レスパイトケアで作る自分時間☆経験者のリフレッシュ法
「レスパイトケア」と聞かれてもピンと来ませんが、「ショートステイ」などと聞けば、介護保険サービスを利用している方なら分かりますよね。「レスパイトケア」は、介護者が一定期間、介護から離れることです。
レスパイトケアによって介護者は介護の環境から離れ、自分の時間を取り戻しながらリフレッシュできます。日本ではこのレスパイトケアを行うと、親族から非難される事例もあるのですが、実は介護者のストレスケアこそ、長い介護生活では重要なのです。
頑張り続けた結果、介護うつによって亡くなったり、被介護者を虐待してしまう例もあります。そのため、周囲もレスパイトケアを知り、理解を深めることが大切になります。
そこで今回は、介護者のストレスを小さい芽の内に摘み取るいくつかの方法を、「レスパイトケア」の概要とともにお伝えします。
レスパイトケアで作る自分時間☆
経験者のリフレッシュ法
レスパイトケアとは
夫婦で介護をしたり、高齢の子どもが親の介護をする「老々介護」が増えている昨今、介護者のストレスは深刻な問題です。介護うつを発症する人も多く、介護時の虐待に至る原因にもなっています。
そんななかで注目されている「レスパイトケア」は、介護の現場から離れて、リフレッシュすることです。
【 レスパイトケアとは 】
★ 介護保険サービスの多くが、被介護者本人のケアを対象としていますが、レスパイトケアは介護者のストレスケアで、ショートスティなどを利用してリフレッシュできます。
・ ショートスティの介護保険サービスで言えば、要介護認定には有効日数がありますが、この日数の半分を利用することができます。(そのため、要介護認定の段階によって、利用可能日数は異なるのです。)
その他にもディサービスなどを利用して、毎日こまめに離れた時間を積極的に取るように暮らしを変えることも、レスパイトケアのひとつです。
レスパイトケアの必要性
それでも地域によって、また年齢層によっては、介護者が積極的にレスパイトケアを求めることを良しとしない傾向もあります。「病気も冠婚葬祭もないのに、知らない人に被介護者を預けて良いのか!」などと非難されると、相談に訪れる方も多いのが現状です。
痴ほう症など、高齢者の介護では理解も少しは進んでいますが、重度障害の子どもを持つ母親などがレスパイトケアを求めた時には、周囲やパートナーから非難されることも多い傾向にあります。
そのため、レスパイトケアは本人も自ら声を上げ、周囲へは介護者のストレスをこまめに解消する、レスパイトケアの重要性を理解してもらうような働きかけを進めなければなりません。
【 レスパイトケアが現代に必要な理由 】
★ 隣近所での助け合いや情報交換も多かったひと昔前と違い、現代は地方でも核家族化が進み、家内の問題は外から見えにくくなっています。
・ 日本人は「私が頑張らなければ。」と責任感が強い傾向もあるため、本人も気づかぬ内に介護うつや病気を患い、共に介護が必要な状態になってしまうケースも多いです。
さらに近年では経済的に老後の暮らしに余裕のない家庭も増え、生活保護を受けることはできるものの、介護負担を軽減するような民間サービスも受けにくく、介護者が孤独なまま、介護うつに陥るケースが少なくありません。
定期的なチェックと周囲への認知
在宅介護で介護者自身が「孤独に陥っているのでは…。」と感じるならば、まずは積極的に周囲へ相談をしてみることをおすすめします。
親族や兄弟がレスパイトケアへの理解が深ければ問題ありませんが、不安が残るのなら介護の現場やレスパイトケアに明るい、専門家に相談するのが一番です。
【 レスパイトケアの相談 】
★ まずは地域包括センターへ相談してみるだけでも、道が開けることは多いです。介護保険サービス内で、ショートスティやディサービスを日常に上手く取り入れたり、相談事を聴いてくれるカウンセラーを紹介してくれることもあります。
・ また、地域で同じ立場の人々が集まる場を提供したり、サークルも見られるようになりました。同じ病気の介護者が集まる会なども見られるので、役所などに問い合わせたり、新聞をこまめにチェックするのもおすすめです。
定期的なレスパイトケアの間に、趣味のサークルや教室に通うのもリフレッシュになります。特にヨガや合唱サークルなど、声を出したり体を動かす集まりは、発散されやすいので一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか、今回は経験者の多くが必要と答える、介護者のレスパイトケアについてお伝えしました。日本では地域によっては、「私が頑張れば良い。」と言う、自己犠牲の精神を良しとする傾向もあり、介護者本人が抵抗を示すケースも多いです。
そこまで自己犠牲の自覚はなくとも、「他の人に預けて大丈夫だろうか…。」とか、「(被介護者)本人が嫌がっているから…。」などの理由で、ついつい被介護者を優先して、レスパイトケアを先延ばしにしてしまう傾向があります。
けれども、介護者のストレスは小さい内なら短い時間でも解消できますが、積もり積もって大きくなればなるほど、自殺願望や虐待に繋がり、解消する事が困難になるため、結果的により多くの時間を割くことになります。
被介護者のディサービスなどの拒否問題も取り沙汰されていますが、「まずは自分」くらいの気持ちで、強く自分の心のケアを意識してみてはいかがでしょうか。
まとめ
介護者がストレスを溜めないためのポイントと方法
・介護者のストレスは小さい内に摘み取る
・介護現場から離れる「レスパイトケア」は有効
・ケアマネージャーに相談する
・ショートスティやディサービスを利用する
・介護者が自分から積極的にストレスケアをする
・同じ立場の人々が集まるサークルも有効
・体を動かすなど、趣味のサークルにも参加してみる
・「まずは自分」くらいの意識でストレスケアをする