【2026年版】沖縄の新十六日(ミージュールクニチー)の過ごし方|お墓参りからお仏壇の供養まで

新十六日(ミージュールクニチー)は、身内が亡くなって初めて迎える「後生(あの世)の正月」です。
●毎年旧暦1月16日となり、2026年は3月4日(水)にあたります。
沖縄離島地域など、一部地域では恒例のお墓参り行事ですが、
沖縄本島の多くの地域では、喪中の家族が、お祝い事である「清明祭(シーミー)」を行わない代わりに、新仏(ミーサー)が極楽浄土へ行けるよう家族が追善供養を捧げます。
本記事では、喪中に行う新十六日(ミージュールクニチー)の進め方、お墓参りの仕方や、仏壇へのお供え物や拝み方まで、イラストを入れながら分かりやすく解説します。
目次
2026年のミージュールクニチー(新十六日)は3月4日

「あの世の正月」に届ける追善供養
◇沖縄には「後生(グソー)の正月」として、旧暦1月16日にお墓参りをする「十六日祭(ジュールクニチー)」の習わしがあります。
なかでも、身内が亡くなってから初めて迎えるもの、あるいは三回忌を終える前(一般的には亡くなってから2年まで)に行うものを「ミージュールクニチー(新十六日)」と呼びます。
故人は喪中の間、四十九日を過ぎて成仏した後、冥土の旅を続けた後にイヌイ(一年忌=一周忌)法要により供養されると伝えられています。
そこで、残された家族や親族が集まり、故人の代わりに徳を積むための「追善供養」を行い、無事に極楽浄土へ行けるよう応援するのがこの行事の真の目的です。
2026年3月4日の「ミージュールクニチー」当日の流れ

必要な準備物チェックリスト
ミージュールクニチーは、お墓参りとご霊前(仏壇)での法要、両方の準備が必要です。当日慌てないよう、以下のリストで事前に確認してください。
●日ごろからのお供え物です。
・供え花
・ウサク(お酒)
・ミジトゥ(お水)
・ウチャトゥ(お茶)
【仏壇へミージュールクニチー(新十六日)のお供え物】
●重箱料理…計4段の「チュクン(両方)」
・おかず重…2段
・餅重…2段
●ムイグワーシ(盛り菓子)…左右一対(2皿)
…法事用の菓子7種を盛りつけたもの
●ナイムン(果物盆)…左右一対(2盆)
・バナナ(父性)
・りんご(母性)
・みかん(子孫繁栄)
…などの盛り合わせ
【道具】
●ウチカビ…あの世のお金
・家族や親族の人数分より多めに用意
●シルカビ(お墓参り用)…神様への税金
・半紙を3枚重ねて切り分けたもの。
●回し灯篭(ミグイトゥールー)
…仏壇の両脇に飾る一対の灯篭。
●カビバーチ(火鉢)
…ウチカビを焚くためのボウルや専用の火鉢。
カビバーチ(火鉢)は、一般的なアルミボウルに水を入れて準備しても良いですが、沖縄ではホームセンターなどに行くと、「カビバーチセット」として、火箸や底に入れる網とともに販売されていて便利です。
重箱料理のウサンミ(御三味)を準備する
◇豚三枚肉の煮つけ「ラフティー」やごぼうの煮物などを準備します。
・豚三枚肉の煮つけ「ラフティー」
・揚げ豆腐
・カマボコ(白かまぼこ)
・白見魚などの天ぷら
・昆布(返し昆布)
・ごぼうの煮物
・こんにゃくの煮物
…などの品が多いです。
また、沖縄ではそれぞれ「奇数」の数で詰めるのが鉄則です。
賽の目のように詰めるため、仕出し料理店などでは9品が多いでしょう。
新仏(ミーサー)のための弔事ですので、中身の選び方にも配慮が必要です。
(詳細は後ほど解説します)
ウサンミは全て手作りすると大変な労力になります。
最近では、仕出し料理店やスーパーで「新十六日用」のお重を予約販売しているところも多く、これらを賢く利用する家庭が増えています。
2026年は平日の火曜日ですので、仕事や準備で忙しい施主の方は、早めに予約を済ませておくと当日の負担が軽減されます。
ウチカビ・回し灯篭(ミグイトゥールー)など基本の道具
◇ご霊前を明るく照らす「回し灯篭」は、新十六日の法要に欠かせない道具です。
また、当日は親族など多くの焼香客が訪れる可能性があるため、ウチカビはあらかじめ袋から出して、手に取りやすいよう準備しておきましょう。
焚くためのカビバーチ(火鉢)の中には、香りの強いネギの輪切りやサンニンの葉を入れるなど、お祓いの風習もあります。
ミージュールクニチー(新十六日)|お仏壇へのお供え

