【沖縄の葬儀のしきたり】参列者が理解したい5つの違い
沖縄の葬儀では、独特のしきたりに戸惑う方々も多いですよね。そもそも沖縄では独自の「御願」文化が浸透していて、お坊さんの読経供養も、沖縄では葬儀でのみ行われることが少なくありません。
また、沖縄の新聞には毎日その日に執り行われる葬儀と、その日時を知らせる訃報欄があり、有名ではない一般人でも、ここに掲載するのが一般的です。
そのため知人友人から故人の訃報を聞くと、翌日の新聞で葬儀の日時を調べて弔問に訪れる方も多く、本州の方のなかには誘われて一緒に参列するものの「私が行って良いものなのか…。」と戸惑うこともあります。
そんな沖縄の葬儀、参列する時にはその風習や作法、マナーもきちんと知って、失礼のないようにしたいですよね。そこで今回は、沖縄の葬儀に初めて参列する本州の方が理解したい、5つの習慣をお伝えします。
【沖縄の葬儀のしきたり】
参列者が理解したい5つの違い
お通夜に読経供養はなし
最も本州との違いを感じるのはお通夜の在り方かもしれません。沖縄では弔問客にとって、お通夜はあまり大切なものではないのです。
【 沖縄の葬儀のしきたり、お通夜は挨拶程度 】
★ 沖縄ではお通夜で読経供養をお願いする家は少なく、一晩中お線香の火を消さないよう、ウコール(香炉)の番をしながら、時々来る弔問客の対応をする程度です。
・ そのため、弔問客は来ても挨拶程度ですぐに帰ります。喪服などは着ないで普段着で訪ねて、翌日の葬儀の日時を聞きに来るような感覚で問題ありません。
実は本州でも昔ながらの風習が残る地域では、お通夜は「平服」での参列がマナーです。
「平服」とは地味な色目のおでかけ着ほどの正装なので、それを考えると、喪服で訪ねては返って浮いてしまいますし、失礼にあたるかもしれません。
沖縄の葬儀には、動きやすい服装が良い
実は沖縄では葬儀の後、そのまま納骨式を行うことが多いです。
【 沖縄の葬儀のしきたり、動きやすい服装で 】
★ 納骨式ではヒジャイガミ様へのうーとーとー(拝み)など、御願の儀式もありますので、動きやすい服装で参列することをおすすめします。
・ さらに近しい関係性であれば、女性なら沖縄では葬儀のお手伝いを申し出ると、関係性も良好かもしれません。
本州でもひと昔前までは「隣組」と呼ばれるような、隣り近所で葬儀や会食を手伝う方々がいました。
お手伝いを申し出る前提であれば、黒いサブバックを準備して、黒いエプロンや室内履きも用意しておくと、便利です。
沖縄の香典、現代の事情
もともと沖縄では葬儀の香典は、(お札が重なるため)「不幸が重なる」として、多くのお金を包むことを良しとしない考え方がありました。
【 沖縄の葬儀のしきたり、現代事情 】
★ そのため知人友人であれば、千円~三千円程度を包めば良し、とされていて、地域によっては香典の金額を一律で決めていることもあります。
・ ただ、近年では本州の香典相場を用いる方も増え、知人友人で五千円が相場のエリアもあるので、五千円を包めば安心です。
本州では知人友人なら五千円~一万円をお通夜に持参、翌日の葬儀では名前だけ書いてお香典を渡さない方法が一般的ですが、沖縄の葬儀ではお通夜はあまり重要視されないため、葬儀でお香典を渡します。
参列しない方が良い状況の方もいる
現代の沖縄の葬儀では、あまり気にしない地域や家も増えてきましたが、昔ながらの沖縄の葬儀では「参列できない人々」がいました。
【 沖縄の葬儀のしきたり、参列できない人々 】
・ 妊娠中の人(その家族)
・ 建築中(家やお墓)の人
・ 故人と干支を同じくしている人
…これらの方々は、「死」と言う穢れを受けないために、参列しない方が良い、とされているのです。
そのような状況の方々は、沖縄では葬儀に参列する人にお香典を預けたりする光景も見受けられます。
供花をした時のお香典は確認する
沖縄の葬儀に限ったことではないかもしれませんが、供花をした時、お香典を持参するかどうか…、迷う方も多いのではないでしょうか。
【 沖縄の葬儀のしきたり、供花の時のお香典の有無 】
★ 意外にも供花はお金が掛かり、時には一万円を超えるものもあるため、基本的には供花を贈ったらお香典はいらない、と言うのが一般的な見解です。
・ ただ、沖縄でも地域によってさまざまな習わしがあり、供花を出した上でも、千円~三千円程度のお香典を持参するエリアもあるようなので、一度確認してみてください。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の葬儀に初めて参列する方々が理解しておきたい、本州とは違う習わしについていくつかお伝えしました。
沖縄の葬儀に参列する…、特にお通夜や納骨式まで参列するとなれば、それなりの関係性であるはずです。その場合には、本文にあるように動きやすい服装で参列し、積極的にお手伝いをすることをおすすめします。
そして知らない事柄や戸惑う場合には、素直に聞いてみると、いろいろと答えてくれる沖縄の方々は多く、より深く沖縄の葬儀や法事について知っていくことができるはずです。
沖縄では葬儀後にも七日毎のナンカスーコーなど、多くのスーコー(法要のこと)が行われます。少しずつ沖縄のスーコー文化を理解していけば、問題ありません。
まとめ
沖縄の本州とは違う、葬儀の習慣
・お通夜は訪ねても挨拶程度で良い
・お通夜では普段着で訪ねて問題ない
・お香典は知人友人なら千円~五千円
・お香典はお通夜でなく、葬儀で渡す
・妊婦や新築中、故人と同じ人は参列しない
・基本的には供花を贈ったらお香典はいらない