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初清明祭で当たる近年のお墓事情。解決した体験談

初清明祭で当たる近年のお墓事情。解決した体験談
清明祭(シーミー)は沖縄では一年のなかでも大きな旧暦行事ですよね。この時期に合わせて観光客が訪れることもあるほど、沖縄の方ではなくても知られていることの多い風習です。

 

墓前でお供え料理である「ジューバク(重箱)料理ウサンミ(御三味=御馳走)」を食べる光景は、とても特徴的です。ただ、身近な家族が近く亡くなった家では、その年の清明祭(シーミー)は行いません

 

そして「喪」が明けてから初めて行う清明祭(シーミー)は初清明祭(ハチシーミー)です。ただ、初清明祭(ハチシーミー)の時期など、何かと戸惑ったり、墓主としては判断に迷うことも少なくありませんよね。

 

そこで今回は、初清明祭(ハチシーミー)をどの時期に行うのか…など、判断に迷った時でも参考になる、初清明祭(ハチシーミー)の基本をお伝えします。

 



 

初清明祭で当たる近年のお墓事情。
解決した体験談

 

初清明祭のタイミング


親族間でまとまらず、施主が迷った事例で多い事柄が、初清明祭(ハチシーミー)のタイミングです。親族間などで「いつ喪が明けるのか」の考え方の相違で迷う墓主が多く、「一年忌(イヌイ)後と三年忌(サンニンチ)後とに、意見が分かれてしまって迷っている。」との体験談が目立ちます。

 

葬儀では四十九日(シンジュウクンチ)までは「忌中」で「遺族も穢れがある」ために、ここはほとんどのお祝い事がタブーです。

 

亡くなってから一年の「喪中」になると「喪に服す」時期となり、お正月は年賀状を出さないなど「お祝いをしない」と考えれば、全国的には喪中の一年とする地域がほとんどです。

 

【 初清明祭(ハチシーミー)のタイミング 】

 

■ ですので初清明祭(ハチシーミー)は喪明けの一年忌(イヌイ=一周忌)以降、初めての清明の節気から始めるとする方が、沖縄でも最も多いのではないでしょうか。

 

・ ただ、親族間で意見が違う体験談が多いように、確かにその判断は地域によってまちまちです。特に多い別の解釈としては「三年忌(サンニンチ=三回忌)の後から始めるのが良い。」と考える方も少なくありません。

 

もしも一年忌(イヌイ)の後か三年忌(サンニンチ)の後かで迷っているなら、どちらも間違えではないので、施主の判断で進めても良いのではないでしょうか。

 

 

初清明祭が、忌明け後に行われる理由


ここで、若い方々のなかには「なぜお墓参りなのに、清明祭(シーミー)を喪明けに行う必要があるの?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。お盆は初盆と言って、一年後には何の疑問もなく行いますし、お正月や結婚式と言ったお祝い事ではなく感じますよね。

 

【 お墓参りや供養も、お祝い事になる 】

 

■ けれども「清明祭(シーミー)」に「祭」があるように、沖縄ではお墓参り行事でもお祝い行事に当たります。(対して供養事とされるのが旧暦一月十六日の「十六日(ジュウルクニチ)」です。
 

・ 例えば年忌焼香(ニンチスーコー)でも、故人が亡くなって長い大焼香(ウフスーコー)になると、お祝いとされます。

 

最も分かりやすい特徴が、清明祭(シーミー)や大焼香(ウフスーコー)で供えるジューバク(重箱)料理の「ウサンミ(御三味=御馳走)」です。
 
清明祭(シーミー)はお祝いとして準備するため、かまぼこは赤いものを用いますし、豚の三枚肉は沖縄のお祝い事の詰め方に倣い、皮の部分たりするを下に盛り付ける方法で用意します。

 

 

初清明祭までの時期の過ごし方


初清明祭(ハチシーミー)のタイミングが決まると、ある程度スッキリするものですが、初清明祭(ハチシーミー)までのこの時期の過ごし方で、家族や親族間で意見が分かれることもしばしばです。
 
と言うのも、「お墓参りをしない代わりに、お墓の掃除だけをする!」と言う方もいるからです。

 

【 初清明祭(ハチシーミー)までの過ごし方 】

 

■ 「お墓の掃除だけでもしたい。」と言う家族や親族がいた場合、お祝いをしない、と言うのが基本の考え方ですので、清明祭(シーミー)の時期であっても掃除をすることは、何も問題ありません

