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【沖縄の法事】準備をしながら考えたいお供え物の豆知識

【沖縄の法事】準備をしながら考えたいお供え物の豆知識

沖縄の法事は全国的なものとは違う、独特な慣わしも多いですよね。四十九日ひとつ取っても、その役割や流れは驚くことも多いのですが、特によく表れているのがお供え物ではないでしょうか。 例えば豚肉をお供えする機会が多いことも、沖縄の法事の特徴です。

 

まず、お通夜の夜には茹でた豚肉である「シベラーシ」が枕飾りにお供えされますし、お墓事では豚の三枚肉がウサンミ(沖縄のお供え用重箱料理)に必ず並びます。

 

沖縄の法事では御願文化と仏教文化が折衷されたものが多いので、もちろん、仏教の教えに倣ったお供えものも数多くあり、全国的な法事に通じるところも多々あります。

 

それでも沖縄で法事をするのなら、沖縄の昔ながらの慣わしを、その意味合いまで踏まえて準備をしたいですよね。 そこで今回は、沖縄の法事での昔ながらの慣わしを、その意味合いと心得とともにお伝えします。

 



 

【沖縄の法事】 準備をしながら考えたいお供え物の豆知識

 

沖縄の法事でお供えする心


現在の沖縄の法事では忘れがちになっている家も多いのですが、そもそもお供え物は「供養(くよう)」と言い、心のこもったお供えが最も大切です。

 

【 沖縄の法事、気持ちが大事 】

 

★ 沖縄では法事でも御願でも、地域や家によって細やかな部分で作法が違うことがありますが、「どうすれば良いのですか?」と聞くと、「心が大事」と良く言われます。

 

・ 真心を込めて故人の気持ちを考えながらお供え物をすることで果報をいただき、仏の心に少しずつ近づく…、と言うのがお供え物の役割です。

 

これを「供給供養(きょうきゅうくよう)」と言い、「供養」の略です。供給が心をこめたお供え物、供養が果報によって仏の心に近づくことを意味しています。  

 

その昔の沖縄の法事


現在の沖縄の法事では義務的に思っている方も多いのですが、その昔の沖縄では法事は皆が楽しみになるものでした。 昔は日頃の食事は質素で豪華なものはなく、沖縄の法事でお供え物に出される料理がごちそうだったのです。

 

【 沖縄の法事、昔のお供え物 】

 

★ 沖縄の法事では、朝から家の女性を中心に総出でお供え物を作って仏様へお供えをしました。重箱に手作りをしたお供え料理は「ウサンミ」と言います。

 

・ そして拝みが終わると家族皆で出したお供え物をいただくのです。墓前でお供え物をいただく行為は「ウサンデー」です。

ただ、昔は御馳走だったお供え物やお仏壇にお供えする盛り菓子も、今では日ごろの食事と比べると「美味しい」とは言えず、お供えだけして捨ててしまうことが多くなりました。

 

【 沖縄の法事、現在のウサンデー 】

 

★ 現在の沖縄の法事では、ウサンミは準備をするものの、お墓に集った親族が食べるための仕出し弁当を別に用意をしてもてなすことが多いです。

 

ウチャトゥ・花・ヒラウコー


お仏壇などに日ごろの御願も含めて、必ずお供えするのがウチャトゥと供え花、そしてヒラウコーではないでしょうか。 ウチャトゥは茶湯(ちゃとう)の方言で、お茶です。ヒラウコーはお線香を差していますが、沖縄では6本をくっ付けて板状にしています。 基本的なこれらの「お供え物」も、しっかりと意味があるのです。

 

 

【 沖縄の法事、ウチャトゥ・花・ヒラウコー 】

 

① ウチャトゥ … 布施としてお供えするお茶は、「生命」、万物を潤し生かすことの現れです。

 

②  … 花には二つの意味合いがあります。 ・ ひとつは厳しい環境でも花を咲かせることから、「耐え忍ぶ=忍辱」。もうひとつの意味合いとして、枯れることから時の流れを表しているのです。

 

③ ヒラウコー … ・ ゆっくりと静かに燃え続ける様子から、「精進(努力して前進する)」と、「持戒(ルールや約束事を守る)」事を表します。

この他、沖縄の法事ではお供えする精進料理やお菓子、灯明までそれぞれに意味合いを持ち合わせています。詳しくは【沖縄の法事】シリーズでお伝えしているので、ぜひ併せて読んでみてください。  

 

盛菓子とミーフガー・ヒーグァーシ


沖縄の法事のお供え物で特に興味深いのは、七種の盛り菓子とミーフガー・ヒーグァーシのお供え物ではないでしょうか。 基本的にはお菓子や精進料理などの食べ物のお供え物は、「人は空腹では落ち着かずに、自分勝手な考えに至る」として、食事をしてお腹を満たすことで落ち着きを取り戻す(禅定)を表しています。

 

【 沖縄の法事、菓子類 】

 

★ 沖縄の法事ではお仏壇に、

 

① 七種類のお菓子を盛り付けた「盛り菓子」を一対(二皿)

② 丸い形とドーナツ型の焼き菓子(ミーフガー・ヒーグァーシ)を7個ずつ並べたお皿を一対(二皿)。 …が必要です。

 

この七種のお菓子は、骨盤や内臓などの「体の部位」を表現しています。 ただこのお菓子もまた、現在では子ども達が食べることもなく、そのまま捨てられてしまうため、現在の暮らしに合った、美味しいお菓子をお供えする家も多くなりました。  

 

果物の盛り付け


さらに沖縄の法事では果物も七種、お皿に盛りつけて一対(左右に二皿)をお供えします。昔ながらのお供えに合わせて、さとうきびや青い島バナナをお供えする家も多いです。

 

【 沖縄の法事、果物の盛り付け 】

 

★ 基本的には「丸いもの」を準備してください。昔ながらの沖縄では細く切ったさとうきび、アダンの実なども供えられていました。

 

・ シークヮーサーなどは、収穫時期ではないと葉のみを供える家もありましたが、今では「美味しくいただけるもの」をお供えするため、メロンやリンゴ、マンゴなどを用意する家も多いです。

その他にも、シークァーサーのジュースや黒砂糖をお供えすることもあります。

 

 

 いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の法事で準備をするお供え物について、その考え方や意味合い、昔の沖縄の法事の様子などをお伝えしました。

 

最期に果物の盛り合わせについてお伝えしましたが、現在お供えされているような丸い果物(リンゴなど)は、その昔、とても高価な果物でした。 一般庶民では用意できず、ごくごくお金持ちの家庭でしか調達できなかったため、シークァーサーやその葉っぱ、ウージ(さとうきび)などをお供えしたのです。

 

沖縄の法事では、このような昔からの伝統が続いています。できれば昔ながらの沖縄の法事料理を美味しくウサンデーできるのが一番ですが、現代の好みに合わせたものを盛り付けるのも良いのかもしれません。

 

ぜひ次回の沖縄の法事では、その意味合いまで感じながら準備をしてみてはいかがでしょうか。  

 

まとめ

沖縄のお供え物の意味合いとは

・供物は心をこめて果報をいただくこと

・昔はお供え物はごちそう、楽しみにしていた

・お茶は生命、花は無常、お線香は精進

・盛菓子は体の部位を表した

・果物は「丸いもの」を準備する

 



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