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自然葬を選んだ体験談。先輩から学ぶトラブル回避術

自然葬を選んだ体験談。先輩から学ぶトラブル回避術

自然葬は「終活」の広がりとともに認知度が広がった、新しい価値観のひとつの形。「自然に帰る」ことを目的として、遺骨を海に散骨したり、樹木のもと、土に帰る葬送方法のひとつです。

 

遺族としては遺骨を埋葬してお墓を建て、故人を偲ぶことは昔ながらの風習でもあり、心が落ち着く方法でもあります。けれども終活が広がることで、本人が自分亡き後の姿を選ぶ事例が増え、自然回帰の新しい価値観が広まったとも言えます。

 

とは言え、やはり長きに渡る日本の風習とは違う側面があるために、いざ自然葬を進めるとなると、様々な壁が現れることも…。自分の希望が、大切な遺族の負担になることは、避けたいですよね。

 

そこで今回は、現在広がる自然葬で起きやすいトラブルとその回避方法を、事例を元にお伝えします。

 



 

自然葬を選んだ体験談。
先輩から学ぶトラブル回避術

 

自然葬は「遺骨がなくなる」葬送方法


自然葬を決断する時に、くれぐれも理解しておきたいことは、「自然に帰る。」=「遺骨は自然に還元されて、なくなる。」と言うことです。

 

【 遺骨がなくなる、と言う意味 】

■ お墓や納骨堂と、仏教の法事法要では、遺骨を埋葬して故人の魂を弔います。そのため、「遺骨がなくなる」ことを快く思わない方々もなかにはいるのです。

 

自然葬と言う自然回帰の考え方や価値観は、無宗教と言われながら仏教による弔いが広がる日本において、「新しい価値観」であることは、意識した方が良いのです。

 

 

親族で話し合って決断をする


このような事情から、まずは親族での話し合いの場を持ち、しっかりと理解・納得してもらってから、自然葬を決断することをおすすめします。

 

【 自然葬、親族から言われた言葉 】

■ 自然葬は墓石を建てる必要がないため、結果的に費用が少なく納まります。そのために、キチンと説明を受けていない親族から、「お墓を建てる費用を惜しんだ。」などと言われ、トラブルになった事例もあります。

 

親族間でのトラブルの多くは、事前に相談や説明をしなかったことで起こることが多いため、まずは相談と言う気持ちで進めると、よりスムーズです。

 

 

生前契約であれば、事前に理解を得る


このような親族間のトラブルは「自分で生前契約しているのだから、故人の遺志として、問題はない!」と考えているケースでも、同じです。この場合、親族と遺族や喪主とのトラブルよりも、遺族による苦情が見受けられます。

 

【 生前契約による、遺族とのトラブル 】

■ 故人が生前契約によって、自然葬を葬儀社と契約し、手続きをしていたものの、葬儀社が自然葬を進める際に、遺族から「そのつもりはない。」と苦情を出す事例も多いのです。

 

このようなことのないように、生前契約で自然葬を選ぶならば、事前に残る遺族にきちんと気持ちを説明し、納得してもらう必要があるのです。

 

 

菩提寺にも自然葬の相談をしておく


それでは、遺族や親族との理解が得られれば問題はないのか、と言えばそうとも限りません。次に考慮すべきなのは、お仏壇や位牌などの開眼供養などを依頼する、菩提寺です。

 

【 菩提寺にも事前に確認 】

■ 菩提寺によっては「遺骨のない仏壇やお墓に供養はしない。」と、法要を断られることがあります。

 

自然葬を済ませてしまった後では、そう言われても、遺骨を手元に戻すことはできません。事前に自然葬を希望している旨を伝え、相談しておくと、後々の法要がスムーズなのです。

 

 

「分骨」という解決方法も


このように様々な事情や関係性から、「遺骨がなくなる」と言うことは、本人が思う以上にトラブルを起こしたり、問題が生じます。もちろん「供養も法要も、何もいらない。」と言う価値観もありますが、そういう方々ばかりではありませんよね。

 

【 自然葬を行いつつ、従来の供養もしたい 】

■ 故人の意向に沿う自然葬と、自分達の心の拠り所としてのお墓、双方を叶えたい場合には、遺骨を分けて、それぞれに葬送する「分骨」と言う方法も考えられます。

 

分骨を行うことにより、問題が解決する事例はいくつかありますので、ひとつの方法としてぜひ、覚えておくことをおすすめします。

 

 

「手元葬」でも、いつかはお墓に埋葬も


自然葬とはまた赴きが異なりますが、手元葬と言う選択肢も増えてきました。遺骨を手元に置いて故人を偲ぶ方々も多いのです。けれども例えば夫婦であった喪主が、遺骨の手元葬を選択した場合など、やはりいつかは他の選択をする日は不可欠です。

 

【 手元葬を選択した場合 】

■ 子どもや孫の代になる前に、遺骨を埋葬する、自然葬で葬送する…、などの選択をすると、後々残る世代が困らずに済みます。

 

例えば遺骨の一部だけを、ダイアモンドや御釈迦様のような形に加工して、手元に持ち歩き、残りの遺骨を埋葬してお墓を建てる、などの選択もあるのです。

 

 

自然葬は故人の遺志であることが多い


ここまでお話をしてきましたが、自然葬を執り行う理由で最も多いのが「故人の遺志」。そのため生前に自然葬を希望するのであれば、より具体的に考えて、残る遺族の負担が少ないように、希望を伝えたいところです。

 

【 自然葬の注意事項 】

・ なかには「自分の土地に遺骨を撒いて」などの希望も見受けられますが、遺族が個人で遺骨を撒くことは、法律的にも周囲への配慮としても、とても難しい側面があります。

 

真剣に自然葬を望ならば、事前に自然葬を取り扱っている「専門業者」に相談をするなどしながら、進めていくことが遺族への思いやりでもあるのです。

 

 

いかがでしたでしょうか。海外などの映画を見ていると、海にパウダー状になった遺骨を個人で散骨している様子なども時折見かけることもあり、とても簡単にできることのように感じますよね。

 

けれどもやはり、「遺骨」であるだけに遺族や親族と言った関係者はもちろんのこと、散骨をする海や周辺住民への配慮も必要になり、法律的な問題も考慮しなければなりません。

 

それでも「自然回帰」をひとつの価値観として、遺骨の散骨を望むならば、少なくとも日本で散骨を行う場合には、気軽に決めてしまうことなく、周囲や菩提寺の理解を得て、専門家に相談することが必要なのです。

 

本記事を参考にしながら、トラブルのないように、遺族や親族、故人も含めた関わる全ての方々にとって、気持ち良く進めてください。

 

 

まとめ

自然葬で起きやすいトラブルとは

・自然葬は遺骨がなくなることを理解する
・トラブル回避には、親族の理解は不可欠
・生前契約でも、一人で決めずに家族に相談を
・菩提寺にも事前に相談、報告をする
・分骨を選ぶことで、解決することもある
・手元葬を選んでも、お墓を建てることも視野に入れる
・自然葬は個人で行わず、専門業者に依頼する

 



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