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【沖縄の御願】旧暦6月に行う、ルクグァッチウマチー

【沖縄の御願】旧暦6月に行う、ルクグァッチウマチー
沖縄の御願には、稲穂祭りの「ウマチー」がありますよね。地域行事としてはすっかり見なくなりましたが、今でも御嶽に行くと、拝む姿を見かけることがあります。

 

もともとウマチーは、前述したように稲の収穫祭でしたが、今では商売繁盛や、家族や子どもの健康祈願としても行われる御願です。

 

昔ながらの沖縄の御願、ぜひ丁寧に行って次世代にも残したいですよね。そこで今日は、旧暦6月に行うウマチー、拝み方についてお伝えします。

 



 

【沖縄の御願】旧暦6月に行う、
ルクグァッチウマチー

 

旧暦6月、ルクグァッチウマチー


沖縄の御願では旧暦6月15日が「ルクグァッチウマチー」となり、この日は稲の収穫祭です。

 

【 沖縄の御願:ルクグァッチウマチー 】

 

★ 琉球王朝では集落毎に行っていた大切な沖縄の御願行事でした。「ノロ」と呼ばれる琉球王朝に仕える神人や役人が列をなし、地域の御嶽を巡っていたのです。

 

・ また、門中単位でのルクグァッチウマチーの沖縄の御願もあり、集落単位のウマチーがない地域でもしばしば見受けます。門中単位では、祖神まで参拝し手を合わせてください。

 

実は旧暦4月下旬頃に行う沖縄の御願、「アブシバレー(害虫除けの儀礼)」の後には、物忌み行事である「ヤマドゥミ」「ウミドゥミ」がありますが、この時期には解かれます。

 

ヤマドゥミやウミドゥミは、山や海へむやみに入ってはならない禁忌行事なのですが、このルクグァッチウマチーの沖縄の御願を集落単位で行う地域では、解かれた後に綱引き行事が見つけられるのが特徴です。

 

 

ルクグァッチウマチー、拝所での拝み方


まず集落の拝所(御嶽など)へ拝む時の拝み方ですが、琉球王朝では王朝に仕える神役、ノロが拝所を回っていました。そのため、これはその地域や集落の繁栄への祈願です。

 

【 ルクグァッチウマチー、沖縄の御願 】

 

★ 拝所の前へ下記のお供え物をしてください。

 

・ 稲の穂
・ 神酒の「ウンサク」(※)
・ 花米(※2)

 

…これを膳に並べます。

 

そしてヒラウコーをタヒラ半(二枚と半分)拝して、手を合わせます。

 

 

「ウンサク」や花米って?


沖縄の御願行事では、ルクグァッチウマチーに限らず、ウマチーの儀礼で「ミキ(神酒)」を供えます。

 

ウマチーには「穂祭」と「大祭」があって、「穂祭」では成っていない穂から作る「シルマシ」が供えられ、大祭では収穫した穂から作った「ウンサク」を供えるのが、本来の習わしです。

 

【 沖縄の御願:「ウンサク」 】

 

★ 集落単位でウマチーを行ったり、幸地腹門中のような大きな門中では、朝から皆でポリバケツに神酒(デンスとも言います。)を作ります。

 

・ ただ、小さな門中では宗家の家長のみだったりと、個人単位では難しいですよね。そのため、現代ではヤクルトや市販の「ミキ」もしばしば見かけます。

 

一方、花米は「新しいお米」で、まだ洗っていない段階のお米です。

 

 

ルクグァッチウマチー、神棚への拝み方


門中や宗家の家族など、小さい規模で行うルクグァッチウマチーの沖縄の御願では、拝所に拝んだ後、宗家の家の神棚にもお供え物をして拝んでください。

 

【 沖縄の御願:神棚への拝み 】

 

★ 神棚へのお供え物は下記の通りです。

 

・ 花米
・ 神酒(ウンサク)
・ ムィグァーシ(菓子の盛り合わせ)
・ 果物の盛り合わせ

 

ムィグァーシは御願(法事)用のお菓子店や、スーパーでも購入することができる、落雁やマキグァーシなどがあります。一方、果物は何でも構いませんが、バナナやりんご、ミカンが多いです。

 

コチラのヒラウコーはタヒラ(二枚)、拝所でのタヒラ半(二枚半)とは違うので、注意をしてください。

 

 

各地で違う呼び名


昔ながらの沖縄の御願では、旧暦二月・三月・五月・六月の四回の「ウマチー」がありましたが、今では地域によって違いがありながらも、全てを行う集落はほとんど見かけません。

 

それでも、比較的この旧暦六月に行う「ルクグァッチウマチー」だけは行われることが多いです。ただ、地域によって呼び名が変わることもあります。

 

【 沖縄の御願:呼び名の違い 】

 

① 粟プース(夏プース・六月プース) … 宮古地方の呼び名で、神に仕える女性が御願を行います。お酒は穂ではなく、粟になるのが特徴です。

 

② プーリィ(プール) … 八重山諸島の呼び名です。二日間に渡り行われるのが特徴で、一日目は神に仕える女性による御願、二日目は集落でお祝いをします。

 

…ただし、もともと琉球王朝では旧暦六月と定められていたものの、15日と正確な日にちは決まっていなかったため、離島地域ではそのまま、旧暦六月の「吉日」に行います。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今日は都心部ではすっかり見なくなったものの、地方でも地域行事として今にも残る沖縄の御願行事、「ルクグヮッチウマチー」についてお伝えしました。

 

「ルクグァッチ」は「六月」を意味しますので、この他にも「ニングァッチ(二月)」ウマチーや、「グングァッチ(五月)」ウマチーがあります。

 

ただ、なかでも多くの地域で行われるのが、このルクグァッチウマチーです。また旧暦六月には「カシチー」と呼ばれる豊年祭もあります。ぜひ、心に留めながら、過ごされてみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

「ルクグァッチウマチー」とは

・ルクグァッチウマチーは収穫祭
・集落単位では神人が拝所を巡り拝む
・門中単位では宗家の神を訪れ拝む
・この日には穂で作った神酒を供える
・今、小さな単位ではヤクルトなども見る
・家では果物や菓子も供える
・八重山諸島では違う呼び名で行う地域もある



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