介護の費用が出せない…。注目されるリバースモーゲージ
介護の費用は、はじめの内は何とか用立てることができても、介護期間が長くなると、家族も働くことができずに収入が減ったり、貯金も底をついたりと、何かと切羽詰まる方も多いですよね。
とは言っても、介護の費用があってもなくても、毎日の暮らしは続けていかなければならない事柄。当事者にとっては、とても深刻な問題です。
そんな時、多くの方々が金銭面で助けられているのが、1981年、武蔵野市から始まった「リバースモーゲージ」と言う制度。
老々介護などでより多くの有料の介護制度を利用したいと思っている、一戸建ての持ち主であれば、一度は検討してみたい制度、その概要だけでも理解しておくと、何かと助かる場面もありそうですよね。
そこで今回は、介護の費用で困っている方々なら、一度は検討してみると助かることも多い、リバースモーゲージについて詳しくお伝えします。
介護の費用が出せない…。
注目されるリバースモーゲージ
介護の費用を捻出、リバースモーゲージとは
アメリカでは1960年代から、日本では冒頭でお伝えしたように1980年代から始まった「リバースモーゲージ」。簡単に言えばお金を借りることなのですが、老齢介護の費用に寄り添った制度です。
【 介護の費用で困ったら:リバースモーゲージ 】
★ 持ち家を担保に融資が受けられる制度で、民間銀行も最近参入したものの、もともとは自治体からお金を借りることができる制度でした。
・ そして、このリバースモーゲージの特徴は、生前はお金を返す必要がなく、借主が亡くなったら、担保にしていた持ち家を売り、一括で返済ができる、という点。
そのため、確かに持ち家を子ども達に残すことができないデメリットはありますが、介護の費用を返済なしで用立てることができるため、老々介護でも返済の心配をせずに済むのです。
介護の費用、三つの借り方
リバースモーゲージを利用すると、通常の借金とは違い、「三つの借り方」の選択ができるのも、シニア世代の介護の費用立てには嬉しいメリット。
一般的な借金制度では、お金を借りると一括でお金が入り、それを長い期間を掛けて返済していきます。
【 介護の費用、三つの方法 】
① 一般的な借金と同じく、持ち家を担保に一括で振り込まれる方法。
② いわゆる年金制度と同じく、持ち家を担保にした借金が、毎月給料のように支払われる方法。
③ 持ち家を担保に、必要な時に必要なだけ借りることができる方法。
…以上の三つです。
介護の費用に充てる、嬉しい利用方法
例えば、「介護と言っても軽度であるため、いっそ有料老人ホームへ夫婦で入居したい!」と言うケースでは、時には1000万円など、多額の初期費用が必要になることも多いですよね。
このようなケースで介護の費用に充てる時、持ち家を売却する方を多く見受けますが、持ち家を売却するくらいなら、リバースモーゲージの方がおすすめ。
【 介護の費用に充てる、リバースモーゲージの一例 】
★ 持ち家の売却をせずにリバースモーゲージを利用して、持ち家を担保に借金。そのお金を入居費用に充てた夫婦の一例があります。
・ 貯めていた貯金は日々の生活に使い、リバースモーゲージの制度の場合、借金後も家に住むことは可能なので、体調が良い時には、一時帰省をして家でくつろぐこともできるのです。
昔ながらのリバースモーゲージの注意点
ただし、上記のような有料老人ホームに夫婦で入居するケースでは、リバースモーゲージを提供してくれる金融機関を選ばなければなりません。
昔から制度が変わっていないリバースモーゲージの場合、「担保にした持ち家で暮らし続けなければならない。」と言う条件が付加されている場合もあるのです。
【 介護の費用を捻出する際の注意点 】
★ そうなると、夫婦のどちらかが要介護状態であった場合、その要介護度が高くなっても、家を出ることができなくなることも…。
・ 「持ち家で暮らさなければならない。」と言う制限がなければ、介護の費用を捻出するだけではなく、介護施設へ夫婦で入居して、夫婦共に快適に暮らすことができる可能性が、よりあるのです。
近年のリバースモーゲージに注目!
主に自治体が融資をしていた頃のリバースモーゲージと違い、民間の金融機関が参入してからの制度は、より自由に、借り手にとって魅力的なものが多く見られるようになっています。
【 介護の費用だけではない、リバースモーゲージ 】
★ 近年のリバースモーゲージでは、借り手が有料老人ホームなどに引っ越すことが多いもの。
・ そこで、無人となった持ち家を貸し出すことができる制度も出てきました。
持ち家を担保に借りることができ、しかも生前は貸し出すこともできるとは、シニア世代の夫婦にとっては、とても役立つ制度ではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか、今回は介護の費用が捻出できないために、老々介護で限界を感じている夫婦でも、賢くお金を借りて、さまざまな有料介護サービスが受けられるようになる、「リバースモーゲージ」についてお伝えしました。
確かに、一部では「子や孫に財産を残すことができない。」など、デメリットを気にする方々もいますが、今では親子世代での同居家族もグンと少なくなっています。
子どもは子どもで、自分達の力で家を買ったり、自分達の暮らしを一生懸命守り、一方親は親で、「子ども達には迷惑を掛けたくない!」と言う声が多数。
シニア世代になっても、自分達のことは自分達でできることを望む時代へと変化してきているのです。そんななか、リバースモーゲージは、介護の費用を子どもに負担を掛けずに捻出できる、嬉しい制度なのではないでしょうか。
まとめ
リバースモーゲージとは
・家を担保にお金を借りる制度が「リバースモーゲージ」
・借り手の死後、持ち家を売却して返済する
・毎月借りる、一括、随時借りる、三つの方法がある
・老人ホームに入り、時には家に帰る生活ができる
・なかには持ち家に住み続ける必要があるものもある
・最近では生前、持ち家を貸し出せる制度もある