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【沖縄の御願】旧暦1月4日に行う、ヒヌカンのお迎えとは

【沖縄の御願】旧暦1月4日に行う、ヒヌカンのお迎えとは
沖縄の御願では欠かすことのできない神様が、ヒヌカン(火の神)ですよね。今でもほとんどの沖縄の家庭の台所に鎮座するヒヌカンは、その家の神々への連絡係の役割も果たしています。

 

その昔から沖縄の女性は御願を通して、親から代々継承されるヒヌカンに家族の無病息災や家庭円満を祈願し、何かあれば手を合わせてヒヌカンへ相談をしてきました。

 

そんなヒヌカンは毎年年末の旧暦12月24日(2020年1月18日)には天へ帰り旧暦1月4日(2020年1月28日)(地域によって日にちが異なることもあります。)にこの世へ帰ってきます。

 

沖縄では御願をして、この日にヒヌカンをお迎えします。そこで今回は、旧暦1月4日(2020年1月28日)に行う沖縄の御願行事、「下天の拝み」~ヒヌカンのお迎え(ヒヌカンウンケー)~の方法をお伝えします。

 

沖縄の御願方法は、家や地域によって違うことも多いですが、基本としてぜひ、参考にしてください。



 

【沖縄の御願】旧暦1月4日に行う、
ヒヌカンのお迎えとは

 

年末にヒヌカンを見送り、年始にお迎え


冒頭でもお伝えしましたが、旧暦12月24日(2020年1月18日)は沖縄の御願行事のなかでは、旧正月を迎えるための大切な日取りで、この日に屋敷(家)やヒヌカンを掃除します。

 

【 沖縄の御願、ヒヌカンの年末年始 】

 

★ 家やヒヌカンの掃除後、「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」→「ヒヌカンブトゥチ(ヒヌカン解き)」→「昇天の拝み」を行いますが、この「昇天の拝み」でヒヌカンは天へ帰る日です。

 

・ 沖縄の御願の世界では、天には「ウティンヌカミ(天の神)」がいて、ヒヌカンはこのウティンヌカミへ、家の一年を報告するとされています。

 

そして戻ってくるのが、旧暦1月4日(2020年1月28日)です。地域によってヒヌカンのお迎えの日が違いがありますが、旧暦12月30日頃から旧暦1月4日頃(2020年1月24日~1月28日)が一般的です。  

 

下天の拝みのための準備


ヒヌカンのお迎えと言っても、この日は屋敷の御願などもありませんので、準備は難しくはありません

 

【 沖縄の御願、お迎えのお供え物 】

 

★ 基本的なヒヌカンセット、チャーギなどの葉と盛り塩、お酒にウチャトゥ(お茶)や水の他、「赤ウブク」と呼ばれる赤飯を三膳、少してんこ盛りになる形でお供えをしてください。

 

・ 赤飯は全国的な赤飯でも良いですし、沖縄のスーパーなどで販売されている「黒米」を混ぜて炊いたものでも問題はありません。

 

ヒヌカンは下天の拝みに限らず、ヒラウコーを「タヒラと半分」である2枚と半分に割ったものを拝する習慣があります。(ちなみに、お仏壇など祖霊へはタヒラ~2枚~のみです。)

 

ヒヌカンが天へ帰っている大晦日(トゥシヌユール)や旧正月でも、ヒヌカンへお供え物を供えますが、もしも改めてヒヌカンの基本のお供え(塩や酒など)を整えるのであれば、全て捨てて入れなおしてください。

 

※お酒などは継ぎ足す方もいますが、本来は一度捨てて、改めて継ぎます。  

 

ヒヌカンを迎えるグイス


沖縄の御願行事では家を守る女性が中心となって、「グイス」と呼ばれる拝みの言葉(本州で言う「祝詞」)を捧げ、手を合わせて拝むのが一般的です。

 

