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沖縄の旧盆行事の行い方⑤☆お供え物の5つの意味合いとは

沖縄の旧盆行事の行い方⑤☆お供え物の5つの意味合いとは
沖縄の旧盆では、全国的なお盆とは全く違う習わしが数多くありますよね。特にお供え物はウージ(さとうきび)やショウガなど、沖縄ならではのものが並びます。

 

ただ、昔から馴染みの深い沖縄の旧盆でのお供え物だけに、その意味合いを聞かれるとピンと来ないものも多いのではないでしょうか。

 

例えば、旧正月や清明祭(シーミー)など、数多くある御願行事のなかにあっても、沖縄の旧盆でしかお供えすることのない「グーサンウージ」は、御先祖様が帰る時の杖代わりとなります。

 

このようにそれぞれのお供え物に意味があると思えば、興味深いですよね。そこで今回は、沖縄の旧盆でのお供え物、その興味深い意味合いをいくつかお伝えします。

 

より心のこもった御願行事とするためにも、沖縄の旧盆で、子ども達への伝え話としても役立ちますので、ぜひ参考にしてみてください。

 



 

沖縄の旧盆行事の行い方⑤☆
お供え物の5つの意味合いとは

 

沖縄の旧盆で供える「ウージ」


グーサンウージ
冒頭でお伝えしたように、沖縄の旧盆ではウージ(サトウキビ)のお供え物が特徴的です。長いグーサンウージの他に、3節くらいの短いウージも供えられます。

 

沖縄では旧盆に限らず、お供え物は左右対称が基本の飾り方です。ですから、これらのウージもまた、左右に一対ずつ飾ってください。

 

【 沖縄の旧盆、お供え物の意味合い「ウージ」 】

 

★ グーサンウージ … 7節分のウージ二本がひとつとして二組を準備し、両脇にお供えをします。

 

・ 冒頭でお伝えしたように、帰りに御先祖様がつまづいたりしないよう、杖の代わりです。

 

ちなみに短いウージは、7本を一束にまとめたものをひとつとし、一対(二組)をお供えします。さらにウージの切れ端は「ミンヌク」としても用いられるのです。

 

【 沖縄の旧盆、「ミンヌク」とは 】

 

★ 「ミンヌク」はお仏壇の提灯の足元など、下の方に置かれるウージの切れ端を差し、ウージの他に野菜の切れ端なども入っています。

 

・ これは御先祖様と一緒にくっ付いてきてしまった、無縁仏や餓鬼が持ち帰るために用意しました。

 

沖縄ではヤナカジやタナカジなど、多くの「悪しき霊」がいて、餓鬼は「チガリムン」と呼ばれています。沖縄の旧盆では子孫が御先祖様を食事などでもてなしますから、一緒にチガリムンや身寄りのない霊が付いてくると言われているのです。

 

 

「ウサチ」はなぜ必ずお供えするの?


ウサチ
沖縄では旧盆だけではなく、さまざまな御願行事で御膳をお供えする際に、メインの食事とともに「ウサチ」の小皿を添えますよね。

 

【 沖縄の旧盆、「ウサチ」はなぜ供えるの? 】

 

★ そもそも「ウサチ」とは付け合わせを差していますが、沖縄ではウサチと言えば酢の物です。この酢の物料理を沖縄では「ナマシグァー」と言います。

 

・ 実は沖縄の旧盆では、チガリムンや無縁仏の霊が御先祖様のウンケージューシーを食べてしまわないように、ナマシグァーを代わりの食事として出しています。

 

ただ、沖縄の旧盆では初日のウンケージューシーの他、ナカビでは朝食の膳にのみ配する家も多いです。

 

 

ウンケージューシーは香りを強く


沖縄の旧盆、ウンケー
「ジューシー」とは沖縄の炊き込みご飯です。豚バラ肉が入っているのが特徴で、家によってニンジンやあぶらげなど、具材がさまざまにあります。

 

【 沖縄の旧盆、ウンケージューシー 】

 