【図解】御三味(重箱)やお供え物の正しい並べ方
お仏壇の前には、ムチスク(仏壇がある家)が以下の順序でお供え物を整えます。
上記イラストと照らし合わせながら、確認すると分かりやすいです。
①重箱料理
・おかず重…2段
・お餅重…2段
…を、交互に並べて供えます。
②ムイグァーシ(盛り菓子)…1盆
③ナイムン(果物盆)…1盆
また、日ごろからのお供え物として、常に供えられている・供え花・ウサク(お酒)・ミジトゥ(お水)・ウチャトゥ(お茶)も、同じように当日朝に整えましょう。
お水やお酒、お茶などは継ぎ足すのではなく、全てを捨ててから注ぎなおして、そなえます。
ミージュールクニチー(新十六日)は弔事として執り行うため、重箱の中身には細心の注意を払います。
お餅は「白もち」を使い、カマボコなども赤色が入らない「白」を選びます。
また、子孫繁栄などお祝いの意味合いを持つターンム(田芋)などは避けるのが沖縄の習わしです。
・沖縄の重箱料理「ウサンミ」とは?慶事・弔事・年忌法要の違いと整え方の基本
親族から届く「お供え物」へのウチカビの添え方
当日は親族や知人が、菓子折りなどの手土産としてお供え物を、持って訪れることもあるでしょう。
この際、お供え物の箱の上に「ウチカビ(あの世のお金)」を3枚添えるのが、ミージュールクニチーにおける大切な作法です。
遠方に住んでいたり、都合がつかず当日焼香できない場合は、お供え物を送ると丁寧です。表書きは「供物」として1,000円~3,000円程度の品を選びます。
後に残らない「消え物」が良いとされており、個包装のお菓子や缶詰、海苔、出汁など、ご家族が実用的に使えるものが喜ばれます。
・沖縄の旧盆・中日(ナカビ)のお中元マナー|2025年おすすめ手土産とタブーも解説
【ミージュールクニチー(新十六日)当日の朝】お墓参りの手順

