老後の介護費用が気になる☆知っておくと安心の豆知識
老後で気になるのは介護の費用、介助が必要になった時のお金ですよね。自分達がある程度元気で、体のコントロールが利けば、年金などの範囲内でつつましやかに暮らして行けば良いはず。
けれども、毎日の暮らしに支障が出る場合、老後の介護保険なども便りにはなるものの、それだけでは充足できないことも…。
「賢く外部サービスを利用して、子どもや嫁に負担を掛けたくない!」そう考える、要介護のシニアの方々も多く見受けます。ただ、老人が介護サービスを受ける場合にも、先立つものが不可欠。
人生100年時代の今、実際のシニア世代だけではなく、40代50代の方々も老後の介護費用を考えると、気が重く不安になる方も少なくありません。
そこで今回は、老後の介護費用が不安、気になる方々へ向け、より安心できる、現場でのいくつかの対策や、体験した先輩方によるアドバイスをお伝えします。
老後の介護費用が気になる☆
知っておくと安心の豆知識
シニア世代になる前に、準備をしたい事柄
シニア世代で気になる費用は、特に老後で起きる介護費用が、最も気に掛かるところ。もしも、まだ40代50代であれば、「シニア」と呼ばれる60歳になる前に、備えておきたい事柄があります。
【 老後の介護費用、備えたい事柄 】
① 住宅ローンの完済
・ 人生で大きな借金となるのは住宅ローン。近年では借入れの年齢制限も延長しているものも多く、75歳・80歳完済のケースも少なくありません。
老後の介護費用の貯蓄へ意識を向けがちですが、まずは、現在の負の状況を少しでも改善!せめて65歳くらいまでには完済できるよう、40代までは繰り上げ返済に集中するのも良い方法。
50歳から60歳までの10年間で、老後の介護費用を集中して貯蓄する方が、結果的に不安要素の少ない老後スタートが切れます。
② 年金は支払う
・ 近年は年金の目減りなども不安視されていますが、それでも、現代の40代50代世代までは、ある程度の年金が期待できる世代。ただし、抜けることなくしっかりと払い続けてきた場合です。
もしも失職などで年金の支払いが困難である場合には、きちんと申請をして、「免除」にしてもらうなど、60歳前からの細かな配慮が必要。年金定期便をしっかりと見て、確認をしてください。
老後の介護費用、実際の平均額
子どもが独立して夫婦二人の老後と仮定した時、現代の老後の介護費用を、ある保険会社が調べています。
【 老後の介護費用、実際に掛かったお金 】
★ ひとり平均にして520万円前後、夫婦になると1,050万円前後との数字が出ました。
・ 実質、現代では介護保険などを利用することになるので、夫婦2人でも1,000万円前後を目安に備えることになるのです。
さらに最近では、種類を選べば手頃な金額で加入できる商品も多いため、民間の介護保険などに加入している方々も多くなりました。
老後費用は3,000万円?それはムリ!と言う方へ
老後は介護費用が最も心配な要素ですが、そこを補てんする民間の介護保険などに入っていたとしても、毎日の生活費自体が不安になることもあるはず。
老後の介護費用として、1,000万円を貯蓄して備えていたとしても、介護が必要になる70代になる前に使い尽くしてしまうのではないか…、と不安を感じるシニア世代も少なくありません。
【 老後の介護費用、暮らしに掛かるお金調査 】
★ さらに夫婦二人世帯の一か月の生活費の平均が24万円前後との調査結果も見受けます。
・ 一方で平均年金受給額が月額22万円前後(40年以上会社員で厚生年金を支払い、妻が専業主婦の場合)。
毎月2万円の赤字を補てんする、と、考えてみてはいかがでしょうか。
老後の介護費用が不安な方の、60代の過ごし方
単純計算で、2万円×12か月×25年(60歳から85歳と仮定)600万円前後。ただ、多くの方々が60代はまだまだ元気ですし、老後の介護費用まで考えるのであれば、元気でいられるケアは不可欠。
【 老後の介護費用、60代の過ごし方 】
★ そう考えると、60代はさらに働く時期と想定。
・ つつましやかに暮らす場合、600万円あれば90歳までの暮らしが補てんされることになります。
老後の介護費用の備えとプラスしても、シニア世代で貯蓄しておく金額として、まずは1,600万円あれば、ひとまずの安心が持てる、と言うことになるのです。
高額医療費制度を理解して備える
「それでも、医療費がかさんだら、どれだけ家計に負担が掛かるか…。」、などなど、「もしも」を考えだしたら、なかなか不安は消えないもの。
けれども「高額医療費制度」を理解していれば、ある程度の老後の介護費用に関する不安は解消します。
【 老後の介護費用、高額医療費制度とは 】
★ 70歳以上の夫婦の場合、高額医療費制度により、一般的な家計の夫婦であれば、「世帯で」月44,400円以上を支払う必要はありません。
・ しかも入院ではなく通院のみの場合には、世帯合算で月12,000円が上限。
ここで注目したいのが、世帯で合算している、と言う事。一人でも月44,400円を上限としていますが、夫婦でも同じ。二人とも何十万もの治療を受けたとしても、世帯で44,400円が上限なのです。
自宅を担保にする「リバースモーゲージ」
ここまでお伝えすると、基本的な医療に関しては少し安心ができるものの、有料老人ホームなどを検討したい場合にも、その老後の介護費用が気に掛かるもの。
【 老後の介護費用、リバースモーゲージ 】
★ 「リバースモーゲージ」とは、自宅を担保にして、介護費用のためのお金を借りる制度なのですが、借りている間は家に住むことができる制度。
・ 主に自治体や銀行で行われている制度で、借主が死亡すると家を売却して返済に充てる方法です。
借入れ方も、一括支払いの他、年金のように毎月の支払い、決まった金額内で、必要な時にいつでも借入れができる方法と、何種類かの融資方法があるのも、嬉しい制度です。
いかがでしたでしょうか、老後の介護費用を考えると、多くのサイトで「老後の備えは3,000万円以上は必要!」との声や、老後破産などなどの文字ばかり…。
時には1億円の備えが必要!などと唱えるものもありますが、分かってはいても、そうそう簡単に貯められる金額ではありませんよね。そして、誰もができれば、シニア世代まで苦労はしたくないはず。
ただただ、未来に不安を感じるよりも、今回のように具体的な数字を出すことで、「自分に最低限必要な金額」、つまり数字を割り出すことが大切。
そうすることで、見えなかったものが見え、恐れるものの正体がハッキリするとともに、その対策も具体的になるのです。ぜひ、ご自身の年金や保険、貯蓄を整理しながら、具体的な対策を計画してみてはいかがでしょうか。
まとめ
老後の介護費用対策
・住宅ローンを完済し、年金は支払っておく
・現実の介護費用は、1人520万円が目安
・老後のために1,600万円を備える
・60代は健康を保ち、働くつもりでいる
・高度医療費制度で、1世帯上限44,400円
・リバースモーゲージでの借り入れ