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【沖縄の御願】旧暦12月24日(令和2年1月18日)ヒヌカンの掃除と御願解ち

【沖縄の御願】旧暦12月24日ヒヌカンの掃除と御願解ち
沖縄の御願と言えば、全国的にはお仏壇(トートーメー)に代表する、先祖崇拝のイメージがありますよね。確かに沖縄では先祖崇拝の信仰がありますが、同時に神々への信仰があるのです。

 

特に家を守る女性にとって、沖縄では台所の御願は欠かすことができません。台所の片隅には「ヒヌカン(火の神)」と呼ばれる、かまどの神様の祭壇が祀られています。

 

そのヒヌカンは、毎年旧暦の12月24日には一度天へ戻るため、この日はヒヌカンをお見送りする沖縄の御願行事が行われ、その前に行われるのが一年の拝みを解く「ウグァンブトゥチ(御願解ち)」です。

 

同時にヒヌカンの掃除も行いますが、その掃除の際にもちょっとしたしきたりがあります。そこで今回は、旧暦12月24日のヒヌカンのお見送りの前に行う拝み、「ウグァンブトゥチ(御願解ち)」についてお伝えします。

 



 

【沖縄の御願】
旧暦12月24日ヒヌカンの掃除と御願解ち

 

ウグァンブトゥチ(御願解ち)とは


冒頭でお伝えしたように、沖縄では台所に屋敷の神様である「ヒヌカン」を祀り、女性は毎月の1日15日にヒヌカンに向かって拝みを行います。

 

家を守る女性が日頃から家内安全や健康祈願の他、日々の悩み事を話す神様でもあり、屋敷に住む神々へ連絡する役割もある神様です。

 

【 沖縄の御願、ウグァンブトゥチ(御願解ち) 】

 

★ そんなヒヌカンですが、毎年、旧暦の12月24日~旧暦1月4日は天に帰り、天にいるウティンヌカミ(天界=ウティンにいる神様)へ、その家の一年の事柄を報告します。

 

・ そのため旧暦12月24日には天へ帰るヒヌカンをお見送りしますが、その前に行われるのが、その一年の拝みを解く「ウグァンブトゥチ(御願解ち)」です。

 

ウグァンブトゥチの拝みでは、その前にヒヌカンの掃除を行うことになります。日頃の拝みでたまったウコール(香炉)の灰の量を整えたり(捨てたり)、ウコールなどの御願具を清めたりします。

 

 

ヒヌカンの掃除前の拝み


実は、沖縄の御願ではヒヌカンの掃除はあまりむやみに行わない、とする家も多いです。

 

ヒヌカンの掃除は基本的に、毎月旧暦の二月・八月に行われる「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」と、この旧暦12月24日のみとされ、男性がヒヌカンに触れると穢れるとされています。

 

そのため日頃汚れたりしてヒヌカンの掃除をしたい時には、まずヒヌカンに拝みを行い、理由をお伝えして掃除をするのが習わしです。

 

【 沖縄の御願、ヒヌカンの掃除 】

 

★ ウグァンブトゥチの前の掃除でも、ヒヌカンへひと言拝み、掃除を始めます。まずはヒヌカンへヒラウコーをタヒラと半分(お線香12本と3本)をウコールに拝してください。

 

・ 「本日は12月24日の良き日となりましたので、これからお掃除をいたします。きれいにしますので、どうぞ滞りなく掃除ができますよう、お見守りください。」と、断りをいれます。

 

 

ヒヌカンの掃除の準備


ヒヌカンへ報告を終えたら、掃除する前に①お酒②新聞紙③キッチンペーパー④網など、を準備してください。そして、まずはウコールの灰を新聞紙に取り出します。

 

【 沖縄の御願、ヒヌカンの掃除 】

 

① ウコールやお供え物を入れる器類は、お酒で洗うことで清められます。そのため、キッチンペーパーにお酒を浸けて、神具を拭いて洗う方法がおすすめです。

 