親族が仏壇のある家「ムチスク=宗家」に集まる前の午前中に、ムチスクの家族でお墓へ向かい、お墓掃除と故人への「案内(お迎え)」を行います。
この一連の作業がミーサー(新仏)を家にお招きするためです。
①ヒジャイガミ様へのお供え
◇ヒジャイガミ(左神)様は、墓地を守護する神様です。
…まずはお墓を守る土地神様「ヒジャイガミ様」へお供えをします。ヒジャイガミ様はお墓の敷地内、向かって右側の隅に祀られていることが多いです。
●お供え
・酒
・シルカビ(3枚重ねの白い紙)…1組
●ヒラウコー(お線香)
・沖縄線香「ヒラウコー」の場合…タヒラ(2枚)
・日本線香の場合…12本
沖縄線香ヒラウコーは、日本線香6本文をくっ付けて板状にした沖縄特有のお線香です。煙が出やすく灰も多いので、小さなちり取りなどを用意しても便利でしょう。
近年では、煙も少なく供えやすい日本線香でお墓参りを行う家も増えてきました。
近年は火の元の用心から、お線香に火を灯さずに供える「ヒジュルウコー(冷たい線香)」も増えてきました。
この場合、お線香の下にシルカビを敷いて供える風習があります。
・【沖縄の御願】拝みに欠かせない「シルカビ」と「ウチカビ」
②ヒジャイガミ様への拝み
お供えをして線香を立てたら、仏壇のある家「ムチスク(宗家)」の家長が代表して以下の通り拝みます。
残る家族は家長の後方から、手を合わせて黙祷をしましょう。
これからお墓の掃除、そしてお参りをいたします。
何事もなく無事に、りっぱに済ませることができるよう、
お見守りください」
お線香に火を灯した場合、用意したカビバーチ(火鉢)にお線香・シルカビを入れた後、供えたお酒を掛けて火を消します。
③お墓の掃除
ヒジャイガミ様への挨拶が済んだら、家族全員でお墓の敷地内の草むしりや掃除を行います。
…墓石に付着したコケや汚れを水で洗い流します。
この時、タワシやブラシで強く擦りすぎると墓石を傷つけるため、柔らかいスポンジや布を使用するのが作法です。
●敷地内の整備
…草むしりのほか、落ち葉を掃き集めるなど、お墓の周囲を整えます。
お墓の敷地を勝手に広げたり、墓石を動かしたりするような行為はタブーです。あくまでキレイにすることに留めます。
・沖縄のお墓掃除の作法とコツ|拝み方・道具・NG行為まで完全ガイド
④墓前へのお供え
◇ご案内のお墓参りでは、簡単なお供え物です。
掃除が終わったら、お墓の前(墓石の前や門扉など)に、ミーサー(故人)のためのお供え物を置きます。
●お供え
・供え花
・ウチャトゥ(お茶)
・ミジトゥ(水)
・酒
・ウチカビ
●ヒラウコー(お線香)
・沖縄線香「ヒラウコー」の場合…タヒラ(2枚)
・日本線香の場合…12本
離島地域で行われるジュールクニチー(十六日祭)は、沖縄本島のシーミー(清明祭)に代わる年中行事として行われるため、重箱料理を墓前に並べて、盛大にお墓参りをする家もあります。
けれども喪中に行うミージュールクニチー(新十六日)は、仏前で行う傾向があるため、旧盆と同じく「故人へのご案内」として、簡単なお供え物でお参りをする家が多いです。
・ジュールクニチ(十六日)のお墓参り☆供え方や拝み方
・清明祭は、沖縄のお墓参り。迷った時に参考にしたい豆知識
⑤墓前への拝みとご案内
◇墓前では、故人へご案内の拝み言葉(グイス)をかけます。
…この際、今日の日がミージュールクニチー(新十六日祭)の日であること、法要の準備ができていることを伝えてください。
家ではご馳走とともに法事の用意もしております。
どうぞお受け取りくださいますよう、お願い申し上げます」
また、拝みの際には干支と性別を入れて「誰が」を明確に伝える風習もありました。
沖縄の喪中期間は地域や家庭の考え方によって異なり、1年間とする場合もあれば、3年間とする場合もあります。
一般的には三回忌(亡くなって満2年)まではお墓参りをして故人を自宅へ案内し、それ以降は正月や清明祭の挨拶のみとする家が多いです。
・「忌中」と「喪中」の違い。故人との関係で違う服す期間
【日中】ご霊前(仏壇)での法要と作法

