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【沖縄の御願】九月に行うウートートゥ☆菊酒と子育て祈願

【沖縄の御願】九月に行うウートートゥ☆菊酒と子育て祈願
沖縄での御願は、毎月の旧暦1日と15日のヒヌカン(かまどの神様)とトートーメー(仏壇=ご先祖様)への拝みとともに、それぞれの月でさまざまなものがありますよね。

 

九月と言えば旧暦九月七日に行われる、九十七歳の長寿を祝うカジマヤーが有名ですが、それ以外にも、沖縄では多くの御願があり、どれも大切にしている方が多いのが特徴的。

 

例えばお月様を愛でる旧暦九月十三日の「十三夜」や観音様を拝む「十八夜」などなど…。沖縄の御願を丁寧に行って、季節の移り変わりを感じながら、毎日を丁寧に過ごしたいですよね。

 

そこで今回は、そんな旧暦の九月に行われる沖縄の御願行事のひとつ、「菊酒(チクザキ)」と、この時期に行われる子育ての祈願についてお伝えします。

 



 

【沖縄の御願】九月に行うウートートゥ☆
菊酒と子育て祈願

 

旧暦九月九日は「菊酒」


沖縄の御願は中国の影響を受けたものが多く、旧暦で行うものがほとんどですが、この「菊酒」ももともともは中国から来た習わし。

 

中国では山の上に登って菊の葉を入れたお酒を飲むことで、健康でいられるとされてきました。沖縄の御願は旧暦の節句を基準。菊酒は「重陽」の節句に行われます。

 

【 沖縄の御願☆「菊酒」 】

 

★ 「菊酒」は沖縄で「チクザキ」と呼び、他の多くの沖縄の御願と同様、ヒヌカンの神様とご先祖様(トートーメー=仏だん)へお供えをして拝むもの。

 

・ お供えは簡単で、基本の日々のお供え物(ウサギムン)の他に、菊の葉を三枚いれた器に、泡盛やお酒を注ぎ、ヒヌカンの神様へは三杯、トートーメー(仏だん)へは二杯、供えればOK。

 

ちなみに、基本のお供え者はヒヌカンでは、お塩、水、(菊酒をお供えするためお酒はあるので)チャーギなどの供え葉があれば大丈夫。トートーメー(仏だん)は対のウチャトゥ(お茶)の他、お水が基本です。

 

ただ、多くの家では菊酒の行事なので、菊の供え花などを両端に供える光景は多いかもしれません。ヒラウコー(お線香)も、毎月ある基本の沖縄の御願同様、日本線香なら12本と3本、ヒラウコーではタヒラと半分を拝します。

 

(タヒラと半分は、二枚と半分の意味合い。一枚で6本くっ付いているので、最後は3本の半分にするのです。)

 

 

「菊酒」の豆知識


この菊酒をはじめ、多くの行事で沖縄では「ウサンデー」を行います。「ウサンデー」とは仏だんでもお墓でも、ご先祖様の前でお供え物や食事を集まった人々でいただくこと。

 

「菊酒」もまた、ウサンデーされるので、お酒が好きな家ではたっぷりのお酒を注ぐことも多々あります。

 

【 沖縄の御願:菊酒の豆知識 】

 

★ では子どもはどうするのか…、と言えば当然飲むことができないので、菊酒をお父さんやお母さんが、指に付けて、子どものおでこにちょんちょん、と付けてあげるのが一般的。

 

・ これは一部の沖縄の方の言葉で「ウビナディ」。例えば「お父さん、そろそろウビナディして~。」と言うのです。

 

 

菊酒での沖縄の御願の言葉


他の沖縄の御願でも同じですが、行事ではそれぞれにヒヌカンやトートーメーへ拝む際に「詞」があります。とは言え、家によって多少変わったりもしますが、内容はほぼ同じ。以下のような内容です。

 

【 沖縄の御願:菊酒での詞 】

 

「本日、菊酒の日を迎えました。

 

ヒヌカンガナシー(ヒヌカンの敬称)、ご先祖みなみなさまのお蔭で、本日まで家族全員が幸せに健やかに暮らすことができました。

 

ありがとうございます。

 

今後ともどうぞ、変わらず家族みな、健やかに仲良く暮らしていけるよう、お見守りください

 

ミーマンティ ウタビリソーリ ウートートゥ

 

ちなみに、最後の「ミーマンティ ウタビリソーリ ウートートゥ」はほとんどの沖縄の御願で、最後に付く言葉なので、覚えておくと便利です。

 

 

商売の神様、「関帝」


沖縄の方々で起業していたり、金銭面でのお願い事がある方々は、一部では「関帝」への拝みをする地域なども見受けられます。その「関帝」とは、那覇市の久米にいらっしゃる神様

 

【 沖縄の御願:十三夜の拝み 】

 

★ 関帝を祀っているのなら、十三夜の拝みをしているはず。本州でも十三夜がありますが、こちらも月が見え始めてから御願をするのが特徴。

 

・ 関帝を祀っている家では、掛け軸があることが多く、その掛け軸の前にお供え物を供します。とは言え、大掛かりなものではなく、果物の盛り合わせと、お菓子の盛り合わせ、お酒を供えれば完成。

 

従来はタヒラと半分ですが、関帝へのヒラウコーはタヒラ。日本線香で言えば12本です。この日は商売や家の繁栄を祈願してください。

 

久米至聖廟にいらっしゃり、久米の一部では、この関帝を守護神として祀っている家も見られるほどです。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、本日は旧暦九月に行われる沖縄での御願、菊酒(チクザキ)と十三夜についてお伝えしました。

 

本州でも十三夜にお団子を供えてお月見をする風習がありますが、沖縄のものとは少し違ったのではないでしょうか。ただ本文でもお伝えしたように、商売やお金に関する神様なので、全ての家での行事ではありません

 

関帝だけではなく、それぞれの家の願い事などにより、祀っている神様が違うことも、一部ではあります。どこの家でもヒヌカンは祀っていることが多いのですが、関帝を祀る家は特に那覇市の久米地域に多いのが特徴。

 

ヒヌカンは主婦の相談役、とも言われていますが、何か困った時、迷った時に頼れる神様がいるのは心強いこと!ぜひ沖縄の御願を習慣にして、頼れる神様と対話をしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

まとめ

旧暦九月の行事、菊酒と十三夜

・旧暦九月九日が菊酒の日
・菊の葉を三枚、お酒を注いでお供え
・ヒヌカンへは三杯、仏だんへは二杯供する
・御願後はウサンデー、お酒を飲む
・子どもへは菊酒をおでこに付ける
・関帝は商売繁盛や金銭の神様
・関帝を祀っている家は旧暦13日に御願

 



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