② 新聞紙に取り分けた灰は、網(網じゃくしなどのキッチン具でOK)でこして、純度を高くします。

 

③ ウコールが乾いたら、こした灰を入れなおして掃除がおります。ただしウコールの灰は八分目とし、多すぎても少なすぎてもいけません。

 

 

ヒヌカンの灰を捨てる時


前項でヒヌカンの灰は「多すぎても少なすぎてもいけない。」とお伝えしましたが、多すぎた場合には捨てることになりますよね。けれども、ただ単にゴミ箱に捨てる訳ではありません。

 

【 沖縄の御願、ヒヌカンの灰を捨てる 】

 

① ウコールの灰が多すぎる時には、まず「底から」多い分の灰を別のお皿に取り分けてください。

 

② 残す方の灰は、前項と同じように新聞紙に取り分け、網でこしてウコールに戻します。

 

③ 捨てる方の灰には、ヒラウコーを半分(3本)、火を付けて立てた後、「ただいま多くなりましたので灰を分けています。どうぞ本体にお戻りください。」と伝えてください。

 

④ 次にヒラウコーを抜き出すのですが、この時に「左回り・3回」で抜き出します。

 

⑤ 続いて新しくなったウコールに、ヒラウコーを立てます。今度は先ほどの反対となる「右回り・3回」をしながら立てるのが風習です。

 

古い灰の方は、米と塩を入れて混ぜた後、お酒を掛けて清め、庭などに撒く家が多いです。人が踏み入れることのない場所を選んで、撒くことをおすすめします。

 

 

ウグァンブトゥチ(御願解ち)のグイス


沖縄の御願では家を守る女性が唱える「グイス」で拝みを行いますが、もちろん、ウグァンブトゥチでもそのグイスはあります。

 

正確なグイスもありますが、一般家庭ではその意味合いを大切にして、家々によって細やかな言い回しなどは変わることが多いです。

 

【 沖縄の御願、ウグァンブトゥチのグイス 】

 

★ 「年初めのお願い事は、神々みなさまのお陰で、無事に叶えられ、本日の良き日を迎えることができました、ありがとうございました。

 

本日のこの日、一年のヒヌカンガナシーを通した願いの数々を請い下げることといたしますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。」

 

これでウグァンブトゥチの拝みとなりますが、その後も「来年一年間も、この家の災いを払いのけ、ヤナカジ・タナカジをも押しのけて、笑い多き幸せな年となりますように。」と唱えます。

 

最後に沖縄の御願の締め言葉「ミーマンティ ウタビニソーリー ウートートゥ」で終わります。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の年末の御願行事、旧暦12月24日に行われる、ヒヌカンの掃除とウグァンブトゥチについてお伝えしました。

 

このウグァンブトゥチではお供え物を準備しますが、これは基本の沖縄の御願のお供えである、お酒と花米(炊く前の米)・洗い米(炊く前のお米を洗ったもの)の他、ウチャヌク(白餅三段重ね)三飾り、赤ウブク(赤飯など)三盛り、シルカビを準備します。

 

そしてそのお供え物のまま、続いて天へ昇るヒヌカンをお見送りする、昇天の拝みへと移りますが、地域や家によっては日が暮れる頃の夕方まで、昇天の拝みは待つことも多いです。

 

ウグァンブトゥチの前には屋敷拝みもありますが、詳しくは「【沖縄の御願】旧暦2月8月12月に行う、屋敷の拝み方1」も参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

旧暦の年末に行うヒヌカンの掃除

・一年の御願を解くのがウグァンブトゥチ
・ヒヌカンの掃除の前には報告の拝みをする
・ヒヌカンの神具はお酒で拭いて清める
・ヒヌカンの灰を捨てる拝みを行う
・多すぎた灰は米と酒を混ぜ、庭に撒く
・ウグァンブトゥチのグイスを唱える

 



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