 

・ 清明祭(シーミー)としての大掛かりなものではなく、「家族のみでしめやかにお参りをしたことで、おばぁも満足していた…。」と言う体験談もあります。

 

このように四角四面に「何が正解で何が間違え!」と言うものもありません。高齢の家族が何か想いを残しているのなら、日にちをずらして小規模なお墓参りをするなど、柔軟に対応してみてはいかがでしょうか。

 

 

お墓を新調したのだけど…


沖縄では位牌(イフェー)は四十九日(シンジュウクンチ)までに、新調した場合でも何とか準備をする家庭が多いですが、全国的にもお墓を建てる際の期限について、決まり事はありません

 

そのため、四十九日(シンジュウクンチ)に間に合わなかった場合には、一年忌(イヌイ)を目処に準備を進めるケースも多いです。ただ最近のお墓の事情が変わってきていることで、初めてのお墓での初清水祭(ハチシーミー)で、思わぬ問題にぶつかるケースも見受けられます。

 

【 新しいお墓での体験談 】

 

■ 初清明祭(ハチシーミー)で大勢の親族が墓前に集まったところ、「隣も大規模な初清明祭をしていてスペースがなかった!」と困った体験談がありました。

 

・ これは近年増えてきた、霊園などでの体験談が多いです。今までの沖縄のお墓の主流は個人墓地だったので、ある程度のスペースは確保されてきましたが、霊園ではコンパクトなお墓が並ぶことが多いため、あまり大勢で集まると、人が収まりきらない事態も起きがちです。

 

当日にお隣同士でぶつかった体験談では、お互いに時間やスペースを譲り合いながら、基本的な供養を済ませ、その後のウサンデー(会食)は、近隣の広場スペースや、施設内の部屋を借りて解決していました。

 
また、沖縄南部最大の門中墓の慣習に倣い、家長と数人のみがお墓参りへ行って、残りの親族家族は宗家(ムートゥーヤー)で待機し、自宅でウサンデーなどを行う家も多いです。(これは沖縄の「お仏壇とお墓は繋がっている」の考え方に基づきます。)
 

門中墓でなければ、ある程度自由


このように故人が亡くなってから初めて行う「初清明祭(ハチシーミー)」では、親族間で意見がさまざまに分かれることがあるのですが、このような問題が多いのは、やはり門中墓のケースと言えます。

 

【 家族墓や個人墓は臨機応変に 】

 

■ 「三年忌(サンニンチ)まで清水祭(シーミー)はしない。」と言う背景には、門中墓の場合には多くの門中となる親族が集まって、さまざまな供養をする機会が多いから…、と言う理由も少なくありません。

 

・ 故人が亡くなれば一年忌(イヌイ)まで、多くのスーコー(焼香=法要)がありますし、三年忌(サンニンチ)までもあっと言う間です。門中墓の場合には、門中全員がそのお墓に入るため、その分スーコー(焼香)が何かと多い時期も起こり得ます。

 

忙しい現代ですから、門中の多くの親族が一同に会するようスケジュール調整するのは、意外にも大変です。このような事情を理解しながら、初清明祭のタイミングを見計らっても良いのかもしれません。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、通夜や葬儀、四十九日と、故人が亡くなってしばらくは喪主(施主)も何も考える間もなく、バタバタと過ごすばかりではありますが、一年の喪が明ける時期には、さまざまな環境も変化している時期ではないでしょうか。

 

このような時期に行うのが初清明祭(ハチシーミー)です。お墓参りでありながらお祝いの意味合いもあり、墓前で集まって暖かにウサンデー(共食)をする行事ですから、故人を思うとすぐにでも行ってあげたい気持ちが出てくる家族もいるかもしれません。

 

実際に沖縄では地域によって違いがありますが、葬儀当日に門中墓で納骨した後、「故人が寂しがるから。」と、初七日までは毎日お墓参りをする風習もあります。ただ皆が気持ちよく、納得して初清明祭を迎えられれば、なおのことスッキリしますよね。

 

ぜひ初清明祭(ハチシーミー)に多い解釈を踏まえつつ、臨機応変に調整してみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

初清明祭のタイミングや基本の考え方

・一般的には一年忌(イヌイ)後が初清水祭
・清水祭はお墓参りでありながら、祝い事
・お墓の掃除や家族でのお参りは問題ない
・霊園などのお墓では、隣近所にも配慮する
・門中墓であれば墓主の事情にも配慮する



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