お墓から故人を案内して帰宅したら、親族一同が集まってウグァン(御願)を行います。ムチスク(宗家)の家長が親族の中心となり進めてください。
①仏壇前での拝み言葉(グイス)
◇自宅ではまず、お線香を供えた後、家長を中心としたウグァン(御願)です。
…家長は沖縄線香「ヒラウコー」をタヒラ(2枚)を供えます。日本線香であれば12本、もしくは簡易版として4本を供えます。
続く家族はそれぞれ、沖縄線香「ヒラウコー」なら半ヒラ(半分)、日本線香なら3本を供えた後、家長の後方で手を合わせて黙祷してください。
「ウートゥートゥー、ウヤフジガナシー
(あな尊き、ご先祖様)
本日は新十六日、この世に帰られたご先祖様、
そして新仏の〇〇(故人の名前)様にお願い申し上げます。
家ではご馳走を整え、お迎えいたしました。
どうぞお受け取りいだだき、お召し上がりくださいますように。
ご馳走を食べ終えましたら、元の居場所へお戻りいただき、
これからも家内安全、子孫繁栄を見守ってください。」
ただし、地域や家庭によって拝み言葉も変わるでしょう。この言葉はあくまでも一例です。家長が唱え終わったら、全員で深く一礼をし、故人への思いを馳せます。
②仏壇に「お初」を供える「ウハチケースン」
◇ご馳走を故人に「一番最初に召し上がっていただく」ための作法です。
…料理を供えたら、すぐに私たちが食べるのではなく、故人様に「一番最初に召し上がっていただく」ための作法が「ウハチケースン(御初返し)」です。
●重箱のおかず(ターンム、カマボコ、天ぷらなど)を、取り出したら、ひっくり返して、重箱の上に置くだけです。
…重箱料理から、おかずを数品取り出し、別皿に取り分けて供える家もあります。
これで、ご馳走の最初のおかずをご先祖様へ供えたことになるのです。続いて家族は食事を仏前でいただくことができます。
③あの世のお金「ウチカビ」を焚く
◇最後に、あの世でのお金となるウチカビを焚いて故人に届けます。
…すべての法要が終わる締めくくりとして、あの世のお金「ウチカビ(打ち紙)」を焚いて故人に届けます。
①カビバーチ(専用の火鉢や金属製のボウル)を用意します。
②ウチカビをカビバーチのなかで焚きます。
・家長…5枚
・その他の親族…3枚
③ウサク(お酒)を数滴かける。
※これは、あの世への旅費やお土産の意味があります
ウチカビは沖縄のスーパーなどで販売しています。あの世での生活が豊かになるよう、願いを込めて焚き上げましょう。
カビバーチ(火鉢)の中には、あらかじめ水を張っておきます。手作りの底には金網を入れておくと良いでしょう。
そこに、香の強いもの例えば、ネギの輪切りなどを数切れ入れておくと良いでしょう。サンニンや芭蕉の葉など、地域によってもさまざまです。
これらの香りの強いものは、ウチカビを燃やす煙と共に悪霊を追い払う効果があるとされています。
④お供え物を下げていただく「ウサンデー」
◇お供え物を下げて、家族がいただくことを「ウサンデー」と言います。
…目安としては線香が燃え尽きた頃で良いでしょう。
子どもがいる家庭では、子どもがウサンデーの役割りを担うことが多いです。「ウサンデーしてきて!」なんて、子どもの頃に言われた人も多いのではないでしょうか。
●「ウサンデーさせていただきます」と手を合わせて伝えます。
…お供え物を下げたら、親族全員で分け合って食事をするだけです。
お供え物をお下がりとしていただくことで、故人様やご先祖様のパワー(カサチ)を体に取り込み、家族の健康と繁栄を祈ります。
皆で分け合うことで、ご先祖様との一体感を感じる食事となります。
まとめ|2026年3月4日のミージュールクニチー(新十六日)を無事に終えよう

ミージュールクニチーは、沖縄本島で喪中の家が、シーミー(清明祭)の代わりにお墓参りを行う行事です。ミーサー(新霊)である故人の供養でもあり、また、家族の絆を確認する時間でもあります。
ミージュールクニチー(新十六日)に親族が集まる場合には、仏壇があるムチスク(宗家)も、料理やおもてなしの準備に慌ただしくなるでしょう。
事前に親族に相談し、一緒に重箱料理やオードブルの手配など、手分けをして準備を進めると、一人に負担が偏りにくくおすすめです。

公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会 終活支援部長
●経歴
19XX年、沖縄県名護市出身。
米国・南ユタ大学コミュニケーション学部卒業。
県内大手建設会社勤務を経て、2007年に公益財団法人 沖縄県メモリアル整備協会に入社。長年、お墓の企画提案や販売業務の第一線に従事し、中城メモリアルパーク所長を歴任。現在は終活支援部長として、沖縄の供養文化と現代のニーズを繋ぐ活動に注力している。
●資格・活動
・終活カウンセラー1級(沖縄県初取得者)
・一般社団法人 全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部 幹事
●実績
県内各自治体、社会福祉協議会、医療法人、老人ホーム等での出張セミナーや講演を累計500回以上実施。沖縄タイムス等のメディア寄稿を通じ、相続や空き家問題、墓じまいに関する啓発活動を行っている。
- カテゴリー:
- 沖縄の御願行事について
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