毎月1日と15日のヒヌカンへの拝みをはじめ、一年を通して沖縄では多くの御願行事があるため、毎回ユタさんなどを呼ぶ家はまずありません。

 

【 沖縄の御願、迎える時のグイス 】

 

★ 「本日はウティンヌカミガナシーの元へ昇天されていた、ヒヌカンガナシーをお迎えする日となりました。

 

どうぞ今年一年、私たち家族がみな、健やかで家庭円満でありますよう、福徳とともにお戻りください

 

そして今年一年もお守りいただけますよう、ヒヌカンガナシーを通して拝みます。」

 

内容はほとんど同じながら、地域や家によって言葉の言い回しはさまざまです。この日はヒヌカンへの拝みのみ、行ってください。  

 

一部地域で見られる、ヒラウコーの階段


沖縄でヒヌカンへの御願を行う際には、ヒラウコーはタヒラと半分を拝して拝めば良いのですが、ヒヌカンのお見送りとお迎えの儀式では、この後に改めて「ヒラウコーの階段」を拝する地域もあります。

 

【 沖縄の御願、ヒラウコーの階段 】

 

★ 日ごろは2枚(タヒラ)は半分に割ることなく、そのまま灯して拝しますが、「ヒラウコーの階段」はタヒラと半分を全て、半分ずつに割ってください。

 

・ そして半分ずつ順番に火を灯し、ウコール(香炉)に横に一列に拝してください。すると火を灯した順番にヒラウコーが燃え、階段のような形になります。(7段の階段として、7段を順々に拝する家もあります。)

 

旧暦12月24日のヒヌカンのお見送りの際には、左側から先に日を灯して行き、左から始まる階段(右が長くなる)を作り、旧暦1月4日のヒヌカンのお迎えでは、右から始まる階段(左が長くなる)を作るのが習わしです。  

 

八重山のヒヌカン、年頭の拝み


この旧暦1月4日ですが、八重山では少し違う沖縄の御願行事として「年頭の拝み」があります。八重山ではこの日にヒヌカンを清めて、年初めの拝みを捧げるのです。

 

【 沖縄の御願、年頭の拝みとは 】

 

★ ヒヌカンを洗い清めるのですが、清め方としては潮水で洗います。

 

・ 今では塩を溶いた水で洗う家も多く、沖縄本島のヒヌカン解き(ヒヌカンブトゥチ)などで洗い清める時にも、塩水で清めることが多いので、これでも問題はないかもしれません。

 

  いかがでしたでしょうか、今回は沖縄の年頭の御願行事のひとつ、下天の拝みをお伝えしました。ヒヌカンがこの世へ戻ってくる旧暦1月4日、ヒヌカンを祀っている家であれば、ぜひお迎えの儀式をしてください。

 

 

いかがでしたでしょうか、本文中でお伝えしている沖縄の御願で欠かせない、拝みのグイスですが、家々によって、また人によっても違いがあり、心が入っていればその違いにこだわる必要はありません。

 

「ウートートゥ、ヒヌカンガナシー」など、神様のお名前の後に「ガナシー」が良く入りますが、これは神様へ向けた敬称で、「ヒヌカン様」と言っていると思ってください。

 

ヒヌカン解き(ウグァンブトゥチ)で年頭に拝んだ、無病息災、家内安全の願い事は年末に解き放たれていますので、この年頭の拝みで今年一年の家庭の安全を祈願します。

 

ぜひ本記事も参考にしながら、家族でヒヌカンへの拝みを捧げてみてください。

 

 

まとめ

旧暦1月4日に行う、ヒヌカンのお迎え

・ヒヌカンは年末に天に帰り、年始に戻ってくる
・赤ウブク(赤飯)を三膳お供えする
・家の女性が拝みの言葉、グイスを唱える
・地域によっては「ヒラウコーの階段」を作る
・八重山ではヒヌカンを潮水で洗い清める

 



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