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クリアゲナンカスーコー、増えて来た新しいスタイルとは

クリアゲナンカスーコー、増えて来た新しいスタイルとは
「クリアゲナンカスーコー」は、葬儀や初七日で残りのナンカスーコーを繰り上げて行うことを差します。本来の意味合いとは別に、最近では繰り上げナンカスーコーが多くなりましたよね。

 

そもそも「ナンカスーコー」とは「七日焼香」と書く、全国で言うところの週忌法要です。ただ、沖縄では焼香客も訪れるスーコーで、大切な位置づけにもなっています。

 

現代の事情に合わせて増えたクリアゲナンカスーコー、まとめるとしても、丁寧に執り行いたいですよね。そこで今日は、クリアゲナンカスーコーの手順をお伝えします。

 



 

クリアゲナンカスーコー、
増えて来た新しいスタイルとは

 

本来のクリアゲナンカスーコー


実は、その昔からクリアゲナンカスーコーはありました。けれども、現在多く執り行われているそれとは、理由が違います

 

【 本来のクリアゲナンカスーコー 】

 

★ 本来は年の瀬に故人が亡くなった場合に、クリアゲナンカスーコーが選ばれていました。

 

・ シジュウクニチ(四十九日)が年を超えることは良くないとされ、年内にシジュウクニチの焼香までまとめて終わらせてしまうのです。

 

ただこの場合、形としては一度にまとめて供養をし、祭壇や後飾りも全て片付けるものの、焼香客は訪れずとも、家族は翌年もナンカスーコーを行います

 

 

現代のクリアゲナンカスーコー


ただ、現代ではこの本来の意味合いとは、事情が違います。

 

【 現代のクリアゲナンカスーコー 】

 

★ 家族・親族も遠方に住んでいたり、仕事の事情で、頻繁に集まることはできません。そのため家庭の事情で、年内時期を問わずにクリアゲナンカスーコーが選ばれています。

 

・ 本州と同じく、葬儀・初七日・四十九日の三回を執り行うケースもありますが、現代では多くが葬儀で四十九日まで、まとめて行う家が多いです。

 

沖縄ではクリアゲナンカスーコーを執り行う時、ヒヌカンとお墓、霊前へ、繰り上げる理由を伝えて、許しを得る手順もあります。

 

 

クリアゲナンカスーコーの準備


スーコーを繰り上げるため、簡単に言えば「七回続けて行う」ことになります。葬儀翌日などであれば、ハチナンカのスーコーと同じ流れを辿ってください。

 

【 クリアゲナンカスーコーの準備 】

 

★ ハチナンカと同じお供え物を準備します。

 

・ 重箱「チュクン」の四段
・ 基本のお供え物(供え花・水・お茶)
・ ハーガー(ミーフガーグァーシ・ヒーグァーシ)
・ ダーグ(団子)… 二皿
・ ムィグァーシ(お菓子七種の盛り合わせ)… 一対(二皿)
・ 果物の盛り合わせ … 一対(二皿)
・ 精進料理の膳

 

★ シジュウクニチ用 … フニムチ(四十九個の白餅の皿)

 

…もちろん、手前にはウコール(香炉)とろうそく一対を準備してください。

 

 

ヒヌカン・墓前・霊前に報告


クリアゲナンカスーコーの日は、朝からヒヌカン→墓前→霊前へと事情を話して、許してもらわなければなりません。

 

【 ヒヌカン・墓前・霊前への報告 】

 

① まず、ヒヌカンへ四十九日までの焼香をまとめて行う理由をお伝えし、お墓参りに出向きます。

 

② 墓前でも同じく繰り上げる理由をお伝えし、許しをいただいてください。

 

③ 自宅の霊前へ戻り、ここでも理由を伝えて許しを乞います。

 

お墓へ重箱を持って行く家もありますが、重箱は持参せず、ヒジャイガミ様へはシルカビとヒラウコー(施主がタヒラ)とお酒、墓前にはお水・お茶・供え花にヒラウコーをタヒラ拝するだけで拝む家も多いです。

 

 

霊前でのクリアゲナンカスーコーの手順


いよいよクリアゲナンカスーコーですが、基本はハチナンカと同じで、前述したように繰り上げるスーコー分(今回の例ではハチナンカからシジュウクニチの七回)、供養を繰り返します。

 

【 クリアゲナンカスーコーの手順 】

 

① 施主はヒラウコーをタヒラ拝して、手を合わせます。皆でお供え物を供してスーコーを行っていること、今後とも見守ってくださるよう、お伝えしてください。

 

② 集まっている家族も施主と一緒に手を合わせ、拝みます。

 

③ 続いて施主がウチカビ五枚をカビバーチで燃やし、その後に集まった家族が一人に付き三枚を燃やしてください。

 

④ 重箱からおかずをひっくり返して「ウハチ(お初)」を供えてください。

 

⑤ お焼香が行われます。一人に付きヒラウコーは半分です。

 

…以上を七回繰り返します。

 

 

クリアゲナンカスーコーを行うために


このような流れを七回繰り返すので、準備も多くなります。

 

【 クリアゲナンカスーコーを行うために 】

 

★ 重箱のおかずは一回の供養が終わったら、お皿に取り分けて、ウチジヘイジ(余分に残しておいた重箱のおかず)から、重箱に補充してください。(これを七回繰り返すので、ウチジヘイジも七回分用意します。)

 

・ ウチカビも毎回焚きます。そのため準備する枚数は、施主は五枚×七回、他の方々の分も一人に付き三枚ずつ×七回分の枚数です。

 

ウチカビは一回分ずつ、重箱の上やお供え物に置いて行ってください。ウチカビを燃やした後はお酒を掛けて消し、焼香客が帰った後に門前に撒いてください。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、今日は近年沖縄で増えてきたクリアゲナンカスーコーの手順をお伝えしました。本州でも繰り上げ初七日は増えてきましたが、供養は二回…、対してクリアゲナンカスーコーは計七回です。

 

繰り返す回数が多いので、葬儀のように読経供養は依頼しない傾向にありますが、葬儀でクリアゲナンカスーコーが行われる場合には、ハチナンカ(初七日)分のみで良しとする、本州式を採用するケースもあります。

 

また、焼香客に何度も来てもらうのは気が引けるため、クリアゲナンカスーコーを行うものの、家族だけで別に、毎週執り行う家も多いです。

 

それぞれの事情に合わせて、気持ちも大切にしながら、どうぞ柔軟に判断してください。

 

 

まとめ

クリアゲナンカスーコーの手順とは

・当日はヒヌカン→墓前→霊前に報告する
・ハチナンカと同じお供え物を準備する
・シジュウクニチ分だけフニムチを供える
・ハチナンカと同じスーコーを七回繰り返す
・ウチジヘイジも七回分用意し、補充する
・ウチカビも七回分燃やす
・回数が多いため読経供養では柔軟な対応が多い
・回数が多いため読経は依頼しない家も多い



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