牛オーラセーは沖縄の闘牛大会☆現代に残る伝統娯楽
「牛オーラセー」は「闘牛」です。沖縄では昔から続き、現代まで馴染みが深く、奥も深い娯楽のひとつですよね。
戦前は沖縄のひとびとの娯楽の主流と言っても良い存在で、現代でもうるま市(石川多目的ホール)を中心にして、牛オーラセーファンが集まり、盛り上がっています。
昔の面影をそのまま残す牛オーラセー、その昔には旧暦四月の農作業の一区切り時期、アブシバレー(畦払い)やクシユクイ(腰憩い)儀礼の宴でも、余興として催された地域も多いです。
そこで今日は、沖縄の昔ながらの娯楽、「牛オーラセー」について、楽しみ方や歴史など、ちょっとした豆知識をお伝えします。
牛オーラセーは沖縄の闘牛大会☆
現代に残る伝統娯楽
現代ではうるま市が盛ん
戦前は沖縄の娯楽の中心として習慣化され、沖縄各地で催されてきましたが、先の戦争の状況の悪化と共に牛オーラセーも非難の対象に合いました。
その中で糸満市や勝連町などの牛オーラセーが廃れた地域も多く、終戦を経て現代では、沖縄県中部のうるま市が「牛オーラセーの町」として有名です。
【 現代の牛オーラセーと言えば、石川多目的ホール 】
★ 特に有名な競技場と言えば、沖縄県うるま市にあります「石川多目的ホール」です。地元では「石川イベント広場」などとも呼ばれてますよね。
住所)沖縄県うるま市石川
連絡先) うるま市観光課 098-965-5634
観光客の方々も集まるような牛オーラセー会場と言えば、コチラの石川イベント広場です。
それだけに収容人数も多く(3500人)、トイレなどの設備も安心、ナイターもあるなど、快適に見学することができるのではないでしょうか。
ただ、昔ながらの牛オーラセー会場なども各地にあります。下記にいくつかお伝えしますので、コチラも参考にしてください。
【 沖縄各地に残る、牛オーラセー会場 】
① 南城市の久原闘牛場 … 春頃は「島尻闘牛大会」などがあります。収容人数は800人と小さめです。詳しくは島尻闘牛組合(098-947-2542)などに問い合わせてみてください。
② うるま市の伊波闘牛場 … ここは大正初期から残る闘牛場として知られています。収容人数は1000人とそれほど大きくはありません。
③ 名護市ゆかり牧場の観光闘牛場 … 建てられて15年と割と若い観光客向けの闘牛場ですが、収容人数7000人ととても大きいのが特徴です。
この他、昔ながらの牛オーラセー会場であれば、同じくうるま市の安慶名闘牛場なども古いでしょうか。戦前から残る闘牛場で、800人の収容人数と小さめではあります。
牛オーラセーの歴史
旧暦四月の旧暦行事には、アブシバレー(畦払い)やクシユクイ(腰憩い)がありますよね。
あてどない農作業の一区切り…、慰労の宴も催されるこれらの年中行事では、昔の姿を聞いて行くと、そこには牛オーラセーを楽しんだ体験談も数多くありました。
そのためかどうかは分かりませんが、牛オーラセーは旧暦四月頃に当たる、五月中旬の初夏から八月、秋口までの開催が盛んです。
明治40年の新聞には、すでに牛オーラセー(当時の記述は「闘牛」)の記事が確認され、それだけ古くから民衆の娯楽として定着していました。
【 牛オーラセーの途絶えた時期 】
★ ところが前述した通り、先の戦争で戦況が悪化するにつれ批判も高まり、各地で行われていた牛オーラセーも糸満市や勝連町では廃れてしまいました。
・ そして戦況と比例するように、昭和19年から21年の三年間は完全に途絶えます。
けれども(体験者の談話のみですが)戦後すぐの22年には牛オーラセーが復活!有料制にすることにより盛んになります。
【 牛オーラセーがブームに 】
★ そして「沖縄県闘牛組合連合会」誕生(昭和36年)!これをきっかけに起きたのが第一次牛オーラセーブームです。
・ 荒岩号やゆかり号などの「スター選手」の到来とともに、昭和40年代を頂点として、50年代頃まで長くブームが続きました。
…その後はさまざまな娯楽が増えたことで分散されましたが、昭和60年代以降も小さなブームを繰り返し、現代では伝統娯楽として扱われ、今に至ります。
春と秋の「全島闘牛大会」
沖縄の牛オーラセーの総本山と言えば、春と秋に行われる「春の(秋の)全島闘牛大会」ではないでしょうか。
【 1966年より始まった全島闘牛大会 】
★ その始まりは1966年、沖縄県内には前項でお伝えした闘牛会場以外にも、多くの会場があるのですが、そのなかでも選りすぐりの強い牛達が一同に会して競います。
・ 2019年(令和元年)は第111回に当たり、五月十二日正午より始まります。詳しくは沖縄県闘牛組合会に問い合わせてみてください。
少し前までは、北部名護市のゆかり牧場の闘牛場で行われてきましたが、今では石川多目的ホールでの開催です。
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の伝統娯楽「牛オーラセー」についてお伝えしました。「すり鉢状」の闘牛会場で行われる闘牛は、沖縄の昔ながらの面影がしっかりと残っています。
牛オーラセーに心血を注ぐ闘牛士、毎週毎週闘牛を楽しみに訪れるファンの人々…、今でもしっかりと沖縄の人々のなかに息づく伝統娯楽が「牛オーラセー」です。
その面白さや魅力、より楽しめる豆知識など、一記事では書ききれません。
他記事「牛オーラセーの魅力☆より楽しむための5つの豆知識」でもお伝えしますので、ぜひコチラも読んでみてください。
まとめ
沖縄の「牛オーラセー」とは
・「牛オーラセー」は「闘牛」
・昔の娯楽の中心だった
・現代ではうるま市石川が盛ん
・戦後三年間ほど文化が途絶えた
・戦後すぐに復活する
・沖縄県闘牛組合連合会誕生でブーム到来!
・県内でブームは昭和50年代まで続く
・総本山とも言えるのが「全島闘牛大会」
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