沖縄のお彼岸に行う屋敷の御願。お供え物と基礎知識
沖縄ではお彼岸の入り後に「屋敷の御願」を行う家も多いですよね。屋敷の御願の時期や回数は、地域によってさまざまですが、お彼岸の入りを目安としている家も多いです。
沖縄ではお彼岸には御馳走(ウサンミ)やおもちを供え、ウチカビを焚きます。そして屋敷の御願を行うのが、沖縄のお彼岸です。
そこで今日は、沖縄のお彼岸の入り後に行う、屋敷の御願の進め方について、簡単にお伝えします。お供え物や祈願する場所までお伝えしますので、ぜひ、参考にしてください。
沖縄のお彼岸に行う屋敷の御願。
お供え物と基礎知識
沖縄のお彼岸、お供え物と拝み方
沖縄ではお彼岸でお墓参りに行く地域は、それほど多くはありません。その代わりに台所を守る火の神、ヒヌカンとお仏壇へ御馳走をお供えし、供養をします。
【 沖縄のお彼岸、お供え 】
★ ヒヌカンへは豚の三枚肉やゴボウの煮付け、魚の天ぷらなどの御馳走をお皿に盛りつけて供えてください。
・ お仏壇へはこの御馳走の他、お菓子7種の盛り合わせ盆や、りんごやみかん、バナナなどの果物の盛り合わせ、白餅七個を供えます。
…日ごろのお供えものとして、お茶やお酒、水も忘れずに供えてください。
お供えする御馳走は、沖縄では「お茶脇」と言う意味合いで「ウチャワキ」と呼ばれ、おかずは「御馳走」である「御三味」と書いて、「ウサンミ」とも言います。
【 沖縄のお彼岸、拝み方 】
★ お供えをしたらヒヌカン→お仏壇の順番で、いつも見守ってくださることを感謝し、今後の家族の無事を祈願してください。
・ お仏壇では家族で御先祖様を囲んで食事をした後、「ウチカビ」と呼ばれる「あの世のお金」を焚き上げます。
火を使うので、ウチカビを焚く時は専用の金属ボウルが安心です。最後はお仏壇に供えてあるお酒を掛けてください。
「屋敷の御願」とは
沖縄全てではありませんが、お彼岸の入りを目安に屋敷の御願を行う地域が多いです。「屋敷の御願」とは、日ごろ家を守ってくれる神々への拝み行事となります。
【 沖縄の屋敷の御願 】
★ 沖縄では屋敷に6柱(祖霊を含む)の神々がいると言われ、日ごろはヒヌカンが、これらの神様の「お通し処(ウトゥーシドゥクル)」です。
・ けれども年に数回、直接屋敷の神々に感謝をして、家族の安全を祈願します。それが沖縄のお彼岸で行う「屋敷の御願」です。
屋敷の御願を行う前には、家中を掃除して、ヒヌカンの灰なども掃除をします。そんな「大掃除」の意味合いもあるのかもしれません。
沖縄のお彼岸、屋敷の御願のお供え物
屋敷の御願では、前述した6柱の神様を廻って拝むので、お供え物は膳や「ビンシー」と呼ばれる携帯できる御願道具にまとめます。
【 屋敷の御願でのお供え物 】
★ 下の絵を参考にしてください。お酒・お米(洗い米/花米)・ウチャヌク・果物の盛り合わせを並べます。さらに右端に「シルカビ」を添えてください。
・ 洗い米はお米を七回すすいだ米、花米は何もしていないお米です。ウチャヌクは白餅の三段重ねで、だんご粉やもち粉で作れます。
…「シルカビ」は半紙を八つ切りにしたものです。ただし、ハサミで切ることはタブーですので、手で上手にちぎるのが一般的です。
ウチャヌクは手軽に作れるお供え餅ですが、沖縄であればスーパーで気軽に見つけることができます。
最近では白餅だけではなく、お菓子のウチャヌクも販売され、「美味しく食べれる」として、選ばれるようになりました。
沖縄のお彼岸、屋敷の御願で拝む場所
屋敷の6柱の神々は、それぞれ①ヒヌカン②お仏壇(祖霊)③四隅の神(ユンシヌカミ)④門の神(ジョウヌカミ)⑤トイレの神(フールヌカミ)⑥中陣の神(ナカジンヌカミ)です。
ヒヌカンは台所、祖霊はお仏壇ですよね。
【 沖縄彼岸の入り後、屋敷の神々 】
★ 「四隅の神」は屋敷の四隅で東西南北を守っているので、敷地の四角を拝みます。門の神は正に「門」です。
・ トイレの神はそのまま「トイレ」、残る中陣の神は屋敷の外、門と屋敷玄関の中間当たりで拝みを捧げます。
拝む時のヒラウコーはお仏壇以外は二枚と半分、お仏壇のみ二枚を拝してください。日々のお見守りに感謝を唱え、「黄金の屋敷、銀の屋敷にしてくだsだり、家族みなが健康で穏やかに過ごせますよう」祈願します。
「サカイハンジョウシミティ ウタビミスーリー、ウートゥートゥ」の言葉で終えたら、拝みは終了です。家長を中心に家族で回ってください。
マンションで行う場合には
以上が沖縄のお彼岸で行う屋敷の御願ですが、ヒヌカンがなかったり、マンションなどで門などがない家も多いですよね。
【 マンションでは 】
★ この場合、玄関の内側から外側へ向くようにして、拝みを捧げればOKです。
・ 回らなくても良いですが、お供え物やヒラウコーの本数、手順などは丁寧に行うことをおすすめします。
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄のお彼岸の拝み方やお供え物、屋敷の御願の拝み方を簡単にお伝えしました。
御願に慣れているお家では、屋外での拝みに役立つお供えを持ち運びできる「ビンシー」に並べられますが、今では持たない家庭も多いです。
「ビンシーは家の印鑑」とする説もありますが、なくても膳に並べれば問題はありません。
簡易ビンシーとして、タッパーなどに用意をする家もあるので、ぜひ、お供え物をして屋敷の神々へ拝んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
彼岸の入り後、屋敷の御願の進め方
・屋敷の神々に感謝し安全を願う
・お酒やお米、ウチャヌクを供える
・果物の盛り合わせも供える
・お供え物にシルカビを添える
・四隅やトイレ、門など6箇所に拝む
・マンションなら玄関で外へ拝む
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