【沖縄の御願】旧正月を祝う準備。「ハレの料理」レシピ
沖縄の御願行事のお供え物でしばしば「ハレの料理(ハレの膳)」と聞くものの、どう料理して何を準備して良いか、初めてだと戸惑いますよね。
「ハレの料理」は旧正月や、60歳以上の「ウフトゥシビー」と呼ばれる年祝いなどで出され、ヒヌカンやお仏壇などへも供えられます。
近年ではスーパーでも販売されていますが、お金も掛かりますし、一度覚えてしまえばそんなに難しい料理ではありません。せっかくなら準備も楽しんで、ハレの日を迎えたいですよね。
そこで今回は、沖縄の御願行事でもお祝いの日に用意する料理、「ハレの料理」のレシピをいくつかお伝えします。
沖縄の御願でお供えする料理は、本来であれば「ウサンデー」として、集まった人々で美味しくいただく料理ですので、自分で「美味しく」アレンジして料理まで楽しむのも一案です。
【沖縄の御願】旧正月を祝う準備。 「ハレの料理」レシピ
ハレの料理の定番、クーブイリチー
沖縄の御願で供えられる料理として定番でもあるのが、「クーブイリチー」です。「クーブ」は昆布、「イリチー」は炒め煮を指しているので、「クーブイリチー」は「昆布の炒め煮」となります。
伝統的なクーブイリチーは豚肉のかたまりを出し汁として使い、その豚肉を細かく切り分けますが、近年の沖縄の若い世代に人気がある、便利な「時短」クーブイリチーレシピがコチラです。
★ 材料 ★
① 具材 … 昆布、こんにゃく、かまぼこ、豚の切り落とし
② 調味料 … きび糖、醤油、酒、たっぷりの鰹節で作った出汁、油
① 下準備 … こんにゃくは細切りにしますが、アクを取る必要があるので、塩もみをして熱湯を通してください。その他の具材(かまぼこや昆布)は細切りで揃え、豚肉も同じく細めに揃えます。
② 炒める … 先に豚肉を炒めながら、火が通ったら、かまぼこ以外の残りの具材を入れて炒めてください。
③ 出汁を加える … 材料でお伝えしたきび糖、醤油、酒、出汁を加えます。出汁はカップ1と1/4(250cc程度)、残りの調味料は大さじ2杯を目安に加え、落し蓋をして煮詰めます。
④ 完成 … 10分くらい煮詰めて充分に煮えたら、最後にかまぼこを加えて数分(5分前後)で出来上がりです!
きび糖の甘みは好みがありますので、大さじ1.5杯くらいで試して、足りなければ少し足しながら調整しても良いかもしれません。昆布を多めに用意してちゃんと「クーブイリチー」にすると縁起が良いです。
豚肉のごぼう巻き、「グンボーマチ」
お祝いの沖縄の御願料理では「グンボーマチ」も、おもてなし料理として定番ではないでしょうか。沖縄の方言で「グンボー」は「ごぼう」、「マチ」は「巻き」ですので、「ごぼう巻き」の意味合いとなります。
★ 材料 ★
① 具材 … 豚肉はできるだけ薄いロース肉、ごぼう(芯になるため大き目の泥付きごぼうが人気です。)
② 調味料 … あく抜きのための酢、酒、醤油、砂糖、たっぷりの鰹節で作った出汁
① 下準備 … ごぼうは酢に付けてあく抜きを行い、皮を削ぎます。豚肉の幅に合わせて切りそろえた後に茹で、ごぼうを芯にして豚肉をしっかり巻いてください。
② 煮付ける … 豚肉を巻いた端の面を下にして(豚肉が剥がれにくくなります。)鍋に並べ、②の酒を大さじ1杯の他、醤油、砂糖をそれぞれ大さじ1.5杯加え、さらに出汁カップ1を加えます。
③ 完成 … あく取りをしながら落し蓋をして約30分前後、充分に煮込んだら完成です!
最近では豚肉をごぼうに撒いた後、煮つける前に油で焼いて焼き色を付ける家もあります。
沖縄の祝い御願料理、イナムドゥチ
祝いの沖縄の御願でいただく料理には、「イナムドゥチ」もあり、「イナムドゥチ」の「イナ」が「イノシシ(猪)」、「ムドゥチ」が「もどき」なので、「イノシシもどき」です。
前述した「クーブイリチー」では、豚のかたまり肉から始めない時短料理レシピをお伝えしましたが、今回は本来の豚の茹で汁も出し汁にしていただくレシピをお伝えします。
★ 材料 ★
① 具材 … 豚の三枚肉、干しシイタケ、コンニャク、揚げ豆腐、かまぼこ
② 調味料 … たっぶりの鰹節で作った出汁、白味噌
① 茹で豚を作る … 鍋にたっぷり水を入れたら、豚の三枚肉のかたまり(200g程度)を茹ででください。最初は強火にしてあくを取り、後は弱火~中火でじっくり、50分前後茹でます。
② 茹で豚の汁は出汁にするため、捨てずに残してください。干しシイタケも水でもどしておきます。
③ 下準備1 … 茹で豚は短冊切りにし、干しシイタケも石づきを取ったら同じく短冊切りにしてください。
④ 下準備2 … コンニャクは、同じ大きさの短冊に切ってから茹でてあく取り、揚げ豆腐も熱湯に通して油抜きをしてください。揚げ豆腐、かまぼこも全て短冊切りで揃えます。
⑤ 味噌汁を作る … 鍋にカツオ出汁と豚の茹で汁を半々にたっぷりに入れ、具材を豚肉→シイタケ→コンニャクと揚げ豆腐の順番で入れて煮立て、白味噌を溶いて味噌汁を作ってください。
⑥ 完成 … かまぼこを加えたら完成です!
いかがでしたでしょうか、今回はお祝いの席の沖縄の御願、ハレの料理レシピを何品かお伝えしました。もちろん、この他にも沖縄の御願行事で供えられる伝統レシピは数多くあります。
イナムドゥチは「イノシシもどき」の料理ですが、実はその昔の琉球料理を真似した料理で、琉球料理ではイノシシが食材として登場していました。
また、クーブイリチーにしても、最後にお伝えしたイナムドゥチにしても、豚の三枚肉が登場しますが、沖縄の御願料理には豚の三枚肉は欠かすことができません。
本州では「殺生」として、法事の席では御法度の肉料理ですが、沖縄では枕飾りにお供えする料理でさえも豚の三枚肉を茹でた「シラベーシ」まであるほどです。
現在では沖縄の御願料理は、その時期になるとお惣菜として販売されていますが、一品でも作って楽しんでみてはいかがでしょうか。
まとめ
沖縄の御願料理レシピ
・昆布と豚肉などを炒り煮した「クーブイリチー」
・ごぼうを豚肉で巻いて煮付けた「グンボーマチ」
・白味噌の豚肉の具だくさん味噌汁「イナムドゥチ」
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