お墓を建てた後の開眼供養。準備やお布施、5つの基礎知識
お墓を建てた後、開眼供養を行う方がほとんどですよね。開眼供養は仏教の供養です。日本では無宗教の方も多い一方、多くの家で仏式の供養を行うため、お墓を建てた後も開眼供養が多いのです。
先祖代々墓などであれば、改葬(お墓の引っ越し)などがない限りは、お墓の開眼供養もないのですが、最近では個人墓が増えたためか、その手順や方法に戸惑う方も多くなりました。
また、郷里のお墓を自分の住まい近くに改葬する事例も増え、お墓の開眼供養は増えています。改葬では郷里のお墓を一度墓じまいをして閉眼供養を行い、続いて新しい改葬先で開眼供養を行うのです。
せっかくお墓を建てるなら開眼供養まで行って、丁寧にお参りをしたいですよね。そこで今回は、お墓を建てた時に行う開眼供養の手配や気になるお布施など、準備の基本をお伝えします。
お墓を建てた後の開眼供養。
準備やお布施、5つの基礎知識
お墓を建てた後の、開眼供養の意味合い
仏式のお墓では開眼供養を行って初めて、故人を供養する墓石へと変わります。
【 お墓の開眼供養の意味合い 】
★ 「開眼供養(かいげんくよう)」はその名前の通り、仏像などに眼を入れることを差していました。開眼供養が他にも「お魂入れ(おたまいれ)」と言われるように、眼を入れることでその物に魂が宿ります。
・ 仏像にも供養を行うように、お墓の他にも仏壇や位牌へも開眼供養をします。
本来、お墓の開眼供養は必ずしも納骨式と合わせて行う必要はありません。最近では終活の広がりによって、生前墓(寿陵墓)も増えてきましたが、お墓を建ててすぐの開眼供養も可能です。
寿陵墓に開眼供養を行うことで礼拝の対象となるため、遺骨が納められていなくてもお参りはできますが、今では建墓時に供養を行わず、納骨に合わせたお墓の開眼供養の方が多い傾向にあります。
お墓の開眼供養の段取り
お墓の開眼供養では、お坊さんをお呼びして読経供養を行います。そのため、まずはお坊さんに連絡をしますが、寺院境内墓地であればそのお寺の住職さんへ相談をしてください。
また、宗旨宗派を問わない民間霊園でも、施設管理者に相談をすれば僧侶の紹介や手配をしてくれる霊園が多いです。
【 お墓の開眼供養:段取り 】
① 日取り決め … 菩提寺とお墓を建てた霊園の施設管理者へ相談をして、読経供養の日取りを決める。
② 参列者を決める … 最近では納骨式や開眼供養はごくごく身内の家族のみで行う事も多いです。ただ、一周忌や三回忌などと一緒に行う事例も多く、この場合には参列者の人数を早めに決定します。
③ 法要後の会食の手配 … 法要の後には食事を振舞うことが多いです。別会場で食事をする場合には場所と食事の手配を行い、墓地内で会食が行われる場合には、仕出し料理などを注文してください。
④ 法要前のお墓の掃除
⑤ お供え物 … 供え花やお供え物も事前に準備をします。供え花は菊などであれば安心です。バラなど棘のある花は避けてください。お供えのための小机も事前に準備が必要です。
お供え物としては果物や焼き菓子などが定番です。お墓の開眼供養が終わったら、供え花はそのままにする家が多いですが、お供え物は下げて持ち帰ります。(鳥などに狙われて、お墓が荒れる原因になるからです。)
お墓の開眼供養後の会食を行わない場合や、沖縄の開眼供養で墓前でウサンデー(共食)を催す場合では、仕出し弁当を手配することが多いです。
お墓の開眼供養、お布施の準備
お坊さんが読経供養を行う法要では、「お布施」をお礼としてお渡ししなければなりません。けれどもお布施は料金が明瞭に提示されてはいないため、悩む施主の方々も多いです。
【 お墓の開眼供養:お布施 】
① お布施 … 地域や寺院によって変わってので一概には言えませんが、平均的には3万円~5万円です。
② 御膳料 … 法要後の会食にはお坊さんを必ずお声を掛けなければなりません。もしもお坊さんが参加されない場合には、「御膳料」をお渡しします。目安は5,000円~1万円です。
③ 御車料 … 民間霊園などでお坊さんに来ていただいた場合には、交通費として「御車料」をお渡ししてください。目安はタクシー料金で、こちらも5,000円~1万円となります。
④ 実費 … 法要で使った法具(レンタル料)や、前述した供え花の代金、お供え物の代金も用意をしてください。
⑤ 業者へのお礼 … 石材店や施設管理業者のスタッフなど、お世話になった方々へも「志」としてお礼を包む方もいます。こちらも目安は5,000円~1万円、料金が提示され支払っている場合には必要ありません。
お墓の開眼供養はお布施の封筒の形式に悩む方も多いですよね。不祝儀なのか祝儀なのか…、との質問もありますが、お墓の開眼供養に限らず(葬儀の席でも)お布施に関しては一律で、白い封筒や紙に包んでください。
表の上部の中央に名目(御布施)を書き、その下に施主の名前を黒墨で書きます。(葬儀でも黒墨です。)御膳料や御車代、志も同じ形式です。
いかがでしたでしょうか、今回はお墓を建てた後の開眼供養、施主が行う手順やお布施の基礎知識についてお伝えしました。特にお布施に関しては、周囲に聞きにくい方も多く、戸惑う方々が多いです。
先祖代々墓を持つ家の菩提寺であれば、親族など、近々で法要を行った方へいくらお布施を包んだか、確認しても安心できます。本文中で平均は3万~5万とお伝えしましたが、なかには6万円・10万円などのお布施もあります。
お坊さんに直接お伺いしても良いのですが、お布施は修業のひとつと言われるために、料金に関して直接的な表現はなるべくしない、ともされてきました。
ですから「お墓の開眼供養の料金はいくらですか?」などとは聞かずに、「皆さまどれくらいお包みしているのでしょうか?」くらいに留めると好印象です。
日ごろ慣れないマナーやしきたりも多く、戸惑うこともありますが、せっかくの建墓の儀式ですから、ぜひ、本記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
開眼供養の基礎知識
・開眼供養で仏様の魂を招き入れる
・最初に僧侶と日取りを確認する
・法要後の会食の手配をする
・寺院境内墓地であれば住職に相談する
・お布施の全国的な平均は3万円~5万円
・御膳料や御車代、志も準備をする
・供え花やお供え物も実費で用意をする
・お布施は白い封筒に包む