★ ただ、ウンケージューシーに関しては、例えばフーチバー(よもぎ)やショウガなど、できるだけ「香りの強い具材」を加える家が多いです。

 

・ これも御先祖様と一緒にくっ付いて来た、無縁仏の霊やチガリムン(餓鬼)がウンケージューシーを食べてしまうことのないよう、強い香りで避けています。

 

基本的な作り方は、塊の豚バラ肉をまず茹でて(茹で汁は少し残しておきます。)賽の目状に切り、ニンジンやしいたけなど、家々によって違うその他の具材と共に、煮汁・出し汁(たっぷりのかつお出汁)・醤油やみりん、酒で炊き込んでください。

 

豚肉のラードを加える家も多く、入れるとコクが出て美味しいです。詳しくは「沖縄の旧盆行事の行い方⑥☆お供えやふるまい料理のレシピ」も参考にしてください。

 

 

果物の盛り合わせ、リンゴやバナナの意味って?


お供え果物
沖縄では旧盆などのお供え物として、果物の盛り合わせは定番ですよね。こちらも左右に一対(二盛り)、二段目の左右にお供えをします。(沖縄のお仏壇は三段です。)

 

【 沖縄の旧盆、果物にも意味合いがある? 】

 

★ 沖縄の旧盆でお供えをする果物には、リンゴやバナナは定番ですが、実はバナナはその形状から父親を表現し、男性の御先祖様への敬意を表しています。

 

・ 一方、リンゴは女性性・母性として供えられてきました。ですから果物の盛り合わせだけでも、男性の御先祖様・女性の御先祖様、父と母の双方への敬意が伝えられるのです。

 

ちなみに、沖縄の旧盆ではその上(三段目)には、「ガンシナ」と呼ばれる縄をなった輪っか(海外では頭に籠や壺などを乗せる時の台にもなっています。)の上に、パイナップルなどの大きな果物もお供えをしてください。

 

 

沖縄の旧盆、ナカビはそうめん


ソーミン汁
昔ながらの風習では、ナカビの昼食ではそうめんをいただきます。お仏壇を持たない家では、このナカビに親戚廻りをしますよね。千円前後のお中元を持って回るのが一般的です。

 

【 沖縄の旧盆、ナカビはそうめん 】

 

★ 一方、御先祖様はこの日一日はお仏壇のある家で過ごしています。家に戻って家族と共に、穏やかな一日の時間を過ごすことが御先祖様の目的です。

 

・ ですからお仏壇のある家族も、気軽に食べられるおそうめんやお団子を食べて過ごします。

 

親族の訪問でおもてなしはしなければなりませんが、本来は慌ただしくすることなく、昼食のおそうめんやお団子を出せば問題ありません。今ではおそうめんやお団子にこだわらず、お菓子やケーキなど、ふるまうものも自由になりました。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の旧盆行事でお出しする、お供え物の意味合いをお伝えしました。幼い頃から馴染みのある、沖縄の旧盆行事だからこそ、特に考えずに過ごしてきた方も多いのではないでしょうか。

 

また、最終日のウークイでは御願行事の定番である、お重料理の「ウサンミ」を夕食にお供えをします。本来はこのウサンミを、お客様にもふるまいましたが、現代ではあまり食べなくなりました。

 

そのため、お仏壇がある宗家ではお客様用の料理を用意することも多いです。また、沖縄の旧盆をはじめとした親族が集まる御願行事では、中身汁も多くふるまうので、大きな鍋にひとつ、作っておいても良いかもしれません。

 

中身汁やお客様用の料理も、仕出し料理店などで注文もできるので、沖縄料理が苦手な方は、注文も検討されてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

まとめ

沖縄の旧盆でのお供え物の意味合いとは

・グーサンウージは、御先祖様が帰る杖
・ミンヌクは無縁仏の霊のために供える
・酢の物「ナマシグァー」も無縁仏の霊のため
・ウンケージューシーは香りの強い具材を入れる
・果物のリンゴは女性、バナナは男性への敬意を表す
・ナカビは御先祖様とのんびり過ごすため、そうめん
・親族が集まる行事では、中身汁もよくふるまう

 



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