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沖縄のお彼岸は本州とは違う。その歴史と風習5つの違い

沖縄のお彼岸は本州とは違う。その歴史と風習5つの違い
沖縄でもお彼岸は行いますが、本州のものとは少し違います。沖縄の春のお彼岸の場合、お墓参りには行かないのですが、他県の方々は少し驚きますよね。

 

本州の行事の多くは仏教の教えが基本になっていますが、もともと独自の御願文化を辿ってきた沖縄では、お彼岸はもちろん、その死生観や考え方なども数多く違うところがあります。

 

実は沖縄ではお彼岸は本州から伝わってきた文化で、長い沖縄の御願の歴史のなかでは、とても新しい風習です。けれども本州から沖縄にお彼岸が流れた後、沖縄らしい習慣に変化してきました。

 

そこで今回は、本州とは大きく違う沖縄のお彼岸、その行い方とともに、沖縄のお彼岸への考え方をお伝えします。本州のお彼岸も良いですが、沖縄のお彼岸も感慨深いものがあるので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。


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沖縄のお彼岸は本州とは違う。
その歴史と風習5つの違い

 

沖縄の「あの世」、仏教の「あの世」


そもそも「お彼岸」は仏教用語で「あの世」を指しています。川を渡った向こう岸が「あちらの岸」で「彼岸」、対してこの世は「こちらの岸」で、「此岸(しがん)」と言います。

 

仏教が浸透している本州で、春分の日と秋分の日を「春の彼岸」「秋の彼岸」としてお墓参りをするのには、太陽が真西に沈むことが由来し、「直線になるこの日は、あちら側と繋がっている」とされてきました。

 

そのため、本州ではお彼岸時期にお墓参りに行くことで、ご先祖様に会いやすいとされてきたのですが、ただ沖縄では「あの世」と「この世」は、呼び方から違います。

 

【 沖縄のお彼岸、あの世とこの世 】

 

★ 沖縄ではあの世は「後生」と書いて「グソー」、亡くなった方は「グソーンチュ(亡くなって間もない人は「ミーグソー」)」と言い、対してこの世で生きている者は、「生身」と書いて「イチミ」と言うのです。

 

・ さらに沖縄では風葬の歴史がありました。風葬では村の裏山などに遺体を安置し、だんだんと風化された後に残された骨を洗い(洗骨)、沖縄の骨壺(「厨子甕(ジーシガーミ)」に納めていたのです。

 

そのため、昔は集落の裏に「後生山(グソー山)」と呼ばれる山があった地域も多く、人々はあまり近寄らず、これらの山のイメージが現在にも至っていると考える方々がいます。

 

それを考えると、川でなく山にあの世があることになるので、沖縄のお彼岸はまた、一味違うものとなったのかもしれません。

 

 

御先祖様はどこにいる?


沖縄のお彼岸の特徴として、沖縄の春のお彼岸では現在、お仏壇を中心に営まれていることが挙げられます。本州から沖縄にお彼岸の風習が流れた時には、お墓参りに行く様子も見られたのですが、今ではすっかりなくなりました

 

そこには、沖縄のお仏壇とお墓に対する独特の考え方、死生観があるのかもしれません。

 

【 沖縄のお彼岸、お仏壇が中心 】

 

★ 沖縄ではお彼岸時に、お仏壇へお供え物をして拝みを捧げるのが習わしです。これは沖縄では「お仏壇とお墓は繋がっている」とされていることにあるのではないでしょうか。

 

・ さらにお墓は「周囲のお墓の人々が寂しがる。」などの理由で、むやみにお墓参りには行きません。沖縄の御願儀礼で定められた日に、どの門中(家)でもお重料理の御馳走を携えて、盛大に行うのです。

 

これらのお墓参り行事は、「ジュウルクニチー(旧暦1月16日)」や「シーミー(清明の節気)」、「七夕(旧暦7月7日)」などがあります。

 

沖縄では春のお彼岸は新しい風習のためか、これには当たらないので、家内でお仏壇を前にウサンミを広げ、ヒヌカンやお仏壇へ取り分けて拝んだ後、皆で美味しくいただきます。

 

 

お仏壇に拝む前に…


沖縄では今でも多くの神様が息づいています。そのため沖縄の彼岸の入り日には、屋敷を守ってくれる神々へ感謝を捧げる「屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)」を行うのも特徴的です。

 

【 沖縄のお彼岸、彼岸の入り日 】

 

★ 屋敷の御願では、お供え物とビンシーを携えて、家の神々が鎮座する場所を巡って拝みます。

 

・ ①ヒヌカン、②仏壇、③家の四隅に鎮座するユンシヌカミ、④門にいるジョウヌカミ、⑤トイレのフールヌカミ、⑥中央にいるナカジンヌカミへ、感謝と今後の家内の健康や繁栄を祈ってください。

 

この屋敷の御願は沖縄の春のお彼岸(旧暦2月)の他にも、旧暦8月、年末となる旧暦12月にも行います。拝み方など、詳しくは別記事「【沖縄の御願】旧暦2月8月12月に行う、屋敷の拝み方1」などでお伝えしています。

 

 

沖縄ではお彼岸の拝みも、ヒヌカンから


沖縄では八百万の神々が今も暮らしに息づいているとともに、「祖霊信仰」と言われるように、ご先祖様を神様として扱う風習もあります。

 

沖縄で「御嶽」と呼ばれる神人(神女、ノロ、ユタなど)が拝みを捧げる拝所では、もともとが沖縄の英雄が葬送された葬所だった場所なども多いです。ですからご先祖様に拝みながら、同時に神様へも祈っていることになります。

 

【 沖縄のお彼岸、まずヒヌカンから 】

 

★ 沖縄では御願を行う時には「まずヒヌカンから」拝みを捧げて、「これから〇〇の御願を行います。」と報告をするのです。

 

・ 沖縄のお彼岸でもこれに違わず、まず台所に鎮座しているヒヌカン(ヒヌカン)へお供え物と拝みを捧げ、お彼岸の報告をして、続いてお仏壇へと移ります。

 

ヒヌカン(火の神)は、かまどの神、火の神と言われていますが、同時に「ウトゥーシドゥクル(お通し処)」であり、屋敷の神々へヒヌカンを通じて報告ができる神様なのです。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今回は沖縄のお彼岸について、本州との違いを中心にお伝えしました。そもそも沖縄ではお彼岸にお墓参りをしないので、全く違う、沖縄ならではの御願行事となっています。

 

今回は沖縄の春の彼岸についてお伝えしましたが、秋の彼岸では外廻り(春の彼岸は内廻り)と言い、お墓参りに行く地域もあります。ただ、秋の彼岸も同じように家で行う家が多いです。ひとつだけ、彼岸の入り日の屋敷の御願は、沖縄では春の彼岸の時のみ、行われる傾向が強くなりました。

 

沖縄では本州ほどお彼岸は重要視されていないため、沖縄のお墓参り行事である「清明祭(シーミー)」などほど、盛大ではありません。なかには沖縄では、お彼岸の拝みを行わない家もあるのではないでしょうか。

 

けれども日ごろからヒヌカンや仏壇に手を合わせ、日々神様や先人達と繋がっている沖縄の人々の考え方を、沖縄のお彼岸から感じ取ることができます。

 

 

まとめ

沖縄のお彼岸、本州との違い

・沖縄であの世は「グソー」この世は「イチミ」
・沖縄ではお仏壇へ拝んでお彼岸を迎える
・彼岸の入り日に屋敷の神々へ御願を行う
・お彼岸の御願も神様(ヒヌカン)から行う

 


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