【沖縄の御願】旧暦6月に行う、ルクグァッチカシチー
沖縄の御願行事では、「ウマチー」や「カシチー」と呼ばれる収穫祭がありますよね。ただ、琉球王朝時代には大切な沖縄の御願行事だったものの、今では都心部周辺ではすっかり見なくなりました。
ただそれでも、現代も集落として拝み、綱引き行事まで行う集落もありますし、門中や家単位で、ヒヌカンとお仏壇にお供え物をして拝む家も、まだまだ多いです。
そこで今日は、沖縄の御願行事、旧暦6月に行う「ルクグァッチカシチー」の拝み方をお伝えします。
【沖縄の御願】旧暦6月に行う、
ルクグァッチカシチー
沖縄の御願、ルクグァッチカシチー
ルクグァッチカシチーは「ルクグァッチ」が「六月」、「カシチー」は米の収穫祭ですので、「(旧暦)六月の米の収穫祭」です。
【 沖縄の御願:ルクグァッチカシチー 】
★ ルクグァッチカシチーは旧暦6月24日、25日に行う儀礼で、この日にお米が無事に収穫できたことを報告し、感謝を捧げます。
・ 「カシチー」は「強飯」と書き、もち米で炊いたおこわを差しています。収穫したての新米でおこわを炊き、供えるのが語源です。
このカシチーですが、もち米と小豆で炊く赤いおこわが一般的ですが、ルクグァッチカシチーの沖縄の御願では、小豆を入れずに炊く白いおこわを準備する家も多く見受けます。
沖縄の御願、ヒヌカンへのお供え物
家でのルクグァッチカシチーの沖縄の御願では、まずヒヌカンへ拝みますが、その時のお供え物はコチラです。
【 沖縄の御願:ヒヌカンへのお供え物 】
・ 基本のお供え物 … お酒・塩・水、チャーギなどの葉
・ カシチー … 茶碗一杯
沖縄の御願、お仏壇へのお供え物
続いてお仏壇へお供え物をして手を合わせます。
【 沖縄の御願:お仏壇へのお供え物 】
・ 基本のお供え物 … お茶一対(二杯)・お酒・供え花一対(二基)
・ カシチーの膳 … カシチー・酢の物の小皿・汁もの
カシチーの膳にはお箸も添えてお供えをしてください。お供え物をしたら手を合わせ、ヒラウコーをタヒラ(二枚=日本線香12本)拝して、収穫を報告し、感謝を捧げ、来年も見守っていただくよう、お願いしてください。
この時期の沖縄の御願
このように、旧暦6月24日、25日にはもち米を炊いたおこわ(カシチー)を供えるルクグァッチカシチーの沖縄の御願がありますが、地域単位でも収穫祭が見受けられます。
【 沖縄の御願:この時期の拝み 】
★ 南部地域ではの収穫祭には「アミシの御願」があり、古くは朝一番に汲んだ井戸の「若水(ワカミジ)」を指の腹で額に浸ける「ミジナティー」をしていました。
・ ただ現代では地域で綱引き行事が有名です。家ではヒヌカン(お仏壇)にお酒と共に、新米のご飯(ウブク)をお供えして、手を合わせます。
「アミシの御願」の「アミシ」は「水浴び」の意味合いがあり、さらに昔の時代に行われた沖縄の御願では、沐浴で身を清め、「若返る」儀礼を行っていたそうです。
人だけではなく、牛や馬も沐浴をしていました。
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の御願、旧暦6月24日・25日に行われる、ルクグァッチカシチーについてお伝えしました。カシチーと言えば「強飯」、新米のもち米で炊いたおこわです。
本文では小豆を入れない白いカシチー(おこわ)とお伝えしましたが、地域や家によっては小豆を入れたカシチーもあります。
また、南部地域の沖縄では「アミシの御願」が今でも見られますが、中部地域などになると「ミーメーウイミ」と呼ばれる収穫祭が有名です。こちらはもち米ではなく、新米のご飯を供える家が多い傾向にあります。
まとめ
ルクグァッチカシチーの拝み方
・6月24日・25日に行う収穫祭
・収穫したもち米で炊いたおこわを供える
・おこわはヒヌカン、仏壇に供える
・地域行事として綱引きも見られる
・南部では若水を額に浸ける「アミシの御願」もある
・中部では新米のご飯を供える「ミーメーウイミ」もある
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