチナーイフェーですが、お札に書く依頼をする家が多いものの、自分で書いても問題はありません。

 

家族が亡くなるとまず、仮位牌の「白位牌(シルイフェー)」を祀り、四十九日までにウチナーイフェーに名前を記し、四十九日には墓前でシルイフェーを燃やして魂をウチナーイフェーに移します。

 

 

沖縄のお仏壇、仏具の置き方


沖縄のお仏壇は大きいものが多いです。そのため、沖縄の仏壇では、仏具は三段に渡って配置されます。

 

【 沖縄のお仏壇、仏具の置き方 】

 

① 一段目(下段) … 一対のろうそく(ろうそく立て)の中央にウコール(香炉)

 

② 二段目(中央段) … 中央には水椀と酒椀、その両脇に一対の仏飯椀、さらに両脇に一対のウチャトゥ(お茶)椀(台座付き)

 

③ 三段目(上段) … 中央にウチナーイフェー(位牌)、その両脇に花瓶。

 

…と並べてください。

 

沖縄のお仏壇は大きく、昔ながらの家でない場合には、時に押し入れを改造して入れることもあります。ただ現代では、本州で注目されている、スタイリッシュなお仏壇を選び、それに合わせた配置も見られるようになりました。

 

 

沖縄のお仏壇、日々の拝み


沖縄のお仏壇は、亡くなった家族やご先祖様を祀るだけではなく、「始祖」からの先人を祀る意味合いもあり、沖縄のお仏壇(ご先祖様)は神格化している向きもあります。

 

【 沖縄のお仏壇、日々の拝み 】

 

★ そのため、同じく多くの沖縄の家でお祀りしている台所の神様、「火の神(ヒヌカン)」と共に、家の女性は、毎月1日と15日の拝みを捧げるのが習慣です。

 

・ この日にはウチャトゥ(お茶)と「白ウブク」と呼ばれる白い仏飯を一対(2膳)、お酒をお供えし、ヒラウコーをタヒラ(2枚)拝して、家族の健康と家庭円満を祈ります。

 

また、沖縄ではお仏壇と火の神(ヒヌカン)は、年中行事の主役とも言える存在で、あらゆる行事でお供え物をして拝むのが習わしです。

 

 

沖縄のお仏壇とお墓の関係


本州ではお墓は「行きたい時に行って良い。」とされていますが、実は沖縄では、盛大なお墓参り行事がある一方、「むやみに行ってはいけない。」存在です。

 

【 沖縄のお仏壇とお墓 】

 

★ それには沖縄のお仏壇とお墓の関係が由来しています。

 

・ 実は沖縄では、お仏壇とお墓は繋がっている…、とされているのです。そのため故人を偲びたい時には、沖縄ではお仏壇に手を合わせます。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄のお仏壇(トートーメー)を迎え入れる際に、理解しておきたい事柄を5つ、お伝えしました。本州でもお仏壇は故人を偲ぶ大切なものですが、沖縄ではお仏壇がより神格化し、さまざまなしきたりがあります。

 

沖縄には「門中(もんちゅう・むんちゅう)」と呼ばれる、父系血族の文化があり、この沖縄のお仏壇も、父系の血族で代々継承されるべきものです。

 

本州ではお仏壇やお墓を継承する際、例えば婿養子や娘でも継承することがありますが、沖縄ではタブーのひとつとされ、本来は「父方の血を引いた男子」でなければなりません。

 

沖縄でもお仏壇やお墓の継承問題が出始めて、少しずつ緩くはなってきていますが、このような多くの決まりごとのなかで脈々と引き継がれ、日々の拝みが捧げられてきました。

 

そんな沖縄のお仏壇ですから、ぜひ厳粛な気持ちで迎え入れてください。

 

 

まとめ

沖縄のお仏壇の風習とは

・お仏壇は家の中央に配置していた
・多くの戒名が並ぶウチナーイフェーがある
・沖縄のお仏壇は三段で配置する
・毎月1日と15日に拝みを捧げる
・お仏壇とお墓は繋がっている
・父の血筋の男子が継承する

 



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