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ハチナンカ、仏前のお供え物。施主が押さえる5つの基本

ハチナンカ、仏前のお供え物。施主が押さえる5つの基本
ハチナンカのお供え物は、四十九日まで続く沖縄の週忌焼香「ナンカスーコー」のなかでも、多くの弔問客が集まる焼香ですから、丁寧に準備をしたいですよね。

 

施主にとっては葬儀後初めてのナンカスーコーで、ハチナンカは戸惑うことも多いです。朝のお墓参りは家族のみで行くとしても、午後からは弔問客へのおもてなしもあり、気が張るのではないでしょうか。

 

そこで今日は、葬儀から初めての焼香であるハチナンカでの、5つのお供え物をお伝えします。

 



 

ハチナンカ、仏前のお供え物。
施主が押さえる5つの基本

 

ハチナンカのお供え物の置き方


ハチナンカではお供え物は、まだ祭壇があるので祭壇前にテーブルを用意し、その上に置くようにしてください。

 

テーブルには白い布を掛け、焼香客がお焼香をしやすいよう、ろうそくとウコール(香炉)、お線香が向かって手前にきます。

 

【 ハチナンカでのお供え物の並べ方 】

 

① 祭壇側 … お酒を中心に水とお茶、その両脇に一対の供え花が置かれます。

 

② 中段(1) … 中央には祭壇側に「ダーグ」その手前に「ハーガー」(それぞれ二皿)、その両脇に一対の果物の盛り合わせです。

 

③ 中段(2) … 重箱料理を四段、並べてください。おかず重の上にはお箸を乗せ(それぞれに乗せるので二膳)、向かって左から、おかず重・餅重・おかず重・餅重の順番で並べます。

 

④ 中段(3) … 中央にお膳料理、両脇に「ムィグァーシ」の盛り合わせが一対です。

 

⑤ 焼香客側 … 中央にウコール(香炉)とお線香、両脇にろうそく一対です。

 

 

ハチナンカの重箱料理


ハチナンカの重箱料理のお供え物は、おかず重二段とお餅重二段の四段、「チュクン」です。昔ながらの習わしでは、八ナンカだけではなく、奇数週の週忌焼香「ウフナンカ」ではチュクンとされています。

 

※一方、偶数週の週忌焼香「マドゥナンカ」では一段ずつのカタシーです。

 

【 ハチナンカのお供え物の重箱料理 】

 

★ ここで必ず注意をしたい点は、お祝いの飾り方は避けることです。「当たり前!」と思うかもしれませんが、意外と間違えも多いです。

 

① 昆布の煮しめ … お祝いでは「結び昆布」ですが、ハチナンカのお供え物では「返し昆布」です。

 

② かまぼこ … お祝いでは赤白が並びますが、ハチナンカのお供え物では白いかまぼこのみとなります。

 

③ お餅 … ハチナンカのお供え物では、白いお餅で餡も入れてはいけません。

 

④ 豚の三枚肉の煮つけ … どちらも豚の三枚肉は入りますが、「入れ方」が違います。お祝いでは豚の皮は下側に入れますが、ハチナンカのお供え物では、豚の皮が上です。

 

糸満地域では5品目が多いなど、家や地域によって違いますが、奇数品目を盛りつけるのが基本です。返し昆布をお仏壇側の中央に配する習わしも多いので、確認してみてください。

 

 

重箱料理以外のハチナンカのお供え物


最初の項目で、ハチナンカでのお供え物の置き方をお伝えしましたが、「ムィグァーシ」や「ダーグ」など、聞きなれない言葉に戸惑う方も多かったのではないでしょうか。

 

【 重箱料理以外のハチナンカのお供え物 】

 

① ダーグ … 団子粉を水でこねた、白い団子です。一皿に7個ずつ盛りつけて二皿(一対)を準備します。

 

② ハーガー … 丸い形とドーナツ形のお菓子、「ミーフグァーシ」「ヒーグァーシ」を盛りつけたハチナンカのお供え物です。3つと4つなどそれぞれ7個ずつ二皿(一対)を供えます。

 

③ ムィグァーシ … 落雁(らくがん)などのお菓子を七種、盛りつけたお皿です。二皿(一対)準備をします。

 

★ その他のハチナンカのお供え物 ★

 

④ 果物の盛り合わせ … こちらも二皿の一対を用意します。果物の内容はさまざまですが、島バナナ・みかん・りんごは入れる家が多いです。

 

⑤ お膳料理 … 故人に供える料理です。こちらは後ほど詳しくお伝えします。

 

ムィグァーシも昔ながらのお菓子として、内容が決まっていますが、今では子ども達も食べられるように、現代のお菓子で代用する様子も、時々見受けます。

 

昔ながらのお菓子は、法事専門の菓子店に注文すると、準備をしてくれます。

 

 

お仏壇に供えるお膳料理


ハチナンカではお供え物にお膳料理も入ります。その昔は弔問客へのおもてなしとしても用いましたが、今ではお供え物として準備することが多いのではないでしょうか。

 

【 ハチナンカのお供え物、お膳 】

 

★ 基本的には精進料理ですが、沖縄では豚の三枚肉の煮つけなどもみます。

 

・ ですから、ご飯に汁もの、ウサチ(酢の物)煮物(ごぼうの煮つけなど、重箱料理のおかずのようなもの)を配膳してください。

 

 

焼香客をもてなす料理


前項でお伝えしたように、その昔は故人へ供える精進料理が焼香客にも振舞われましたが、今ではハチナンカのお供え物とは別に、ふるまい料理を準備する施主が増えています。

 

【 ふるまい料理 】

 

★ お膳料理を準備する家もありますが、都心部を中心にスーコー専用の仕出し弁当を注文するケースが多くなりました。

 

・ 仕出し弁当を注文する場合には、「スーコー用」と依頼し、一人分は500円前後のものが人気があります。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今日は葬儀から初めてのスーコー(焼香)となる、ハチナンカのお供え物についてお伝えしました。沖縄のスーコーでは、まずお供え物が大切です。

 

ただ、ふるまい料理は仕出し弁当の注文する家が増えたとお伝えしましたが、重箱料理やお供え物も、一式を注文できるお店はあります。自分達でできるところまで準備をしつつ、できる部分は専門業者に頼るのも一案です。

 

この後もスーコーは続きますが、ハチナンカを終えれば祭壇は片づけられ、一息付く頃でもあります。気も緩みがちなので体調にも気を配りながら、ムリせず周囲に頼りながら、過ごしてください。

 

 

まとめ

ハチナンカでのお供え物の基本

・祭壇の前にテーブルを置き、白い布を掛ける
・ウコールとろうそくは手前に置く
・重箱料理はスーコー用になるよう注意する
・ダーグやハーガー、お菓子を供える
・果物の盛り合わせを一対供える
・故人へ精進料理の膳を供える
・焼香客へのふるまい料理も準備する

 



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