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沖縄のヒヌカンとトートーメー。毎月の拝みの意味とは

沖縄のヒヌカンとトートーメー。毎月の拝みの意味とは
沖縄では今でも、ヒヌカンとトートーメーは大切に扱われていますよね。沖縄の台所に見る「ヒヌカン」は火の神・かまどの神で、今でも多くの家庭に見られる、馴染みの深い存在です。

 

一方、「トートーメー」はご位牌を意味する沖縄の言葉で、ご先祖様への信仰も意味しています。沖縄では霊魂を「マブイ」として、故人亡き後もマブイ(魂)が位牌やお墓に残されると信じられてきました(霊魂不滅)。

 

そして(仏教でも同じような教えがありますが)、三十三年忌を迎えた時、故人のマブイ(魂)は神となるのです。

 

そんな沖縄ではヒヌカンとトートーメーへは、毎月旧暦の一日と十五日に拝みを捧げて日々を感謝します。この拝み行事が旧暦の一日、十五日であることにも意味があるのですが、興味深いですよね。

 

そこで今回は、沖縄のヒヌカンとトートーメーへの拝みについて、その意味合いや拝み方などをお伝えします。

 



 

沖縄のヒヌカンとトートーメー。
毎月の拝みの意味とは

 

チィタチ・ジュウグニチの拝み


沖縄ではヒヌカンとトートーメーへ、毎月旧暦の一日と十五日の二回の拝みを捧げます。毎日手を合わせる人もいますが、この日は決まったお供え物を供し、必要があれば掃除をする家も多いです。

 

チィタチは「一日」、ジュウグニチは「十五日」の沖縄の言葉で、毎日拝みを捧げない家では、この一日と十五日が拝みの日になります。

 

【 沖縄でのヒヌカンとトートーメーへの拝み 】

 

★ まず、ヒヌカンへは炊きあがった白いご飯(これを「白ウブク」と言います。)を、三膳供えてください。トートーメーへは白ウブク二膳です。

 

・ 沖縄線香のヒラウコーはヒヌカンは二片と半分、トートーメーへは二片のみを拝し、本日が拝みの日であること、日々の感謝を伝えつつ、今後も見守ってくれるよう、伝えてください。

 

沖縄のヒヌカンとトートーメーへの拝みでは、カミンチュ(神人=神職)の人々であれば、御願時に唱える言葉「グイス」があるのですが、一般家庭ではそこまで覚えている人は多くありません。

 

ただ、最初にヒヌカン、続けてトートーメーと言う順番は守って拝んでみてください。

 

自分なりの言葉で、内容を押さえて伝えている人がほとんどです。ただ、拝みの中心は女性で、特にヒヌカンは「男性が触れてはならない」とする家もあるので、注意をしてください。

 

問題はないのですが、日常に使うお椀を利用する家は少なく、専用の小さなお椀を用います。

 

 

なぜ、旧暦一日・十五日に拝むの?


沖縄ではヒヌカンとトートーメーへの拝みは、毎月旧暦の一日・十五日と決まっています。「月初めと真ん中だからでは?」と思っている沖縄の人々も多いのですが、実は月に関係しています。

 

そもそも沖縄の御願行事は旧暦で行われますが、新暦が太陽暦であるのに対し、旧暦は「陰暦」であり、月を元にした暦です。

 

【 旧暦一日と十五日に拝む理由 】

 

★ これは月の満ち欠けが元になっています。月には「朔望(さくぼう)」の言葉があることを御存じでしょうか。

 

・ 朔望(さくぼう)の朔月は「新月」に当たり、最も月が隠れている状態ですが、これが旧暦一日です。一方、望月は「満月」となりますが、この新月が旧暦の一日に当たり、満月が旧暦十五日に当たります。

 

つまり、沖縄ではヒヌカンとトートーメーへの拝みを通して、月へ拝みを捧げているのです。これを「朔望(さくぼう)への拝み」と言います。

 

 

沖縄のカレンダー


沖縄ではこの、ヒヌカンとトートーメーへの拝みが、年中行事の全ての軸です。ただ太陽暦の新暦では、一日と十五日が新月・満月に当たるとは限りません。ですから沖縄の年中行事は、旧暦を元に行われます。

 

【 沖縄の年中行事とカレンダー 】

 

★ 沖縄の年中行事は全て月の満ち欠けが基準となり、行事が行われたり節目となる「ウイミ(折り目)」「シチビ(節日)」は、ほとんどが朔月か望月、もしくは中間の弦月(げんげつ)です。

 

・ そのため沖縄で販売されるカレンダーは、ほとんどのものが旧暦を一緒に記載しています。

 

共に満月・新月・上弦・下弦と、月の満ち欠けを記した沖縄カレンダーも多く、沖縄の人々は御嶽(拝所)を訪れたり、年中行事や御願行事を行う際に、このカレンダーを日々の暮らしのなかで、フル活用しているのです。

 

ちなみに、沖縄では潮の満ち引き(満潮時刻・干潮時刻)を記したものも多いです。浜下りなどの行事で利用される他、子どもを出産する際に、産まれる頃合いを見極めるためにも利用することがあります。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄のヒヌカンやトートーメーへの日々の拝み行事、「チィタチ・ジュウグニチの御願(朔望への拝み)」について、詳しくお伝えしました。

 

沖縄ではヒヌカンもトートーメーも、代々大切に継承されてきました。トートーメーは父方の血を引く血族(門中)の男子で引き継がれ、理想の形としては父から息子へ継承されます。

 

一方、沖縄ではヒヌカンはトートーメーとは違い、女性から女性へ受け継がれてきました。義理の母から嫁いだお嫁さんへ、もしくは実家の母から娘へと、ヒヌカンの灰を代々継承してきたのです。

 

最近では新しくヒヌカンを仕立てる家も増えましたが、それでも今でもヒヌカン信仰や御願文化は、馴染み深く続いています。ぜひ、月の満ち欠けも意識しながら、拝みを捧げてみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

一日と十五日の拝みの基本と豆知識

・ヒヌカンへは白ウブク三膳供える
・トートーメーへは白ウブク二膳
・ヒヌカン→トートーメーの順番
・一日は新月、十五日は満月
・御願行事は月の満ち欠け(旧暦)が基準
・沖縄カレンダーでは旧暦が書いてある

 



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