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沖縄のスーコー(焼香)。本州出身者が分かる5つの解説

沖縄のスーコー(焼香)。本州出身者が分かる5つの解説
沖縄は「スーコー(焼香)」と呼ばれる、故人が亡くなってからの大切な追善供養ですが、本州の方々だと「スーコーって何?」と、そもそもその呼び方も知らない方が多いですよね。

 

沖縄はもともと琉球王朝の時代が長く、今でも独自の御願文化が人々の暮らしに馴染んでいるため、全国的な追善供養の習わしとは違う部分も多いです。

 

けれども大切な故人への弔いですので、きちんと理解して行いたいですよね。そこで今日は、本州出身者が理解できるよう、沖縄のスーコー(焼香)の基本をお伝えします。

 



 

沖縄のスーコー(焼香)。
本州出身者が分かる5つの解説

 

沖縄では「スーコー」


冒頭でお伝えしたように「沖縄のスーコーって何?」と、そもそもその呼び名の意味合い自体が分からない…、と言う方も多いですよね。沖縄では法要を「スーコー」と言うのですが、その他にも多くの違う呼び名があります。

 

【 沖縄の「スーコー」とは 】

 

★ 全国的に「法要」「追善供養」と呼ばれる法事を、沖縄では「スーコー」と言います。漢字で書くと「焼香」です。

 

・ 例えば「ナンカスーコー」は「七日焼香」と書き、故人が亡くなってから四十九日まで、七日毎に行う法要を差しています。

 

※「ナンカスーコー(七日焼香)」は、本州の人々に初七日と間違われやすいのですが、初七日は「初=八」「七日=ナンカ」で「ハチナンカ」です。「ハチナンカ」も含めた週忌法要が「ナンカスーコー」となります。

 

 

沖縄の「ワカスーコー」と「ウフスーコー」


本州では故人が亡くなってから一年後の法要を「一周忌」、その後の追善供養を「三周忌」「七回忌」…などと言いますよね。けれども沖縄では違い、「回忌(周忌)」が「年忌(ニンチ)」になっています。

 

例えば、沖縄では一周忌を「一年忌」と書いて「イヌイ」、三周忌が「三年忌」で「サンニンチ」、七回忌は「七年忌」で「シチニンチ」です。

 

【 沖縄のスーコーの呼び方 】

 

★ この追善供養を「年忌焼香」と書いて「ニンチスーコー」と呼び、さらに沖縄では「ワカスーコー」「ウフスーコー」に分かれます。

 

① 沖縄のワカスーコー(若焼香)

 

・ 一年忌(イヌイ)
・ 三年忌(サンニンチ)…満二年(数え三年)
・ 七年忌(シチニンチ)…満六年(数え七年)
・ 十三年忌(ジュウサンニンチ)…満十二年(数え十三年)

 

② 沖縄のウフスーコー(大焼香)

 

・ 二十五年忌(ニジュウグニンチ)…満二十四年(数え二十五年)
・ 三十三年忌(サンジュウサンニンチ)…満三十二年(数え三十三年)

 

 

沖縄のワカスーコーとウフスーコーの違い


また、沖縄ではワカスーコーとウフスーコーでは、供養をする意味合いが変わるので、こちらも注意をしてください。

 

【 沖縄のワカスーコーとウフスーコーの違い 】

 

★ 沖縄では三十三年目に神様になると考えられ、年数がたった二十五年忌のウフスーコーからは、「お祝い」の意味合いが込められます。具体的には…、

 

① ワカスーコーでは…

 

・ 追善供養の意味合いが強いため、お餅やかまぼこ、お菓子などは全て白いお供え物です。昆布は弔いを意味する返し昆布、豚肉の皮は上に揃えます。

 

② ウフスーコーでは…

 

・ お祝いの意味合いが強い沖縄のウフスーコーでは、お餅も餡入りの色付き餅が白餅とともに並びます。お菓子も桃色のムムグァーシや紅白の落雁(らくがん)などが並びます。

 

沖縄ではウフスーコーでは、重箱のおかずも白かまぼこではなく赤かまぼこ、昆布の煮つけも、もお祝いを意味する結び昆布を詰めてください。豚の三枚肉の煮つけでは、皮は下向きに詰めるのが一般的です。

 

 

毎週行う、沖縄のナンカスーコー


沖縄ではナンカスーコー(七日焼香)が本州以上に大切にされています。前項でも少し触れていますが、初七日から四十九日まで、七日毎に行われる周忌法要です。

 

【 沖縄のナンカスーコー 】

 

★ 沖縄では奇数週を「ウフナンカ」、偶数週を「マドゥナンカ」と呼び、マドゥナンカは身内のみの小さなものなのですが、ウフナンカでは焼香客も訪れます。

 

・ さらに沖縄ではナンカスーコーの早朝にはお墓参りをして、故人に案内を掛けることも独特です。

 

そのため焼香客は葬儀だけではなく、数回訪れる人も多くいます。沖縄ではナンカスーコーでも香典を出す人が多いので、一度のお香典で千円など、一回分のお香典の相場が少ない点も、本州の慣習とは違います。

 

 

読経供養…とは限らない


現在では無宗教とも言われますが、本州ではその昔は檀家制度が広がっていたため、今でも供養は仏教の教えに基づいています。そのため、追善供養ではお坊さんを読んで読経供養を行いますよね。

 

【 沖縄のスーコー 】

 

★ けれども沖縄のスーコーでは、必ずしも読経供養が行われるとは限りません。

 

・ 今では初七日や四十九日では読経供養を依頼する事例が八割と増えましたが、もともとは御願儀礼やユタさんなど、独自の御願文化に基づいた供養を行っていました。

 

今でも地方に行けば、御願儀礼を行う沖縄のスーコーが多いですし、前述した沖縄のナンカスーコーでは、多くが自分達で御願をして済ませます。(毎週読経供養をお願いするのは、費用的にも大変です。)

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今日は本州の人々には分かりにくい、沖縄のスーコーについて、入門編としての基礎知識をお伝えしました。呼び名が分からないだけでも、チンプンカンプンになりがちですよね。

 

独自の御願文化が基本の沖縄でも、スーコーに関しては、仏教の教えとチャンプルーになっています。現代では葬儀社が入ることにより、より全国的な供養形式が浸透してきました。

 

それでも、今でも昔ながらの慣習は沖縄の人々に馴染み深く残っていますので、さまざまな本州との違いを理解しておくと安心できます。打ち合わせややり取りでも、スムーズになるはずです。

 

 

まとめ

沖縄のスーコー(焼香)の基礎知識

・「法要」を「スーコー(焼香)」と言う
・「回忌(周忌)」を「ニンチ(年忌)」と言う
・年忌焼香はワカスーコーとウフスーコーがある
・ワカスーコーは弔いの意味合いが強い
・ウフスーコーはお祝いの意味合いが強い
・七日毎の供養、「ナンカスーコー」がある
・御願儀礼で供養し、読経供養を行わないこともある



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